かくしごとのレビュー・感想・評価
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判決が知りたい‼️
前半、
娘の自分を忘れてしまった認知症が進む父親の
世話をしに帰郷した娘千紗子と父との様子が描かれ、
介護の話かと思えば‥‥。
数年前妊娠したことで父親になじられ家をとび出していたので、仕方なく反感を抱きつつ帰って来た千紗子。
顔も名前も忘れ、粗相するなど世話を焼かせる父親。
かける言葉もキツく、お父さんと呼ばずあなた呼ばわり。
そんな時、事故で一人の男の子と出会う。
身体には虐待されたような多くの傷があった。
子供の家庭環境も探り、勝手に引き取ることにした。
過去に息子を海の事故で亡くしていた千紗子。
洋一という名前でなく拓海という名前にした。
賢い子で、父の孫として三人穏やかに過ごせて来た。
しかし、洋一の義父が脅迫しに乗り込んで来た。
千紗子と揉める義父の背中にナイフを刺す洋一。
裁判が開かれる。
千紗子が容疑者として正当防衛が成立するか否か⁉️
証言台に立つ洋一、名前も洋一と名乗り、
話した内容は‥‥⁉️
千紗子が洋一を家に連れて来たのは誘拐と言われても仕方ない。
千紗子が再度刺したのは、
海で亡くした息子を助けられなかった、その償いとして、
今度は助けたい、と必死な母の思いだろう。
ラストでストンと腑に落ちる・・・これで良かったんだ、と。
虐待を受けていたらしい少年を匿い母親として、
大切に暮らし始めた千紗子(杏)
それは世間的には誘拐に当たる事。
事故で記憶を無くした少年に拓未(たくみ)と名づけて、
「きみは未来を切り拓く子なんだよ」と由来を告げる千紗子。
認知症の父親孝蔵(奥田瑛二)と祖父・母親・息子3人の
細やかな幸せは、
義父の犬養(安藤政信)が、家を探し当てて訪れた日に暗転する。
「一億円で譲ってやるよ」
そう脅す犬養を拓未がナイフで刺したのだ。
死にかけた犬養を千紗子は決意して、
とどめを刺す。
絵本作家の千紗子が東京から認知症の出た父親の看病に
長崎の山奥を訪れた日に、誰一人こんな展開は思いも
付かなかった。
千紗子は学生結婚して出産した5歳の息子を
海の事故で亡くしていた。
欠落を埋めるようにして現れた少年は、
本当は前世の息子だったのではないか?
拓未(犬養洋一)は、あの事故の日。
高い橋の上から、義父に“バンジージャンプ“を強いられて、
川へ落とされたのだ。
これって立派に殺人・・だよね‼️
洋一は死んだんだよ。
記憶を無くしたことにして少年は千紗子の息子の拓未に
生まれ変わったのだ。
自分からそれを選んだのだ。
もし世間の常識通り、千紗子が警察に届けて、
実の母のいる鬼畜の義父の家に戻っていたら?
早かれ遅かれ洋一は殺されていただろう。
ここで私は思った。
常識や法律で護れない子供がいる。
千紗子は命懸けで1人の少年の未来を護った。
大きな代償は払ったけれど、
これで良かったと思う。
(殺すしかない鬼畜がいる)
だからラストはストンと腑に落ちる。
千紗子にも拓未にも「明日」が開ける。
人間の作った法律は万能ではないとの欠陥を知る
映画だった。
杏さんの好演と少年役の中須翔真くんの、嘘のない演技が
支えていました。
評価されるべき作品
先月「あんのこと」を見に行った際にこちらの作品のチケットを買う方がなかなか多く、予告編も見たらわりと自分好みな作品だったため試しに見てみました。
