かくしごとのレビュー・感想・評価
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不思議な家族の関係から、本当の家族とは?は問いかける良い作品だった...
不思議な家族の関係から、本当の家族とは?は問いかける良い作品だった。展開的にあまり現実的じゃ無い設定から入ったため、気持ちは少しさめつつ、オチもなんだか分かってはいたが、終わり方が非常に良くて、3.5となりました。
杏さんはじめ、メイン3人の俳優さんが良くてエモかったです!
毒親からの救出
ぼくのお母さん
予告から想像していた内容ではなかったです。
というのも、千紗子(杏)と久江(佐津川愛美)の倫理観が常識はずれというか
意表をつかれたんですよね。
なので、冒頭の話の持って行き方については、ちょっと入り込めないというか
リアリティは追求しちゃいけなさそうだ、と思って観ました。
千紗子は拓未(中須翔真)と出会うことで、おそらくは自身の過去のトラウマ、
つまり、若くして子どもができて結婚し、海で子どもを亡くしてしまうという
この消せない記憶を塗りかえる、あるいは記憶領域から極小化していくために
拓未を子どもとして育てようと、一緒に生きていこうと考えたんじゃないかなと思いました。
千紗子がその思いを強くしていったのは、認知症の父親孝蔵(奥田瑛二)の存在であり、
孝蔵の自分への想いを思いがけず知ることから、家族への思慕は深くなっていったものと思われます。
後半の重要な場面である、拓未(本当は洋一)の父親安雄が会いに来るところでの
杏、拓未、孝蔵の想いが一緒になって、安雄殺害(事故にも近しいとは思います)に至ったのだろうと
捉えました。
私はてっきり、ここで映画が終わるのかと思いきや、
裁判シーンがラストで展開され、
そこでの拓未(洋一)のセリフ「ぼくのお母さんはあの人です」と千紗子を指さしたときの表情、
それから千紗子の表情が、この作品の伝えたかったこと全てだと理解しました。
だから、最重要なわけですね。この裁判シーンが。
実にヘビーな作品ではありますが、
鑑賞後感は悪くない、観て良かったと心から思えた作品です。
※個人的な意見として、佐津川愛美の演技はちょっと鼻につきました・・・
集客はよろしくなさそうですが、こういう映画が多くの方み観られるようになってほしいです。
「外出る好き」
家族ドラマ
あまり事前情報は入れず、予告編が面白そうだったので観てみることに。
誘拐した子どもを、実の親にバレないように匿う映画かなと思っていたが、いい意味で裏切られた。
どちらかというと、父と娘の親子ドラマではないか。一度は縁を切った親子の絆を取り戻させるための物語。そして、母と息子の物語。
その橋渡しとして、拓未という彼女の「息子」が登場するが、彼がいい味を出している。
認知症で日に日におかしくなっていくおじいちゃんに対して咄嗟に、僕にも粘土教えて、なんて誰が言えるだろうか。出来過ぎです。
自分自身、認知症の祖父母の介護をした経験があったので、グサリと来るものがあった。当時は私と母で協力して2人の介護をしていたが、杏さん(娘)も、拓未という息子の存在があってはじめて、父親ともう一度向き合おうという気になっていたし、家族を救うのは、やはり同じ家族なんだなと考えさせられた。
映画の半分くらいは終始泣きっぱなしだった。それくらい泣けるし共感出来る映画だったと思う。
都合の良すぎる展開が少し興醒めする事が多かった。 奥田瑛二の芝居は...
