かくしごとのレビュー・感想・評価
全51件中、1~20件目を表示
うまくいくわけない…
束の間の疑似親子体験。学校、戸籍、将来は…と思ってしまう無茶な冒頭から、憎かった父親の介護を通して次第に父親に対する感情の変化があったり、亡き子供の代わりとなり、悲しい記憶が蘇ることも無くなり、とこんな関係がいつまでも続けば良いと思っていたのは母親だけではなく、息子もそうだったという衝撃のラスト。杏のツラツラ〜と流れる涙が印象的。
子役、杏の2人の演技が素晴らしい。
タイトルからオチは大体読めた、そして大体予想通り。そもそもこのような嘘で固めた生活が長続きするはずもなく(学校はどうする?戸籍は?)、雑誌の写真で足が付くという事は容易に予想出来た。しかしながらなかなか見応えのある作品だった。子役、杏の2人の演技が素晴らしい。奥田瑛二は2枚目ではあるが稀代の大根役者だと思っていたが、この作品に関してはそこそこ演技力があると思った。
認知症
アマゾンプライムでながら観
認知症の父親がリアル
主人公は海の事故で子供を亡くした。目を離した隙に。
誘拐(?)した子供は本当は記憶があった。
虐待されてかたら戻りたくなかった?
本当の父親が現れて母を、脅してお金を要求するから殺してしまう
母が罪を背負うけど、
結局、子供が「僕が殺しました」て法廷で発言する。
これ、観た方がいいよ!
主役に杏。介護をする苛立ちと、偽装家族として優しい母親を演じてやっぱり天才だと思った。また、杏の父親役を奥田瑛二が務め、見事なまでの認知症老人を演じた。
ストーリーは終盤に虐待していた父親が訪ねてきて、金を要求し暴力を振るい揉み合い殺人事件に…
あんな山奥だから死体遺棄して、何もなかったように暮らすことも出来たかもしれないが子供のためを思ってか自首する。
裁判では、虐待を黙認していた母親が答弁するが、子供をかばうどころか私はこれからどうして生きていけば…。と、クソ発言。
ハッピーエンドじゃなく悲しくなります。
隠し事系映画が好きみたいだ
不自然な成り立ちから脈々と積み上げられる親子愛。認知症の父との対立という「生活感」を練り込む事で少年に埋め込まれたトラウマを上手く表現していた。記憶喪失が嘘なことはその辺からも薄々感じられたものの、オチはどちらに振れるのかは分からなかった。しかしその伏線はラストでしっかりと回収され、涙なくしては見られないなんとも気持ちの良いエンディングを迎える。エンドロールに続く終わり方もちょうど良い。
戸籍とか学校とかイケメンで綺麗すぎる虐待パパとか回収されない看護師の伏線とか、細かいところは気になるっちゃなるが、面白かったのでよし!
