「民衆の怒り はち切れんばかりにビッグバンスペシャル」室町無頼 ヤンバルクイナさんの映画レビュー(感想・評価)
民衆の怒り はち切れんばかりにビッグバンスペシャル
IMAX先行上映で2回鑑賞しました
IMAXに相応しいど迫力映画です
「重厚な時代劇」というよりは、
「歴史ものエンターテインメントアクション映画」という印象
物価高や税金の高さ、格差社会など現代に合いすぎているテーマです
中世の時代から同じことを繰り返しているのだと思うと、
少し虚しくもなりますね
逆にめでたいことがあればお祭り騒ぎで盛り上がるのは現代人の我々も同じで、同じ心を共有していると感じました
才蔵のキャリアアップ物語が映画の軸としてありますが
雇われ人として考えずに働くことを強要された身から、
兵衛に拾われ考えるための素地も、棒術の技術も鍛えられ
最終的には兵法者として自分の考えで歩き出すエンドに
会社員として生きている自分には耳が痛かった(褒め言葉です)
当時の時代背景は分からなくても全く問題なし
(もちろん分かるとより楽しめるとは思います)
ただ、応仁の乱がどのように戦国時代に繋がっていくかは映画内で語られなかったと思うので、そこを把握していると兵衛の成し遂げたかったことがより理解できるかと思います
大泉さん(蓮田兵衛)はかっこいい浪人でありながら少しコミカルさもあるのがとても似合っていました
殺陣も力強さがあり、実際に人を切るときはこのような速度なんだろうなと感じました
長尾くん(才蔵)の棒術は迫力があり、この映画の華です
私の動体視力がついていけないのが残念
身寄りのない餓鬼から一人の兵法者として成長した姿を
表情からも表現されていて素晴らしいです
才蔵は兵衛や道賢に未来を託された存在ですが、
長尾くんも次世代を担う俳優の1人として期待されている存在だと感じます
堤さん(道賢)はやっぱりかっこいいですね
派手な動きをしなくても、佇まいだけで強者感を出してくる存在感が
「名優とはこのこと!」と感じさせてくれました
原作だと芳王子の掘り下げや、法妙坊暁信と才蔵のお話などがありますが
カットされてしまって少し残念
でも尺を考えると仕方ないかな
また通常公開されたら見に行きます