劇場公開日 2025年1月17日

「兵衛と才蔵の師弟関係、深い思いに泣ける」室町無頼 りんごさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0兵衛と才蔵の師弟関係、深い思いに泣ける

2025年5月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

本編では、ハッキリ言われませんが、才蔵は自分を拾い目を開かせてくれた兵衛のことを深く信頼し、強くなった力を「兵衛を守るため」に使い自身が命を落とそうとも戦い抜こうとします。
初めは可愛らしくあどけなかった才蔵は、唐崎の老人との修行の中で心も体も磨かれ強く逞しく成長しますが、いつまでも兵衛の前だけでは何処か幼く可愛らしい姿にも、2人の関係を思うと胸が熱くなります。

才蔵を演じた長尾謙杜くんは、ツアーやその他の仕事と並行して過酷なトレーニングに励み、撮影もスタントなしでやり切りました。
彼は役に対して手を抜くことが一切なく、いつも直向きに役に向き合う俳優さんです。
「お芝居は虚構であるからこそ、嘘のない俳優になりたい」その思いが今作品でより一層感じられたように思います。

貧困や飢餓に苦しむ村人たちが、自分の命を賭けてまでも世の中を変えるために思いを訴える為に幕府に刃向かい、そして力の差に無惨に命を奪われる姿に何度も苦しく涙が溢れました。
また同時にそのように世の中を変える為に動いた人がいたからこそ少しずつ世界が変わり、動いていくのだと感じさせられた映画です。

素晴らしい剣術や棒術アクションだけでなく、大切なことを感じられる作品だと思います。
素敵な作品をありがとうございました。

りんご