夏の原風景が美しいミステリー
配信で鑑賞。途中まで、、と何気なく見始めたら、各人の「かくしごと」が気になり、最後まで一気見することに。
各カット、とても丁寧に画が作られている印象。
見ている間、本のページをめくっているかのような感覚になりました。
エンドロールで「嘘」という小説の映画化だということがわかり、原作を大切に扱っているように見受けました。
杏さんの「お母さん」としての姿も見応えあり。
(ナチュラルなスタイリングも素敵)
年齢を問わず、他の役者さんにも引き込まれます。
(確認したところ原作とは少し違いますが)個人的に一番ぞっとしたのは、千紗子が洋一の自宅を、正体を偽って訪問するシーン。
洋一の父親が、洋一の妹(1〜2歳くらい?)を抱き抱えて話に割って入るとき。あまりにも自然に「これ持って」と、飲んでいた缶チューハイを妹に渡します。妹もそれを抱えて、話の最中口に付けて遊んでいる。
さりげないシーンなのですが、この演出だけで、いかに洋一の家庭環境が子どもに適していないかが伝わりました。
直接的ではないにせよ、こうした無色透明な虐待も、当たり前の日常と化している。後々洋一の父親の台詞から、彼も幼少期に虐待を受けていたことが明かされます。
洋一くんは千紗子のおかげで、この連鎖から抜け出して生きていけるのだと思います。
全体的には重たい内容ですが、「家族」3人の触れ合いは心温まります。
少し光が差すラストは、映像ならではで印象的でした。見て良かった邦画でした◎
3つの嘘
基本的にテーマとしては認知症とそれによる家族の崩壊と児童虐待
これを上手くミックスしている
この映画は3つの嘘で疑似家族を形成している様子を描く
①娘は疎遠になっていた父の認知症が酷くなり嫌々帰省。本当は嬉しいはずなのに素直に言葉に出せない父の嘘
②亡くした息子代わりに虐待されている少年に対して私の息子なのよとつく嘘
③虐待される家庭に帰りたくないばかりに記憶が無いとついた少年の嘘
この3つの嘘が日を追うごとに良い方向に転換し温かい疑似家族を形成する場面はすごく良い
しかしそんなことがいつまでも続くわけもなく場所を探しだしやってきたDV親父と口論になり刺し殺すことに
このDV親父も過去にDVを受けていたことを示唆する
虐待って連鎖するんですよね
身代わりになって逮捕される偽物の母
それを嘘ですと証言する少年
最後に嘘をつかず正直になることで本当の幸せを掴めたのだと信じたいラストでした
何が善で何が悪かを考えさせられる
まずおじいちゃん役(千紗子の父親)の人が迫真の演技で特に凄かった!
本当に痴呆症の人かと思うぐらい凄かった!
色々な「かくしごと」がありました!
とても良かった!
ネタバレになりますが…
・最初に事故を起こした事を隠すという「かくしごと」
・目を覚ました洋一に真実を話さないという「かくしごと」
・洋一の家に身分を偽り会いに行くという「かくしごと」
・父親が実は娘とわかっていたという「かくしごと」
・ラストに実は洋一は記憶を無くしていなかったという「かくしごと」
※他にもあったかも知れないです。
まさに映画のタイトルに相応しい「かくしごと」が散りばめられていた!
善悪について考える部分は、飲酒運転事故ほう助をして事故を隠しさらに誘拐という罪を犯した主人公、千紗子が悪なのか?子供を虐待し自殺に見せかけて殺害しようとした親が悪なのか?果たしてどちらが善でどちらが悪なのか?それともどちらも悪なのか?と考えさせられる。考えさせられている最中に洋一の父親が現れて洋一が殺害してしまうというさらに考えさせられる事態になる。
そして「マキリ」という殺害に使ったナイフのようなもの!魔を斬るから「マキリ」
その要素を含めて見るとより洋一の父親は魔だったのかというように見える。
まとめとして、町医者の亀田が孝蔵(千紗子の父親)の事を目に見えない何かと戦っているのでは?と言っていたように、千紗子の行動にも法律という概念だけでは不十分な目に見えない何か、表現できない何かがたしかにそこにあると思いました。
感動があり、虐待があり、介護があり、血縁関係の無い家族の絆、親子の復縁、そして善悪以外の第三の何かがあるでは無いかとも考えさせられ、色々な要素のあるとても意味のある映画だと思います。
難しい映画だと思いますが是非1人でも多くの方に観て欲しいと思います!
