かくしごとのレビュー・感想・評価
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後半が良かっただけに…
人格って、個人が形作るものばかりではなくて、まわりとの関係性が浮かび上がらせるものなんだな、と思う。 自分が何者で、相手が誰で、どんな関係で、過去に何があって、何を覚えてて何を忘れて…。 ちさ子は認知症の父が「(都合の?)悪いことは忘れて」となじる。でも、拓未には「悪いことは思い出さなくていい」と言う。 かくしごとを土台にした家族が、悲喜こもごもありながら日々を過ごしている間、拓未のことがどう露呈するのだろうと心配しながら見ていた。急展開に驚きながらも、すごく説得力のあるラストだったと思う。 それだけに、細かい設定に無理がある気がして、とても残念…。 奥田瑛二と酒向芳の演技が素晴らしかったです。
ラスト1分。 某職員としては、何かあった時には公的機関に相談すべき...
ラスト1分。 某職員としては、何かあった時には公的機関に相談すべきと言いたい。自分達だけで抱え込むより、絶対に望みはあるから。 全体的にはカメラが定点で動きが少ない印象は受けたが、1カット目から良作の予感が滲み出たエモーショナルな画。関根監督は過去作の『生きてるだけで、愛。』といい、今作の主題歌に羊文学を選ぶところといい、エモに振り切ったら秀でそう。
久米田康治?じゃない!
2024年映画館鑑賞53作品目 6月22日(土)イオンシネマ新利府 ハッピーナイト1300円 21時30分の回 原作未読 原作のタイトルは『嘘』 監督と脚本は『生きてるだけで、愛。』の関根光才 是枝系社会派ヒューマンミステリー 杏にとっては『オケ老人』以来久々の主演映画 粗筋 東京の大学に在学中に妊娠し出産した息子をのちに海難事故で失った過去を持つ絵本作家の里谷千紗子 離れて暮らす父が認知症を発症した 7年ぶりに帰郷し再会した千紗子だったが父は娘を忘れていた すぐにでも介護施設に預けて東京に戻りたい千紗子だったが空きのベッドがなかなか見つからず難航した 古くからの地元の友人の久江と居酒屋で飲んだ帰り道に偶然遭遇した虐待児犬養洋一を実家に引き取り実の息子のように育て始めた千紗子 久江から誘拐になると注意を受けるも虐待を繰り返す親元に帰すことになることなるため警察に引き渡すわけにはいかなかった 犬養洋一は記憶喪失の様子で自分の名前さえ覚えていなかった? そこで千紗子は洋一に自作の絵本に登場する「拓未」と名付け自分の息子として自分の姓の里谷をつけた 認知症の祖父と他人の息子との共同生活が始まった 杏の代表作と言っても過言ではない ブラーヴァ! 今更ながら背が高いことが若干気になるがガンダムやイデオンやエヴァンゲリオン同様徐々にそれも慣れてくる さすが安藤サクラの父親 はじめは奥田瑛二とわからなかった 貫禄の名演技に賞賛の拍手を送りたい 中須翔真演じる里谷拓未の笑顔がかわいい 子役の熱演も高く評価したい 生真面目な千紗子に対して少々アレな友人の久江がちょうど良い緩衝役になっている感じ 彼女の存在もまたこの作品では重要でいるといないとでは大違い ヤフコメ民やX民はなにかとけしからんと感じるキャラだろうが自分は子供の頃から模範的な人間ではないのでわりと受け入れることができる 流石に居酒屋でビール2杯(おそらくジョッキ2杯)を飲んで車を運転することに対しては「えー」とドン引きしたけど おそらく2次会費用より安く済むから代行運転で帰りなさい 何かと相談役として登場する子供の頃から千紗子の父と親しい地元の医者役の酒向芳も良い 釣り好きで千沙子らを地元の川釣りに誘う 徐々に父と和解していく千紗子の姿も良い 重いテーマのオンパレードだがさほど重くもなく自分にはちょうど良かった 映画のタイトルは書く仕事と隠し事をかけているのだが久米田康治の漫画とは直接関係はないようだ じつのところ隠していたのは千紗子だけでなく「拓未」もだったってのがこの作品のオチ なぜあのタイミングで犬養洋一はカミングアウトしたのか なぜもっと早くに公表しなかったのか そして日本の検察は日本一のエリート集団といっても過言ではなく絶対に勝てると判断した案件だけを法廷に持ち込むわけでそれにもかかわらずあんなに無能なわけがない その点では疑問点不満点はあるもののそこはやはり映画だから娯楽だから大目にみたい 星5の評価は揺るぎない あそこで終わるのも素晴らしい