内容としては介護、虐待、子を亡くした悲しみなどなかなかハードな内容ではありますが全体としてとても見やすく、特に良かったのは終盤の展開にかけては本当に無駄がなく一気にラストまで駆け抜ける見事な作りだったなと思いました。特にラストは自分はそこの視点で見ていなかったため、「そういうことか!」と見ながら心の中でブワーッて気持ちが込み上げてとても良い終わり方だったなと思います。今年見た邦画作品では現時点で自分の中ではゴールドボーイに続く高評価な作品となりました。演技に関しても皆さんベテランの方々なので本当に素晴らしく、なかでも奥田瑛二さんの父親役はすごかったです。特にごはんの食べ方(笑)この方、私は世代的にドラマのちょい役の嫌な刑事とか上司とか、あとはプライベートでのスキャンダルとかそういうイメージしかなかったのですがすごい役者さんなんだなと初めてその演技力の高さを知りました。あとは昨今、再ブレイク的にいろんな映画やドラマに引っ張りだこの安藤政信がめちゃくちゃ怖いハマり役でした。でも、役柄がボロアパートに住んでる感じならもうちょい清潔感がない服装や髪型、無精髭などやった方が良かったかなと。そういう系は中村獅童あたりがやると最高ですよね。安藤政信がやるとオシャレパーマだしかっこいいからタワマンでシャンパン片手にDVって感じに見えてしまいました。あとは同じく最近いろんな作品に引っ張りだこの酒匂芳さんも出ており、この方も直近でドラマ「アンメット」や「燕は戻ってこない」で異なる役柄の強烈な悪役をそれぞれ演じていたのですが今作では主人公家族を支え寄り添う医師役でこれまた本当に最近見た作品とは別人のようでびっくり。声色や表情などを巧みに操れるカメレオン俳優だなーとその演技力のすごさにさらに惹かれました。内容がこれだけ素晴らしいにも関わらず気になったのは公開されてる劇場の少なさ。私の住む近辺では平日日中に仕事してたら見れないような昼間や夕方の時間帯しかやらなかったり、極端に公開期間が短かったりしました。なんとか夜やってる劇場に時間かけて行きましたがそこでも極端に公開期間は短かった。ぶっちゃけ同じ期間に公開されてる某発明系家族モノ作品よりもこの作品の方がもっともっと宣伝されるべきなのではないかと思います。でもやっぱりその辺はめちゃくちゃ売れてる人や大手事務所が絡んでるなどのスポンサーなどの関係があるのでしょうね。そういった大人の事情だけで大規模公開されるのではなくちゃんと映画の中身で評価して大規模公開されるようになってほしいなと思いました。現時点であまり注目されずヒットもしてないぽいので後々、サブスク等で配信されてから評価が高まる作品なのかなと思います。ちょっと重めのテーマの邦画や日本の最近のドラマなど好きな方にはハマる作品かと思うのでぜひチェックしてみてください。
ぼくのお母さん
予告から想像していた内容ではなかったです。
というのも、千紗子(杏)と久江(佐津川愛美)の倫理観が常識はずれというか
意表をつかれたんですよね。
なので、冒頭の話の持って行き方については、ちょっと入り込めないというか
リアリティは追求しちゃいけなさそうだ、と思って観ました。
千紗子は拓未(中須翔真)と出会うことで、おそらくは自身の過去のトラウマ、
つまり、若くして子どもができて結婚し、海で子どもを亡くしてしまうという
この消せない記憶を塗りかえる、あるいは記憶領域から極小化していくために
拓未を子どもとして育てようと、一緒に生きていこうと考えたんじゃないかなと思いました。
千紗子がその思いを強くしていったのは、認知症の父親孝蔵(奥田瑛二)の存在であり、
孝蔵の自分への想いを思いがけず知ることから、家族への思慕は深くなっていったものと思われます。
後半の重要な場面である、拓未(本当は洋一)の父親安雄が会いに来るところでの
杏、拓未、孝蔵の想いが一緒になって、安雄殺害(事故にも近しいとは思います)に至ったのだろうと
捉えました。
私はてっきり、ここで映画が終わるのかと思いきや、
裁判シーンがラストで展開され、
そこでの拓未(洋一)のセリフ「ぼくのお母さんはあの人です」と千紗子を指さしたときの表情、