備考
原作は小説で「嘘」というタイトルのようだが映画では「かくしごと」に変わっているみたい。
内容もほぼ原作通りだが少しカットされている部分があったり追加されている部分があって「かくしごと」に変更されたようです。
ラストの部分に少し物足りなさや、複雑なモヤモヤを感じたので伸び代がまだあったのでは?という意味も込めて星4としました。
映像や演出はリアル感があり、レベルも高い。
ちょっと残念な出来。
話が少し絵空事というかリアリティがなかったけれど、映像や演出はリアル感があり、レベルも高い。
だからストーリーにリアリティがなかった点が、残念な点でした。
ラストが多分、この映画の肝だと思う。
であれば、それに向かってより効果的にすべきだと思う。ちょっと冗漫な感じがある。
映像がいいので、もっと編集で刈り込んで、シンプルで寓話的にすれば、もう少しいい映画になったのでは?と思う。
久々にキレる安藤政信が見られて嬉しかった。
判決が知りたい
私も虐待されて育ってきたから
千紗子みたいな母性溢れる方に誘拐してもらいたかった
そしたら人付き合いももっと得意になってたと思うし、
自己肯定感も高くて人に気を遣いすぎて疲れる事もなかったんだろうなと。
小さな頃にどれだけ愛されたかで今後の人生が変わるから今回の誘拐は私は良いと思う。
杏さんの好演と少年役の中須翔真くんの、嘘のない演技が素晴らしい
一人息子を海で亡くしてしまった過去のある千紗子(杏)。
事故で記憶を無くした少年に拓未(たくみ)と名づけて、
「きみは未来を切り拓く子なんだよ」と
少年の記憶喪失を利用して自分の息子だとして育てようとする。
自分自身を取り戻そうと頑張る彼女の姿が共感してしまう・・・が、
それは誘拐罪という犯罪になってしまう
DVを受けている子どもを庇いたい守りたい。そうした母性で行動して、詐欺まがいの行為まで及んでしまう。
義父の犬養(安藤政信)が、家を探し当てて
「一億円で譲ってやるよ」
と脅す犬養を拓未がナイフで刺したので
全ての責任を被ろうとしてトドメに自分で心臓を刺した行為では虚しくもなりましたが、まさかの息子が証言台で自分をお母さんだと主張したことに涙。
拓未(犬養洋一)は、あの事故の日。
高い橋の上から、義父に“バンジージャンプ“を強いられて、
川へ落とされた。
これは虐待というか立派に殺人だと思う
洋一は記憶を無くしたことにして千紗子の息子の拓未に生まれ変わるのを
自ら選んで新しい人生を送ろうと決心したのに邪魔しないでほしい。
もし世間の常識通り、千紗子が警察に届けて、
実の母のいる鬼畜の義父の家に戻っていたら
早かれ遅かれ洋一は殺されていたと思う
常識や法律で護れない子供がいる。
千紗子は命懸けで1人の少年の未来を護った。
(世の中には殺すしかない鬼畜がいる)
Amazonプライムで観た
忘れていく悲しさと、思い出される怖さ
認知症ドラマとして忘れられない『明日の記憶』。その若年性アルツハイマー症を患った主人公が渡辺謙だったが、その娘である杏が介護する側に回るというのは因縁さえ感じてしまう。しかし、絶縁状態だった親子関係が介護認定から施設入所という安易な考えに支配されていて、それほど親子愛が感じられないことも興味深いところだ。
一方で、一人息子を海で亡くしてしまった過去のある千紗子(杏)。少年の記憶喪失を利用して自分の息子だとして育てようとする千紗子。楽しい一家の思い出もどこかで綻びが現われるはずなのに、自分自身を取り戻そうと頑張る彼女の姿もいつしか共感してしまう・・・が、それは誘拐罪という犯罪です!
