「奴らは突然やってきた‼」クワイエット・プレイス DAY 1 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
奴らは突然やってきた‼
僅かな音にも反応して、無差別に人々を切り裂き、恐怖のドン底へと引きずり込むエイリアン襲来を描いた『クワイエット・プレイス』シリーズの第3弾。本作は、エミリー・ブラント主演の、これまで2作の前章譚となる内容。前触れもなく、突如としてエイリアンが地球に舞い降り、マンハッタンを襲った、ファースト・デイを描いている。
また本作は、エイリアンから子供を守る強い母親を描いた前作とは違い、癌に侵され、僅かな余命をホスピスで暮している一人の女性が主人公。凶暴なエイリアンの中に取り残され、癌の痛みや苦痛に耐えながらも、『生きる』ことを諦めずに、エイリアンに挑んでいく、サバイバル・ホラーとして描いている。
ホスピスの余興として、ニューヨークを訪れたサミラ。そこで突然、隕石の襲撃を受けて、ニューヨークは、一瞬にして廃墟となる。そして、隕石と共に襲来したエイリアンが音を出すモノ全てを切り裂き、街は血の海に。飼い猫のフロドと共に何とか生き延びたサミラは、同じ様に生き延びたエリックと知り合い、2人でニューヨークからの脱出を図ろうとするが…。
足音や叫び声、エイリアンの出す音等、ドキッとさせる突然の効果音に息を呑む。これまで同様に、観ているこちらも、珈琲を飲む時や足を組み替える時も、音を立てないようにも息をひそめて鑑賞。そうした緊迫感は、これまで以上に伝わってきた。
後半のサミラとエリックが、心分かち合い共に助け合うシーンは、こうしたサバイバル作品には付き物ではあるが、やや中弛みをした感じもある。また本シリーズは、当初B級ホラーと思っていたが、エミリー・ブラントが主演していたことで、ここまで大ヒット・シリーズとなった分、彼女が出演していない本作と言うのは、物足りなさは感じた。