それから千紗子の表情が、この作品の伝えたかったこと全てだと理解しました。
だから、最重要なわけですね。この裁判シーンが。
実にヘビーな作品ではありますが、
鑑賞後感は悪くない、観て良かったと心から思えた作品です。
※個人的な意見として、佐津川愛美の演技はちょっと鼻につきました・・・
集客はよろしくなさそうですが、こういう映画が多くの方み観られるようになってほしいです。
家族ドラマ
あまり事前情報は入れず、予告編が面白そうだったので観てみることに。
誘拐した子どもを、実の親にバレないように匿う映画かなと思っていたが、いい意味で裏切られた。
どちらかというと、父と娘の親子ドラマではないか。一度は縁を切った親子の絆を取り戻させるための物語。そして、母と息子の物語。
その橋渡しとして、拓未という彼女の「息子」が登場するが、彼がいい味を出している。
認知症で日に日におかしくなっていくおじいちゃんに対して咄嗟に、僕にも粘土教えて、なんて誰が言えるだろうか。出来過ぎです。
自分自身、認知症の祖父母の介護をした経験があったので、グサリと来るものがあった。当時は私と母で協力して2人の介護をしていたが、杏さん(娘)も、拓未という息子の存在があってはじめて、父親ともう一度向き合おうという気になっていたし、家族を救うのは、やはり同じ家族なんだなと考えさせられた。
映画の半分くらいは終始泣きっぱなしだった。それくらい泣けるし共感出来る映画だったと思う。
悲劇は結果論か
かくしごと
決して美談として描かれているわけではない。
疎遠になっていた父親が認知症になり、介護のため他は誰もいない実家へ帰る。劇伴も無く過ぎていく作業。期間限定だと言い聞かせ、気怠さや、そのような関係性に至った現実の無情さを感じさせる。
最初の出会いは、友人の飲酒事故の隠蔽のため。そのことは鑑賞をする上での棘になり、感情移入するには妨げになる。擁護は当然できない。
しかし後の展開から振り返ってみると、通報していた場合には、おそらく全てが終わっていたという事実にぶつかる。
どんなときでも法律が、命を守っているとは限らない。何が正義なのかを考える時に、おそらく傍観者が思い当たらなくてはならないことは、本人の本当の気持ちを、蔑ろにしてはいないかということだ。
記憶がなくても、それはかつてあったものを失うか、本当は無かったものをあるかのように振る舞うか、いずれにしても、結果は同じ。戻らない瞬間に、相手のことを心から思い遣れるかどうかだろう。
親子の愛情とは
をまた考えさせられる脚本
噛み合わない家族はここ最近分析化され、増えたように思うが、昔からあったのだと痛感
厳しく育てられ、行息詰まって親元を離れる子供
虐待されていても、幼すぎて親元から離れられない子供
子供を育てたくても育てられない親
子供への接し方がわからない親
子供からの介護は情けないと感じてしまう親
いつまでたっても、親に面倒を見てもらう子供など
ちぐはぐな親子関係は昔からあるようで、近年になっても、解決策は何もないように感じます
絶望しか残らない感じですが
映画ではあえて希望の光を見せてくれたようです
現場はそんな生易しいものではないぞ!と言う言葉も飛び交いそうですが、酒向さん演じる先生の言葉には温かみがあり、今後の人生に役立っていけそうと感じました
衝撃的な後半
この映画を観たかったのは杏さんと奥田瑛二さんの番宣から。二人とも演技力抜群できっと引き込まれる映画だろうなあと。
突然の地方映画館特別上映だったからか観客は数人、映画離れでしょうか?でもこの映画は子を持つ親世代にぜひ観てほしいと思う。
前半のふとした過ちからの展開、それを引きずって幸せと不安、特に母としての感情を表現したシーンは涙。ラストの大変なかくしごとが胸に突き刺さる!
