劇場公開日 2024年7月24日

「結局はメタな視点ごと飲み込まれた印象」デッドプール&ウルヴァリン 今日は休館日さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0結局はメタな視点ごと飲み込まれた印象

2024年7月30日
iPhoneアプリから投稿

これまで映画会社に捨てられてきたキャラクター達やそれら作品関係者への温かい視点、映画会社や業界に問題提議するスタンス。ショーン・レヴィらしい優しさ、個性的な着眼点、巧みな比喩表現、そこにデッドプールの下品さを加えて。

全体としてはとても高いレベルで、他にはないネタっぽい作品となっているのだが、物語の本題となる敵との戦いやマルチバースによる雑多感が影を落としている印象。

どれだけメタな視点で逃れようとしても、結局マーベルやマルチバースという大波に飲み込まれてしまった感が否めない。お決まりのバトル展開、時間軸を超えたキャラクター達のわちゃわちゃ。初めは斜め上から見下して、ネタにしておちょくっていたのに、「マルチバースはもうやめろ」と言っていた自分が飲まれてしまっている。これでは格好がつかない。

これまで他のマーベルヒーローにないスタンスを維持してきたデッドプールだが、「結局敵わなかったのか」という敗北感すら漂う。まぁショーン・レヴィがこうしたかったというだけかもしれないが。

デッドプールはもっと「しょうもない話」でいい。だけど話の荒さを「デッドプールだから」で言い訳するのはNG。個人的な好みとして。

初めはネタで流してした『Like a Prayer』、途中から普通に盛り上げ曲にしちゃってたからな。デビット・リーチと比べて、ショーン・レヴィは少し真面目すぎたのかもしれない。

今日は休館日
トミーさんのコメント
2024年7月30日

どんなに味変した作品でも、巨悪を倒した!で終わるのはもう結構です。
死して屍拾う者無し!

トミー