ちなみに犬養は奥田瑛二の妻の旧姓 偶然だろうか 安藤サクラは犬養毅の曾孫にあたるのはあまりにも有名な話だと思うが知らない人はいるのかな ちなみに里谷拓未の下の本名は追手内洋一と同じ これは偶然だろう 配役 不仲で疎遠になっていた父が認知症を発症し裸同然で地元を出歩いたため久々に帰省してきた絵本作家の里谷千紗子に杏 酒気帯び運転の久江の車で千紗子が夜間の帰り道に偶然保護され「里谷拓未」と名付けられ息子のように一緒に暮らし始めた虐待児の犬養洋一に中須翔真 厳格な元教師で妻に先立たれ山の上のポツンと一軒家に一人引っ越し魔を切るため日々仏像を彫り最近では認知症を患っている千紗子の父の里谷孝蔵に奥田瑛二 地元の役所で働く福祉課職員で千紗子の親友の野々村久江に佐津川愛美 シングルマザーの久江の息子の野々村学に番家天嵩 地元の医師で孝蔵の幼馴染の亀田義和に酒向芳 幼い娘を連れてマキと再婚した洋一の義父で日々虐待を繰り返した犬養安雄に安藤政信 再婚した安雄の暴力に支配されている洋一の実母の犬養マキに木竜麻生 千紗子を弁護する敏腕弁護士に和田聰宏 洗脳だと思い込み千紗子に刑を求める無能な検察官に丸山智己 千紗子の付き添いで拓未が診てもらった個人病院の受付の看護師に河井青葉 千紗子と久江が飲みに行った居酒屋の女将に池谷のぶえ
里谷千紗子が黙ってない‼️
これは母性の映画‼️母性の暴走の映画‼️親友の飲酒運転による人身事故をきっかけに、家庭内暴力を受けている男の子を無断で引き取り、記憶喪失を良いことに自分の息子として育てるヒロイン・・・‼️その背景には、過去に海での事故で実の息子を亡くした事がある‼️男の子に息子を重ね合わせたのでしょう‼️母性ですね‼️世話になってる医者に息子の事故死を涙ながらに話すシーンの杏ちゃんの素晴らしい演技‼️杏ちゃんも母親なので、内なる母性から来る演技なのでしょう‼️そしてクライマックスでは、男の子を迎えに来たDV義父と争いになり、男の子が義父を刺し殺してしまう‼️男の子をかばって逮捕される杏ちゃん‼️男の子は自ら殺害したことを法廷で証言‼️そして杏ちゃんへの言葉‼️「僕のお母さんはあの人です」‼️涙を流す杏ちゃん‼️観る者も救われる素晴らしいラストシーンでした‼️
おもしろい映画じゃなくて、満足できる映画て感じかな
サブスクリプションでテレビやPCの画面で見るとたぶん途中でやめてしまうと思う。それほど地味な映画で、しかも、2時間を超える長い映画である。 でも映画館でみると、ひきこまれてしまうのは、やはり、出演者が名優ぞろいだからだろうと思う。 冒頭の発端と、残り10分の結末以外は、ほんとうに地味な日常がえんえんと続くだけだけど、どんな結末になるのか?と観る者をずるずる引きずり込み、まったく退屈させないのは、杏、中須翔真、奥田瑛二、酒向翔の演技力のたまものだろう。 二人の行く末は、非常に大きな困難が待ち受けているとは思う。でも、ふたりの絆、信頼、愛は、やすやすとそれを乗り越えてゆけるだろうと思わせる結末は、観客に救いを与えるのである。 二人、それぞれの嘘(かくしごと)は、傷ついたものどうしの、憐憫であり、打算であるけど、それはやがて、信頼と愛に昇華してゆくのである。
僕のお母さんは…
いやー最後の最後でガツンとやられちゃいました なので点数アップです 予告を見ていたので少しは想像がついていたのだけど 杏の演じる母親は結構やべーやつ いつかはバレるのはわかっていたはず 原作は「嘘」という題名なんでしたね 認知症は本人が一番辛いのかも この作品も虐待、認知症、シングルマザー、過疎化と社会課題満載でした ラストシーンが気になる人は是非観た方がいいです
辛くても忘れちゃイケない事もありますよ
日常を少しずつ忘れていく者と突発的な記憶喪失で忘れた(フリ)事を思い出してくる者、忘れたい失敗を取り戻したい者、それぞれが過去から逃れて未来をツクロウとする物語。 予告編である程度の内容は把握してたが、想像以上に重く太い作品だった。 誰もが上手く行ってる様でいて、安易にこのままでイイはずが無い、と作中の皆んなが思ってたはず。 上手い具合には、うまく行かない、でもそこにお互いの想いが顕れてくる事で、救われる氣がした。
良くも悪くもわかりやすい。