里谷千紗子が黙ってない‼️
これは母性の映画‼️母性の暴走の映画‼️親友の飲酒運転による人身事故をきっかけに、家庭内暴力を受けている男の子を無断で引き取り、記憶喪失を良いことに自分の息子として育てるヒロイン・・・‼️その背景には、過去に海での事故で実の息子を亡くした事がある‼️男の子に息子を重ね合わせたのでしょう‼️母性ですね‼️世話になってる医者に息子の事故死を涙ながらに話すシーンの杏ちゃんの素晴らしい演技‼️杏ちゃんも母親なので、内なる母性から来る演技なのでしょう‼️そしてクライマックスでは、男の子を迎えに来たDV義父と争いになり、男の子が義父を刺し殺してしまう‼️男の子をかばって逮捕される杏ちゃん‼️男の子は自ら殺害したことを法廷で証言‼️そして杏ちゃんへの言葉‼️「僕のお母さんはあの人です」‼️涙を流す杏ちゃん‼️観る者も救われる素晴らしいラストシーンでした‼️
言えない事と言えなかった事と言いたくない事
急転直下の幕引きだった。
馬乗りになった杏さんの表情が衝撃的だった。
様々な嘘に彩られた本作。
タイトル通りの内容なれど、痴呆症のウェイトが重すぎるような気がする。あまり本筋とリンクしてくれなく、痴呆症の話が進めば本筋は堰き止められるような印象だった。
初めて奥田瑛二さんをいいなぁと思ったくらい迫真のボケ老人だったわけで…粘土を咀嚼し出した時、飲み込むんじゃねぇかと寸前まで思った。
彼のパートは、「かくしごと」的には娘への想いの吐露で終わってていいはずで、千紗子に燻ってる父への想いは「かくしごと」とはまた別のはずなので、反映させる事もないと思うから、やっぱりウェイトが重すぎる。
本筋が見応えがあっただけに、食い合っちゃっているようで残念だった。
千紗子とタクミの物語は、胸に響く。
彼女が彼についた嘘も、彼が彼女についた嘘も背景にある「虐待」を回避する為である。
千紗子からは行き過ぎであったとしても溢れる母性を感じるし、タクミからはSOSを感じる。
彼が記憶喪失でなかったのか、途中からタクミとして生きたいと思ったのかはわからないのだけれど、大人のリアクションを見ながら敬語で話す少年が、無邪気に笑い、ご飯を頬張る姿は微笑ましかった。
あるべき姿を取り戻したように見える。
どんどん2人は親子のように見えてきて、この田舎でなら、このまま幸せになっていけるんじゃないかと考えてしまう。
そうはならないんだけどね。
そう…そうはならないから、色々と間延びした編集にも思う。
NEWSに流れる事件の概要が事実と真逆で怒りを覚える。警察の見解がそうだからなのだろうか?裁判所の検事は全く同じ事を喋ってた。
母親の証言を身じろぎもせず聞く杏さんが印象的で、喉まで出かかってる罵声をグッと堪えているようであった。
そしてタクミが証言する。
最後の言葉はどれほど嬉しかっただろうと思う。
法を犯してまでタクミの為についた嘘が、本人によって肯定されたのだ。
少年の眼差しに「大丈夫、お母さんは僕が守るよ」って意思が見えたようで、頼もしかった。
この本筋に痴呆症の父って要素はさほど重要でないと思ってしまうのだ。
あの迫真のボケ老人は良かったけれど、頼むから他所でやってくれとお願いしたい。
原作を読んだ訳ではないのだが、俺的には化ける要素が多かった物語だけに、勿体なく思う。
今年は結構、邦画は当たり年なのかもなあー
縁側で父の肩に寄りかかる杏さんはとてつもなく可愛い。思えば杏さんは熱演だった。奥田さんは熱演過ぎたのかもなあー
根幹の問題を感じながらも、結論から言うと面白く見ました
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
今作の根幹でもあり、問題点をはらんでいる中心には、主人公・里谷千紗子(杏さん)と野々村久江(佐津川愛美さん)の、女性登場人物の2人の”ヌケた”人物造形があると思われました。
十数年前ならいざ知らず、現在で飲酒運転をした野々村久江はあり得ないでしょう。
また、(支援団体と称して)幼児虐待なのかを確かめに、里谷拓未(中須翔真さん)として新しく息子になった犬養洋一の実際の両親に素顔をさらして会いに行く、主人公・里谷千紗子もあり得ないと思われました。
そしてこの2つのあり得ないと思われる2人の行動は、しかしこれら2人の行動が無ければ(主人公・里谷千紗子は犬養洋一/里谷拓未に出会わず、犬養安雄(安藤政信さん)が千紗子の家に訪ねて来ることもなく)この映画『かくしごと』の物語はこのままでは成り立たず、物語の根幹の構造になってしまっています。
