「期待が大き過ぎた」Cloud クラウド みっちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待が大き過ぎた
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正直、拍子抜けした。
あの巨匠が手掛けた作品であれだけのキャストの作品なら期待しない訳がない。
個人的には奥平大兼の憎しみ、嫌悪、苛立ち、様々な感情を抱きつつ何事にも揺るがない淡々とした演技に脱帽。
主演菅田将暉に至っては飄々と、それでいて恐怖に慄く様は当然の如く圧巻。
もちろん他の役者陣も最高の演技だった。
では何が足りないのだろう。
まず、時間の流れに乗り切れなかった。
あそこまでの人間にあれだけの恨みを買うのに要した時間はどれくらいだった?
引っ越しをしてあきこに呆れ果てるまでどれくらいたった?転売ヤー如きが殺意を持たれる程の人間になるには吉井の人間性はもっとクズであるべきとも思うし、殺意を持ち始めた人間の心模様ももう一歩深堀した所も見たかった。
楽をして稼ぐ人間が懸命に働く者を嘲笑う事で湧き上がった殺意が大きなテーマなんだろうが今ひとつその根底の殺意が見えなかった。
ある意味『こんな事くらいで人殺し?』と思わせるのも監督のやり方なのかも知れないがあまりにもそのまま終わり過ぎた気がする。
これが映画祭に???
どうやって代表作を選出してるんだろうってしか思えない。
菅田将暉の初の銃アクションってだけの作品になってしまった気がして残念。
あきこも恨みを持っていた事も想定の範囲だし。
特に意外性はない。
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