都合の良すぎる展開が少し興醒めする事が多かった。
奥田瑛二の芝居はとても良かった。ボケちゃう事忘れられちゃう事への考え方はさとされてるようでセリフ周りは良かったが本当に都合の良い展開だけが非常に残念。技術的には可もなく不可もなく。みんなで魚釣りシーンの衣装(ブルー系)と背景(緑の木々.白い空)の色味は綺麗だった。あと海の中の杏のcutも距離感が良かった。
悲劇は結果論か
かくしごと
決して美談として描かれているわけではない。
疎遠になっていた父親が認知症になり、介護のため他は誰もいない実家へ帰る。劇伴も無く過ぎていく作業。期間限定だと言い聞かせ、気怠さや、そのような関係性に至った現実の無情さを感じさせる。
最初の出会いは、友人の飲酒事故の隠蔽のため。そのことは鑑賞をする上での棘になり、感情移入するには妨げになる。擁護は当然できない。
しかし後の展開から振り返ってみると、通報していた場合には、おそらく全てが終わっていたという事実にぶつかる。
どんなときでも法律が、命を守っているとは限らない。何が正義なのかを考える時に、おそらく傍観者が思い当たらなくてはならないことは、本人の本当の気持ちを、蔑ろにしてはいないかということだ。
記憶がなくても、それはかつてあったものを失うか、本当は無かったものをあるかのように振る舞うか、いずれにしても、結果は同じ。戻らない瞬間に、相手のことを心から思い遣れるかどうかだろう。
親子の愛情とは
をまた考えさせられる脚本
噛み合わない家族はここ最近分析化され、増えたように思うが、昔からあったのだと痛感
厳しく育てられ、行息詰まって親元を離れる子供
虐待されていても、幼すぎて親元から離れられない子供
子供を育てたくても育てられない親
子供への接し方がわからない親
子供からの介護は情けないと感じてしまう親
いつまでたっても、親に面倒を見てもらう子供など
ちぐはぐな親子関係は昔からあるようで、近年になっても、解決策は何もないように感じます
絶望しか残らない感じですが
映画ではあえて希望の光を見せてくれたようです
現場はそんな生易しいものではないぞ!と言う言葉も飛び交いそうですが、酒向さん演じる先生の言葉には温かみがあり、今後の人生に役立っていけそうと感じました
前半もやもや、後半ドキドキ、ラストは涙
小説読んでからの
衝撃的な後半
この映画を観たかったのは杏さんと奥田瑛二さんの番宣から。二人とも演技力抜群できっと引き込まれる映画だろうなあと。
突然の地方映画館特別上映だったからか観客は数人、映画離れでしょうか?でもこの映画は子を持つ親世代にぜひ観てほしいと思う。
前半のふとした過ちからの展開、それを引きずって幸せと不安、特に母としての感情を表現したシーンは涙。ラストの大変なかくしごとが胸に突き刺さる!
後半が良かっただけに…
ラスト1分。 某職員としては、何かあった時には公的機関に相談すべき...
久米田康治?じゃない!
2024年映画館鑑賞53作品目
6月22日(土)イオンシネマ新利府
ハッピーナイト1300円
21時30分の回
原作未読
原作のタイトルは『嘘』
監督と脚本は『生きてるだけで、愛。』の関根光才
是枝系社会派ヒューマンミステリー
杏にとっては『オケ老人』以来久々の主演映画
粗筋
東京の大学に在学中に妊娠し出産した息子をのちに海難事故で失った過去を持つ絵本作家の里谷千紗子
離れて暮らす父が認知症を発症した
7年ぶりに帰郷し再会した千紗子だったが父は娘を忘れていた
すぐにでも介護施設に預けて東京に戻りたい千紗子だったが空きのベッドがなかなか見つからず難航した
古くからの地元の友人の久江と居酒屋で飲んだ帰り道に偶然遭遇した虐待児犬養洋一を実家に引き取り実の息子のように育て始めた千紗子
久江から誘拐になると注意を受けるも虐待を繰り返す親元に帰すことになることなるため警察に引き渡すわけにはいかなかった
犬養洋一は記憶喪失の様子で自分の名前さえ覚えていなかった?
そこで千紗子は洋一に自作の絵本に登場する「拓未」と名付け自分の息子として自分の姓の里谷をつけた
認知症の祖父と他人の息子との共同生活が始まった
杏の代表作と言っても過言ではない
ブラーヴァ!