つまり、この野々村久江と主人公・里谷千紗子の、2人の女性の(行動としてはあり得ないと考えられる)”ヌケた”人物造形に観客が乗れなければ、今作の全体に初めの段階で乗れないとなると思われました。
ただ、個人的には、ギリギリまあ2人の女性の”ヌケた”人物造形はなくはないかな、とは思われました。
なので、主人公・里谷千紗子、息子になった里谷拓未、痴呆症が進む父・里谷孝蔵(奥田瑛二さん)の、壊れながらも深まって行く3人の関係性によって、私は感銘含めて今作を面白く観ることが出来ました。
特に、杏さん、中須翔真さん、奥田瑛二さんの、3人それぞれの関係性の演技は素晴らしかったと思われます。
しかしながら、今作は原作も、脚本・監督も、男性であり、このレビューを書いている観客の私も男性であるので、(その2人の行動が作品構造の根幹ともなっている)女性登場人物2人の”ヌケた”人物造形が、果たして差別的でなく女性側にも説得力を持って描かれているかは、多くの女性側による(理念主義に陥らない、あくまで人間理解としての)評価検証は必要だとは一方で思われました。
(ちなみに例えば、野々村久江は飲酒運転をしておらず、犬養洋一(里谷拓未)は単に道路に横たわっていて車に乗っていた主人公・里谷千紗子と野々村久江に発見され、彼に対する幼児虐待を疑った千紗子が犬養洋一(拓未)を両親に返さず、犬養安雄の幼児虐待は千紗子が彼に会わずに匿名で児童相談所に電話通報し、犬養安雄と千紗子の再会はたまたま犬養安雄が町に戻ったからとすれば、主人公・里谷千紗子と野々村久江の、女性登場人物の2人の”ヌケた”人物設定はなくとも映画は作ることは出来たはずです。)
(物語としては傍流になるかとですが)個人的には関連して以下のシーンを興味深く観ました。
そのシーンは、町医者の亀田義和(酒向芳さん)と主人公・里谷千紗子との診療所での、千紗子が息子を水難事故で亡くした告白をする場面です。
その告白の場面で千紗子は、息子を水難事故で亡くした自分に、追い打ちを掛ける形で発せられた父・孝蔵の酷い言葉の話をします。
しかし一方で、町医者の亀田義和(酒向芳さん)は、そんな千紗子の父・孝蔵も、今は痴呆症と戦っている、との話をします。
この時に、千紗子(杏さん)は、そういうことじゃないんだよな‥と感じさせる微妙な表情の反応をします。
このシーンは私には、主観的に物事を捉えて描写する”女性”的な主人公・里谷千紗子と、客観的に物事を提示して合理的に説明説得しようとする”男性”的な町医者・亀田義和との、男女のズレを表現していると思われました。
つまり、一般的な女性と男性の、決定的な断絶を感じさせるシーンになっていると思えたのです。
個人的には、非常に興味深いシーンになっていると思われました。
(※にしても、他の映画ドラマでも全く違うそれぞれのキャラクターをリアリティありながら自然に演じている酒向芳さんは、一方で今回も相変わらず素晴らしい自然な演技をしているなと僭越ながら思われました‥)
このシーンを意識的にしろ無意識的にしろ描いていることは、興味深くはあります。
しかし現在の視点からすれば、2人の女性の”ヌケた”人物造形と合わせて、結構な危うい男女の断絶の作品根幹になっているなとは思われました。
(このことにもっと自覚的にこの映画が表現されていれば、また違った印象を持ったのかもしれません。)
私的にはこの女性2人の”ヌケた”人物造形はあり得ると思われ、作品全体としては息子を失った主人公と新しい息子と痴呆の進む父との3人の交流を、感銘も含め観ました。
しかし、この作品の根幹の問題は、広く他の人を交えて考える必要があるとは一方で思われてました。
ずっと里谷拓未でいてあげて
いい映画でした。
泣きそうになりました。
奥田瑛二お目当てでの鑑賞。さすがの奥田瑛二。ホントに自分の娘が認識できてないんだったら、杏ちゃんはとっくに襲われてましたな😎
イワナ釣りはカラダが覚えているんでしょうね。
どれだけ釣り好きなんでしょう。
親友のお医者さん役の酒向芳がすごく自然でよかった。
認知症の物盗られ妄想なんかもリアル。
認知症がだんだん進行してゆくさまの描写も丁寧で、拓未君は気が利くし賢すぎる。天才。
認知症対応の啓蒙映画としてもよくできていた。
主演は安藤さくらでなくてよかった。
観るほうが気を使っちゃうから。
拓未君はなかなか強運の持ち主。
2回は死んでた。
ドスンというはっきりした音。
スピードを出している佐津川愛美運転の車に轢かれる。
佐津川愛美だからしょうがないねぇと、こっちも許してしまうところも絶妙なキャスティング。