DVを受けている子どもを庇いたい守りたい。そうした母性でのみ行動して、詐欺まがいの行為まで及んでしまう。やり過ぎな設定ではあるけれど、色んな隠し事で固められ、砂上の楼閣でも作るかのように新しい家族を作り上げようとする行為には法を除外し人道的な見地でのみ成り立っているのです。
全ての責任を被ろうとして心臓を刺した行為では虚しくもなりましたが、まさかの息子が証言台で自分をお母さんだと主張したことに涙。この子、上手すぎ!最も大きな嘘は彼がついていたものだったんですね・・・もし、あのまま警察に届け出ていればと考えると、ちょっと怖い。佐津川愛美の飲酒運転、公務員の懲戒免職は確定だし・・・
判決が知りたい‼️
前半、
娘の自分を忘れてしまった認知症が進む父親の
世話をしに帰郷した娘千紗子と父との様子が描かれ、
介護の話かと思えば‥‥。
数年前妊娠したことで父親になじられ家をとび出していたので、仕方なく反感を抱きつつ帰って来た千紗子。
顔も名前も忘れ、粗相するなど世話を焼かせる父親。
かける言葉もキツく、お父さんと呼ばずあなた呼ばわり。
そんな時、事故で一人の男の子と出会う。
身体には虐待されたような多くの傷があった。
子供の家庭環境も探り、勝手に引き取ることにした。
過去に息子を海の事故で亡くしていた千紗子。
洋一という名前でなく拓海という名前にした。
賢い子で、父の孫として三人穏やかに過ごせて来た。
しかし、洋一の義父が脅迫しに乗り込んで来た。
千紗子と揉める義父の背中にナイフを刺す洋一。
裁判が開かれる。
千紗子が容疑者として正当防衛が成立するか否か⁉️
証言台に立つ洋一、名前も洋一と名乗り、
話した内容は‥‥⁉️
千紗子が洋一を家に連れて来たのは誘拐と言われても仕方ない。
千紗子が再度刺したのは、
海で亡くした息子を助けられなかった、その償いとして、
今度は助けたい、と必死な母の思いだろう。
ラストでストンと腑に落ちる・・・これで良かったんだ、と。
虐待を受けていたらしい少年を匿い母親として、
大切に暮らし始めた千紗子(杏)
それは世間的には誘拐に当たる事。
事故で記憶を無くした少年に拓未(たくみ)と名づけて、
「きみは未来を切り拓く子なんだよ」と由来を告げる千紗子。
認知症の父親孝蔵(奥田瑛二)と祖父・母親・息子3人の
細やかな幸せは、
義父の犬養(安藤政信)が、家を探し当てて訪れた日に暗転する。
「一億円で譲ってやるよ」
そう脅す犬養を拓未がナイフで刺したのだ。
死にかけた犬養を千紗子は決意して、
とどめを刺す。
絵本作家の千紗子が東京から認知症の出た父親の看病に
長崎の山奥を訪れた日に、誰一人こんな展開は思いも
付かなかった。
千紗子は学生結婚して出産した5歳の息子を
海の事故で亡くしていた。
欠落を埋めるようにして現れた少年は、
本当は前世の息子だったのではないか?
拓未(犬養洋一)は、あの事故の日。
高い橋の上から、義父に“バンジージャンプ“を強いられて、
川へ落とされたのだ。
これって立派に殺人・・だよね‼️
洋一は死んだんだよ。
記憶を無くしたことにして少年は千紗子の息子の拓未に
生まれ変わったのだ。
自分からそれを選んだのだ。
もし世間の常識通り、千紗子が警察に届けて、
実の母のいる鬼畜の義父の家に戻っていたら?