今更ながら背が高いことが若干気になるがガンダムやイデオンやエヴァンゲリオン同様徐々にそれも慣れてくる
さすが安藤サクラの父親
はじめは奥田瑛二とわからなかった
貫禄の名演技に賞賛の拍手を送りたい
中須翔真演じる里谷拓未の笑顔がかわいい
子役の熱演も高く評価したい
生真面目な千紗子に対して少々アレな友人の久江がちょうど良い緩衝役になっている感じ
彼女の存在もまたこの作品では重要でいるといないとでは大違い
ヤフコメ民やX民はなにかとけしからんと感じるキャラだろうが自分は子供の頃から模範的な人間ではないのでわりと受け入れることができる
流石に居酒屋でビール2杯(おそらくジョッキ2杯)を飲んで車を運転することに対しては「えー」とドン引きしたけど
おそらく2次会費用より安く済むから代行運転で帰りなさい
何かと相談役として登場する子供の頃から千紗子の父と親しい地元の医者役の酒向芳も良い
釣り好きで千沙子らを地元の川釣りに誘う
徐々に父と和解していく千紗子の姿も良い
重いテーマのオンパレードだがさほど重くもなく自分にはちょうど良かった
映画のタイトルは書く仕事と隠し事をかけているのだが久米田康治の漫画とは直接関係はないようだ
じつのところ隠していたのは千紗子だけでなく「拓未」もだったってのがこの作品のオチ
なぜあのタイミングで犬養洋一はカミングアウトしたのか
なぜもっと早くに公表しなかったのか
そして日本の検察は日本一のエリート集団といっても過言ではなく絶対に勝てると判断した案件だけを法廷に持ち込むわけでそれにもかかわらずあんなに無能なわけがない
その点では疑問点不満点はあるもののそこはやはり映画だから娯楽だから大目にみたい
星5の評価は揺るぎない
あそこで終わるのも素晴らしい
ちなみに犬養は奥田瑛二の妻の旧姓
偶然だろうか
安藤サクラは犬養毅の曾孫にあたるのはあまりにも有名な話だと思うが知らない人はいるのかな
ちなみに里谷拓未の下の本名は追手内洋一と同じ
これは偶然だろう
配役
不仲で疎遠になっていた父が認知症を発症し裸同然で地元を出歩いたため久々に帰省してきた絵本作家の里谷千紗子に杏
酒気帯び運転の久江の車で千紗子が夜間の帰り道に偶然保護され「里谷拓未」と名付けられ息子のように一緒に暮らし始めた虐待児の犬養洋一に中須翔真
厳格な元教師で妻に先立たれ山の上のポツンと一軒家に一人引っ越し魔を切るため日々仏像を彫り最近では認知症を患っている千紗子の父の里谷孝蔵に奥田瑛二
地元の役所で働く福祉課職員で千紗子の親友の野々村久江に佐津川愛美
シングルマザーの久江の息子の野々村学に番家天嵩
地元の医師で孝蔵の幼馴染の亀田義和に酒向芳
幼い娘を連れてマキと再婚した洋一の義父で日々虐待を繰り返した犬養安雄に安藤政信
再婚した安雄の暴力に支配されている洋一の実母の犬養マキに木竜麻生
千紗子を弁護する敏腕弁護士に和田聰宏
洗脳だと思い込み千紗子に刑を求める無能な検察官に丸山智己
千紗子の付き添いで拓未が診てもらった個人病院の受付の看護師に河井青葉
千紗子と久江が飲みに行った居酒屋の女将に池谷のぶえ
里谷千紗子が黙ってない‼️
これは母性の映画‼️母性の暴走の映画‼️親友の飲酒運転による人身事故をきっかけに、家庭内暴力を受けている男の子を無断で引き取り、記憶喪失を良いことに自分の息子として育てるヒロイン・・・‼️その背景には、過去に海での事故で実の息子を亡くした事がある‼️男の子に息子を重ね合わせたのでしょう‼️母性ですね‼️世話になってる医者に息子の事故死を涙ながらに話すシーンの杏ちゃんの素晴らしい演技‼️杏ちゃんも母親なので、内なる母性から来る演技なのでしょう‼️そしてクライマックスでは、男の子を迎えに来たDV義父と争いになり、男の子が義父を刺し殺してしまう‼️男の子をかばって逮捕される杏ちゃん‼️男の子は自ら殺害したことを法廷で証言‼️そして杏ちゃんへの言葉‼️「僕のお母さんはあの人です」‼️涙を流す杏ちゃん‼️観る者も救われる素晴らしいラストシーンでした‼️
おもしろい映画じゃなくて、満足できる映画て感じかな
サブスクリプションでテレビやPCの画面で見るとたぶん途中でやめてしまうと思う。それほど地味な映画で、しかも、2時間を超える長い映画である。
でも映画館でみると、ひきこまれてしまうのは、やはり、出演者が名優ぞろいだからだろうと思う。
冒頭の発端と、残り10分の結末以外は、ほんとうに地味な日常がえんえんと続くだけだけど、どんな結末になるのか?と観る者をずるずる引きずり込み、まったく退屈させないのは、杏、中須翔真、奥田瑛二、酒向翔の演技力のたまものだろう。
二人の行く末は、非常に大きな困難が待ち受けているとは思う。でも、ふたりの絆、信頼、愛は、やすやすとそれを乗り越えてゆけるだろうと思わせる結末は、観客に救いを与えるのである。
二人、それぞれの嘘(かくしごと)は、傷ついたものどうしの、憐憫であり、打算であるけど、それはやがて、信頼と愛に昇華してゆくのである。
僕のお母さんは…
辛くても忘れちゃイケない事もありますよ
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