ロープのヒモが「しっぽ」に見えたので、寝かされている少年はもしかして新類人猿の子供かなって思っちゃった。そしたら片足だけに結ばれた細いロープ。
橋の欄干にちぎれたロープがぶらり。
ゴムじゃない。
本人がバンジージャンプをしたがった?よくこんな下手なウソを堂々とつくもんだ。
どんな親かと思ったら安藤政信と木竜麻生の夫婦。
ちょっと憎みきれないズルいキャスティング😅
戸籍がなくていいわけはない。
しかし、もし戸籍がなくても高校卒業認定試験(大検)が受けられるならなんて思ったり。賢い杏ちゃんが色々教えてあげられるからね。
書く仕事だもん。
隠し子と····
ダジャレ🙏
小学校になんで来ないのって佐津川愛美の息子に言われたら一番困るなあ。
報道番組では子供の写真ずっと出るよね。
病院の窓口からじっと親子をみている看護師役の河井青菜が怖かった。
まあでも、原作の小説がある訳だし、認知症や介護の問題が身近になってきた身としては娘や孫、親友に囲まれてイワナ釣りして暮らす環境は羨ましくもあり、できれば、杏ちゃんみたいなきれいなお嫁さんに親切にしてもらいたい。お風呂でシャワーしてもらいたい。イワナ釣りして、池谷のぶえの店で飲みたい。
私にとって「魔斬」とは、酒田の銘酒初孫なんです。初孫に魔斬をあげたおじいちゃん。単なる偶然?にしてはと思いましたよ。
最近の邦画、ミッシング、あんのこと、市子などと子供の置かれた環境やテーマが近いけど、なんかいちばん沁みた。
最後に全部持ってかれた
知り合いにすすめられて鑑賞!
絵本作家の千紗子は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症を発症したため、渋々田舎に戻る
他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年を助けた千紗子は彼の身体に虐待の痕を見つける
少年を守るため、千紗子は自分が母親だと嘘をつき、一緒に暮らし始めるのだった
次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく三人
しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった─
というのがあらすじ!
飲酒運転で事故を起こしたことで犬養洋一という少年に出会うですが川から這い上がってよく道路まで行けたよね…
それがまずすごい!
そこから3人の暮らしが始まるんですけどここから幸せな生活を送ります
父親が認知症にかかったことで弱さも知ることができましたね
犯罪だけど確かに幸せな家族が存在してました
そしてそこにあの父親が登場してくる!
背後から拓未が父親を刺して千紗子が何度も刺してとどめをさすんですがその時の表情が…
守りたい一心で狂気すら感じる表情でしたね
最後は裁判の場面ですがまさか記憶喪失になってなかったとは…
途中から記憶戻ってる感じかと思ってました笑
最後に全部持ってかれましたね😳
みて思ったのが血が繋がってなくてもちゃんと親子でした
面白い映画をありがとうございました☺️
映画を見ながら感じたあれやこれやがぶっ飛んだ出来事。少年目線の話を見たくなる。
◆何が驚いたって、千紗子(杏さん)が少年の父(安藤政信さん)にトドメを刺す場面にはビックラこいたよ。
杏がナイフを握りしめたとき、僕は心の中で「杏ちゃん、トドメを刺すんだ~」と叫んでたけど、さすがにそれはないな、杏ちゃんはゼツタイ刺さないだろうなと思ってた。それがイヤまさかホントに刺すとは、ナンテこったいである。オドロイタ ((゚□゚;))
あまりの驚きに、「後でレビューにでも書くべえ」なんて考えてた事 (親子愛だの、血縁のない家族愛だの、認知症のことだのについて感じたり思ったりした事)が頭の中から吹っ飛んだ。もちろんフトンも (^o^)・・・何でもない(すまん)
◆少年に記憶があったことを前提にした、少年から見た物語を見てみたくなった。
だけど、今作の親子愛、家族愛を描いた話ではない。少年の計画的な父親殺害の話だ。怖え~。
千紗子(杏さん)に出会った少年が、虐待をしていた父(安藤政信さん)を殺害して、正当防衛による無罪を勝ち取るための計画殺人を策定する。
ただし、杏が安藤政信にトドメを刺すのはさすがに少年も想定外で、今作同様、裁判で実は最初から記憶があったことを少年が告白するオチはそのまま。
◆交通事故を隠ぺいする話と、杏が調査員を装って少年の両親を訪ねる話はさすがにムリがある。
杏と少年は山道で普通に出逢えば良いと思った。
エンドロールで原作が「嘘」という小説だと知る。普通に考えると小説...
