「クリーチャーの謎」クワイエット・プレイス DAY 1 SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
クリーチャーの謎
それなりに面白かったが、すごく面白かったというほどではない。
一作目のインパクトはなかなか超えられない。
でも「音を立ててはいけない」というのはシンプルだけど恐怖を倍増させる良い仕掛けで、このおかげでずっと緊張感をもって見ていられる。
今回はホスピスや終末医療が裏テーマだった感じ。
末期がんで死を待つしかやることがない主人公は世のすべてを呪う最悪な精神状態だったが、「生きる目的」を見出したとき、最後に死しかなかったとしてもそれにむかって強く歩き出すことができた。
敵が強すぎて倒す相手とは全く認識されておらず、ひたすら逃げることしかできない。
一方的に強すぎる敵に侵略され続けるというのが、ちょっと「宇宙戦争」に雰囲気が似てるなー、と思った。
こころにひっかかるものが少ない映画だったが、1シーンだけ「おやっ?」と思ったシーンがあった。
「避難船が出る」というアナウンスが流れた後、無人だった通りに1人、2人、と人が増えていき、最終的に大渋滞になるほどの人で埋め尽くされ、主人公だけが人々の流れと逆に歩こうとする。そして雑踏の音は自然に大きくなり、ついにクリーチャーたちが人々を襲い始める。
このシーンだけ、どこか非現実的というか、夢想めいている。
でも妙な既視感がある。何かべつの映画なのか、小説なのか…。僕自身の夢かもしれない。
あと、クリーチャーはこれまで、「宇宙から隕石に伴ってやってきた」「音に反応して破壊する」「聴覚以外の感覚を持たない」くらいしか分かっておらず、ずっと謎の存在だったけど、今回クリーチャーがなんか卵みたいなものを割るシーンがあった。あれが卵なのか、食べ物なのか分からないけど、クリーチャーの生態的な謎を解く手がかりとして出てきた、というのは間違いないだろう。クリーチャーの生殖、クリーチャーの食べ物、そしてクリーチャーの目的が、これから4作目、5作目で徐々に明らかになってくるのかもしれない。