「エキストラとして参加しましたが…」室町無頼 小籠包さんの映画レビュー(感想・評価)
エキストラとして参加しましたが…
京都の太秦でエキストラとして参加しました。その日はワイヤーアクションや証文を投げるシーンが撮影されました。私もスキップしながら証文をばら撒いては、全体のやり直しで証文を拾い集め、またばら撒いたりしました。私は現場にいながら、この映画には深みがないだろうなと感じていました。
昨日映画館で鑑賞しましたが、感想としては、予想通りだったな、という感じです。そもそも、山田洋次の作品にあるような心が揺さぶられる体験を期待するのではなく、大泉洋や堤真一の演技を楽しむべきものなのかもしれません。
ところで、今回エキストラに参加したのは、映画の撮影がどのように行われるかを見てみたかったからですが、エキストラの人たちはみんなそれぞれの役割をよく理解して参加していたのに驚きました。こんなに質の高いエキストラが得られるのは日本ならではではないか、と感じたものです。
しかし、その日は朝の8時に集合して衣装に着替えてメイクして、呼ばれたのは夕方の5時過ぎでした。それまで控え室で待機です。本を読んで過ごしましたが、時間を無駄にしていることに焦りを感じました。中には、複数回エキストラとして参加すると最後のクレジットに載せてもらえるということで、そのために何度も参加している、と楽しそうに話している男性もいましたが、私はエキストラがいくら自分から無料で望んで来ているとは言っても、他人の時間をこのように粗末に扱ってはいけないんじゃないかと感じました。そんなこともあり、撮影中、私は「被災地のボランティアでもないし、エキストラを募集した会社は報酬を受け取っている。労働力は無料で提供するものではないな」などと考えていました。他の映画やドラマの撮影現場ではそうではないのかもしれません。
ちなみに、撮影会社の都合で撮影時間が切り上げられたのですが、規定の時間を過ぎていないということで、駐車代は出ず、自腹となりました。一緒に参加していた大学生は交通費が自腹となり、ショックを受けていたようでした。これはエキストラを募集した会社に問題があったと思います。
今回そんな経緯があったのにお金を払ってまで鑑賞したのは、自分が映り込んでいる可能性に期待したわけではなく、あの時、現場で抱いた感じが合っていたのかが気になったからです。こんな動機でこの映画を観たのは私くらいかもしれませんが、映画自体への評価として星3つを付けました。ほとんど映画の内容と関係のない話ですみません。