エンドロールで原作が「嘘」という小説だと知る。普通に考えると小説が優れているからこそ映画化という流れがあるのであれば、この映画はその小説の大事な何かを2つ3つ置いて来てしまったのではないだろうか。
「かくしごと」というタイトルに原作から換えられており、主人公・千紗子の親友の「かくしごと」から始まり、(冒頭からそのありえなさに引きましたが)一方で記憶喪失の少年を囲う千紗子はすぐにバレそうな、且つ奇異でリスクの高い行動を続けます。(「描く仕事」はしていた)これが辛い過去を持つ不安定な精神状況下の千紗子の物語であるならまだ理解できるのですが、出てくる人たち皆、迂闊、軽率、ピンと来ない人ばかり(父・孝蔵は除く)。せめて村の賢者たる医師・亀田にはピンと来て欲しく、少年と釣りに興じている場合ではない。捜索で少年の写真が出回るだろうに誰も気づかず、最後のDV父も家族といた子供が川で行方不明なんてマスコミの目に囲まれているはずで、それでも千紗子をせめに来たのだから迂闊である。(マスコミが追ってきたらこの物語は終わりましたが)
そうした迂闊な大人たちの中でまともなのは子役のレベルを超える演技をした中須翔真さん演ずる少年だけであり、そのまま最後の「かくしごと」を披露して話を締めくくりました。冒頭に戻りますが、映画化したくなる小説が原作なら、脚本が問題?もう少し練って欲しかったなという印象でした。
う〜ん、これでいいと思う。
子を虐待する血のつながっている親と、子を愛する血のつながっていない親と、子供にとってどちらが本当の親かというなかなか面白いストーリーで、役者の皆さんの演技も良かったと思います。
ただ、終わらせ方として、子供に殺人を犯させるよりも、認知症のお父さんが娘のために刺してしまう方が良かったのではと最初は思いましたが、よくよく考えてみると相当な虐待を受けていただろうし、橋の上から通常のロープでバンジージャンプなんて殺人未遂に近い訳ですし、母親を助けるために刺してしまうのもありかなと思いました。また、映画的にも裁判中の子供の証言で終わらせる方がインパクトがあり、これで良かったのだろうと思います。
追記〉
ちょっと気になったのは拓未の両親のところに支援団体のフリをして様子を見に行くシーンがありますが、あれはやり過ぎかなと思いました。せめて、家の周りを゙うろついていて両親に怪しまれ、顔を覚えられるくらいで良かったと思います。
ラストが全て
評価が良さげなので鑑賞する事に。
基本的にこの作品は、ラストの子供の「言葉」と千紗子の「表情」が全てかなと思う。このラストシーンを撮りたいがために全てを用意したと言っても過言ではないと思うし、まあそれはそれで良いのではないかとも思う。
物語としては正直なところ突っ込みどころが多数あるかな、と。これってどうなの?とかこれで大丈夫?とか本当にこれで良いの?とか物語が破綻するかしないかギリギリの所で何とか最後まで成立させたという事で個人的にはセーフ判定としたが、ちょっと無理と感じる人も居るかも知れない。多くの人が指摘している前半の飲酒運転のくだり、そして結果的に子供を誘拐する形を選択してしまう判断はあまりにも責任重大なポイントであり、もちろんそうせざるを得なかったという流れで描いてはいるのだが、それを考慮してもすんなり共感するのはかなり難しいかなとは思う。
とは言え千紗子は過去に我が子を助けられなかった無力感や絶望感、贖罪の気持ちが強くあり、それが彼女を衝動的に突き動かしたのは確かだろうし、そこから先はもう無我夢中で突っ走ってしまった、というのは分からなくもない。どんなに真面目に生きてきた人でも(真面目だからこそかも知れない)、何かの拍子に人生が急激にあらぬ方向へ進んでしまう可能性はあると思うし、それで実際に転落していく人は多く居るのだからね。少し種類は違うかも知れないが「紙の月」もそのような物語だったように思う。そう考えると、いやだからこそ最後に子供の言葉を聞いた千紗子が流す涙にあそこまで激しく心揺さぶられるのではないだろうか。彼女が自ら破滅してまで守ろうとしたのは「他人の子」なのだ。その子から「ボクの母親はあの人です」と言われた時、彼女がそれまでの人生で抱えてきたあらゆる「苦しみ」が、あの一言で全て報われたのだろう。もちろん現実的には何ひとつ救われてないのだが、少なくとも彼女の「精神」だけは救われたと信じたい。だからこそあそこで流した彼女の「涙」がどれだけ儚く尊いか。それを思うとこちらも涙せずにはいられなかったのだ。彼女の表情で終わるあのラストは本当に素晴らしかったと思う。