早かれ遅かれ洋一は殺されていただろう。
ここで私は思った。
常識や法律で護れない子供がいる。
千紗子は命懸けで1人の少年の未来を護った。
大きな代償は払ったけれど、
これで良かったと思う。
(殺すしかない鬼畜がいる)
だからラストはストンと腑に落ちる。
千紗子にも拓未にも「明日」が開ける。
人間の作った法律は万能ではないとの欠陥を知る
映画だった。
杏さんの好演と少年役の中須翔真くんの、嘘のない演技が
支えていました。
評価されるべき作品
先月「あんのこと」を見に行った際にこちらの作品のチケットを買う方がなかなか多く、予告編も見たらわりと自分好みな作品だったため試しに見てみました。
内容としては介護、虐待、子を亡くした悲しみなどなかなかハードな内容ではありますが全体としてとても見やすく、特に良かったのは終盤の展開にかけては本当に無駄がなく一気にラストまで駆け抜ける見事な作りだったなと思いました。特にラストは自分はそこの視点で見ていなかったため、「そういうことか!」と見ながら心の中でブワーッて気持ちが込み上げてとても良い終わり方だったなと思います。今年見た邦画作品では現時点で自分の中ではゴールドボーイに続く高評価な作品となりました。演技に関しても皆さんベテランの方々なので本当に素晴らしく、なかでも奥田瑛二さんの父親役はすごかったです。特にごはんの食べ方(笑)この方、私は世代的にドラマのちょい役の嫌な刑事とか上司とか、あとはプライベートでのスキャンダルとかそういうイメージしかなかったのですがすごい役者さんなんだなと初めてその演技力の高さを知りました。あとは昨今、再ブレイク的にいろんな映画やドラマに引っ張りだこの安藤政信がめちゃくちゃ怖いハマり役でした。でも、役柄がボロアパートに住んでる感じならもうちょい清潔感がない服装や髪型、無精髭などやった方が良かったかなと。そういう系は中村獅童あたりがやると最高ですよね。安藤政信がやるとオシャレパーマだしかっこいいからタワマンでシャンパン片手にDVって感じに見えてしまいました。あとは同じく最近いろんな作品に引っ張りだこの酒匂芳さんも出ており、この方も直近でドラマ「アンメット」や「燕は戻ってこない」で異なる役柄の強烈な悪役をそれぞれ演じていたのですが今作では主人公家族を支え寄り添う医師役でこれまた本当に最近見た作品とは別人のようでびっくり。声色や表情などを巧みに操れるカメレオン俳優だなーとその演技力のすごさにさらに惹かれました。内容がこれだけ素晴らしいにも関わらず気になったのは公開されてる劇場の少なさ。私の住む近辺では平日日中に仕事してたら見れないような昼間や夕方の時間帯しかやらなかったり、極端に公開期間が短かったりしました。なんとか夜やってる劇場に時間かけて行きましたがそこでも極端に公開期間は短かった。ぶっちゃけ同じ期間に公開されてる某発明系家族モノ作品よりもこの作品の方がもっともっと宣伝されるべきなのではないかと思います。でもやっぱりその辺はめちゃくちゃ売れてる人や大手事務所が絡んでるなどのスポンサーなどの関係があるのでしょうね。そういった大人の事情だけで大規模公開されるのではなくちゃんと映画の中身で評価して大規模公開されるようになってほしいなと思いました。現時点であまり注目されずヒットもしてないぽいので後々、サブスク等で配信されてから評価が高まる作品なのかなと思います。ちょっと重めのテーマの邦画や日本の最近のドラマなど好きな方にはハマる作品かと思うのでぜひチェックしてみてください。
ぼくのお母さん
予告から想像していた内容ではなかったです。
というのも、千紗子(杏)と久江(佐津川愛美)の倫理観が常識はずれというか
意表をつかれたんですよね。
なので、冒頭の話の持って行き方については、ちょっと入り込めないというか
リアリティは追求しちゃいけなさそうだ、と思って観ました。
千紗子は拓未(中須翔真)と出会うことで、おそらくは自身の過去のトラウマ、
つまり、若くして子どもができて結婚し、海で子どもを亡くしてしまうという
この消せない記憶を塗りかえる、あるいは記憶領域から極小化していくために
拓未を子どもとして育てようと、一緒に生きていこうと考えたんじゃないかなと思いました。
千紗子がその思いを強くしていったのは、認知症の父親孝蔵(奥田瑛二)の存在であり、
孝蔵の自分への想いを思いがけず知ることから、家族への思慕は深くなっていったものと思われます。