ただ少し気になったのは、父親との関係性を修復していく「再生」への道と、子供を無理やり自分の子として育てる「破滅」への道を同時に歩む物語をどう受け止めるべきか、気持ちの整理が難しく作品の方向性がよく分からない気もした。でも結局あのラストだから良しとしよう、という所に落ち着くわけだ。だから「ラストが全て」という作品、となるのだ。本当は「3.5」にしようと思ったのだが、ラストの涙で何とか「4.0」にしたという感じ。
父親の奥田瑛二さん、本当に素晴らしかった。老いるとは何か、老いてく人間はどう生きるのか、周りはどう関わるべきなのか、そして何より、老いてもボケても「心」はそう簡単に死なないのだ。そして酒向芳さん演じる亀田先生、本当にあそこで暮らしてるかのようなリアルさと患者との距離感など接し方が絶妙で自然体、そして出てくる言葉の重み。もう素晴らしいとしか言いようがない。
主演の杏さんも悪くなかった。実際に母親として生きる彼女ならではの表情はちゃんと出てたと思う。けど「もうひと味」なにか欲しかったように思ってしまったかな。
とは言え全体的には満足いく作品だった。
生みの親より育ての親
序盤の展開で、児相になかなか行かないという時点で、疑問やモヤっとする点はあるものの、物語全体のストーリー構成や質はかなり良いと思います。
最後の子供のセリフで締めを括ったもの、きれいに終わったと思います。
さらっと流されていましたが、虐待している親がどういう生い立ちで育ったのか匂わせる発言があったのも、心情描写としては良いんじゃないかなって思います。
ですが児童相談所に通報して里子として引き取ったり、特別養子縁組として申し立てしたり、法を犯さなくても助けられたかもしれないって思うと、納得できない展開ではあります。これに関しては、主人公が知識がなかったか、児相に対して良い印象がなかったなどの描写があると、展開としてもう少し自然になれたんじゃないかなって思いました。
話が面白かったので、原作の小説の方も機会があれば読んでみたいと思います。
ありえない設定
飲酒運転で家族を亡くした人など、どんな気持ちでこの映画を見ることだろう。
ありえない設定であるとしても、脚本家は、そんなことどうでもよくなるようなパワーのある脚本か、見ていて最低限、違和感のない脚本を書くべきだと思う。
少なくとも、時間をかけて書いた脚本でないのは確か。みんなで読み合わせれば、この脚本の弱点を補完することはさして難しくないように思う。
仮に、そこがクリアできないとしても、例えば介護で苦しんでいる人や、虐待を受けて苦しんでいる人に希望を持たせるような話であって欲しい。
ただ、俳優陣は素晴らしい!
主人公の杏さんはもとより、子役の少年、認知症のおじいちゃん、その友人のお医者さん。また、親友の子どもさんの元気な演技。
みなさん、とにかく素晴らしい演技でした。
結局、一番のかくしごとをしていたのは、あの少年だった、ということで。これも予想通りで終わってしまうという残念な脚本。
素晴らしい演者と残念な脚本の映画でした。
僕のお母さんは・・・
やられた!なんと少年は全て知っていたのか、少年がいつ記憶を取り戻すのかが焦点だった。「書く仕事」の人の「隠し事」がいつバレるのかと。ひょっとして釣りの時かと。
ラストの少年の一言には感動の涙でした。
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