後半の重要な場面である、拓未(本当は洋一)の父親安雄が会いに来るところでの
杏、拓未、孝蔵の想いが一緒になって、安雄殺害(事故にも近しいとは思います)に至ったのだろうと
捉えました。
私はてっきり、ここで映画が終わるのかと思いきや、
裁判シーンがラストで展開され、
そこでの拓未(洋一)のセリフ「ぼくのお母さんはあの人です」と千紗子を指さしたときの表情、
それから千紗子の表情が、この作品の伝えたかったこと全てだと理解しました。
だから、最重要なわけですね。この裁判シーンが。
実にヘビーな作品ではありますが、
鑑賞後感は悪くない、観て良かったと心から思えた作品です。
※個人的な意見として、佐津川愛美の演技はちょっと鼻につきました・・・
集客はよろしくなさそうですが、こういう映画が多くの方み観られるようになってほしいです。
家族ドラマ
あまり事前情報は入れず、予告編が面白そうだったので観てみることに。
誘拐した子どもを、実の親にバレないように匿う映画かなと思っていたが、いい意味で裏切られた。
どちらかというと、父と娘の親子ドラマではないか。一度は縁を切った親子の絆を取り戻させるための物語。そして、母と息子の物語。
その橋渡しとして、拓未という彼女の「息子」が登場するが、彼がいい味を出している。
認知症で日に日におかしくなっていくおじいちゃんに対して咄嗟に、僕にも粘土教えて、なんて誰が言えるだろうか。出来過ぎです。
自分自身、認知症の祖父母の介護をした経験があったので、グサリと来るものがあった。当時は私と母で協力して2人の介護をしていたが、杏さん(娘)も、拓未という息子の存在があってはじめて、父親ともう一度向き合おうという気になっていたし、家族を救うのは、やはり同じ家族なんだなと考えさせられた。
映画の半分くらいは終始泣きっぱなしだった。それくらい泣けるし共感出来る映画だったと思う。
悲劇は結果論か
かくしごと
決して美談として描かれているわけではない。
疎遠になっていた父親が認知症になり、介護のため他は誰もいない実家へ帰る。劇伴も無く過ぎていく作業。期間限定だと言い聞かせ、気怠さや、そのような関係性に至った現実の無情さを感じさせる。
最初の出会いは、友人の飲酒事故の隠蔽のため。そのことは鑑賞をする上での棘になり、感情移入するには妨げになる。擁護は当然できない。
しかし後の展開から振り返ってみると、通報していた場合には、おそらく全てが終わっていたという事実にぶつかる。
どんなときでも法律が、命を守っているとは限らない。何が正義なのかを考える時に、おそらく傍観者が思い当たらなくてはならないことは、本人の本当の気持ちを、蔑ろにしてはいないかということだ。
記憶がなくても、それはかつてあったものを失うか、本当は無かったものをあるかのように振る舞うか、いずれにしても、結果は同じ。戻らない瞬間に、相手のことを心から思い遣れるかどうかだろう。
親子の愛情とは
をまた考えさせられる脚本
噛み合わない家族はここ最近分析化され、増えたように思うが、昔からあったのだと痛感
厳しく育てられ、行息詰まって親元を離れる子供
虐待されていても、幼すぎて親元から離れられない子供
子供を育てたくても育てられない親
子供への接し方がわからない親
子供からの介護は情けないと感じてしまう親
いつまでたっても、親に面倒を見てもらう子供など
ちぐはぐな親子関係は昔からあるようで、近年になっても、解決策は何もないように感じます
絶望しか残らない感じですが
映画ではあえて希望の光を見せてくれたようです
現場はそんな生易しいものではないぞ!と言う言葉も飛び交いそうですが、酒向さん演じる先生の言葉には温かみがあり、今後の人生に役立っていけそうと感じました
衝撃的な後半
この映画を観たかったのは杏さんと奥田瑛二さんの番宣から。二人とも演技力抜群できっと引き込まれる映画だろうなあと。
突然の地方映画館特別上映だったからか観客は数人、映画離れでしょうか?でもこの映画は子を持つ親世代にぜひ観てほしいと思う。
前半のふとした過ちからの展開、それを引きずって幸せと不安、特に母としての感情を表現したシーンは涙。ラストの大変なかくしごとが胸に突き刺さる!
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