原作未読。飲酒運転で人を跳ねた地方公務員友人を庇うと言う口実で、亡くした息子の代理を手に入れたら、その子も虐待されてて満更でもない感じだったが、案の定色々大変だった話。 犯罪と介護で切羽詰まった杏の表情はかなりいいとこ行ってたと思うが、見ててなんか重く感じるのは顔立ちのせいか、、または本人が真面目なせいだと思う。いいかげんさや、ゆるさ、みたいな抜け感が無い。そんなふわっとした感じがこの先出てくると良いと思う。 子供の描きかたも話の進みをよくするためか少し優等生すぎたかも。 木竜麻生が虐待母、よいキャスティングだと思う。 あと初めて見たけど父の友人医者の酒匂芳がさりげなくムードがあり良かった気がする。 全体的に演技も話も明解で、テンポもよく、絵も美しくわかりやすかった事が逆に物足りなさを感じでしまった部分かも知れない。 行方不明の子供はレビューでも指摘あったが写真あちこち出回ると思うよ。
それぞれの分かれ道 Each Crossroad
人と人が一緒に住む、 特に家族というのは、 かかわりが深い分だけ、 影響も大きい。 職場や、趣味の集まりもしかり。 通常は良い影響が大半だろうけれど、 もちろん逆もある。 話の軸になるのは、 一人の小学生の男の子だけれど、 いくつかの家族の問題が、 縦糸と横糸のように絡まりながら、 今の世の中を浮かび上がらせる。 皆、弱く、同時に強かに、 生きようとしている。 正しいって、間違っているって、何だろう 不幸って、幸福って何だろう と映画を見ながらグルグルと考えてしまった。 それぞれの登場人物に あったかもしれない「if」が、 良い方向へ行ったかもしれない道が、 あったかもしれないと思ってしまった。 「お前はいいよな」 というセリフにドキッとした。 その言葉の裏に、 もう、引き返せない悲しみを見たからだ。 Living together with others, especially as a family, involves deep connections and consequently, significant influences. The same goes for workplaces and hobby groups. Usually, these influences are mostly positive, but there are, of course, negative ones too. The story centers around one elementary school boy, but it weaves together various family issues, intertwining them like warp and weft threads, bringing today's society into focus. Everyone is weak, and at the same time, cunningly trying to live. What does it mean to be right or wrong? What is happiness or unhappiness? These thoughts kept swirling in my mind while watching the movie. Each character might have had an "if" moment, a path that might have led to a better outcome. The line, "You're lucky," caught me off guard. It revealed a deep, irreversible sorrow hidden beneath those words.
欠けたお母さんと歪んだ子供
色々な思いが巡った映画でした。 主演の杏さんが上手で、流石のお母さん役でした。 奥田氏も身につまされる演技でした。 友人の佐津川さんも、弱さを見せた良い演技だったと思います。 人間が忘れる事で起こる色々な事象を、見せてくれました。 自分の年を考えると、認知症は恐怖ですね。 ストーリーとしては、破綻に向けての日常を描いたもので、杏さんはとても難しい役でした。 「もしかしたら何とかできるのか」と思わせてくれたのは、杏さんの技量でしょう。 「そんなわけない」と言うのは簡単ですが、主人公に思いを寄せてもいいのではないかと思います。 ラストシーンはスッキリしてよかったです。
言えない事と言えなかった事と言いたくない事
急転直下の幕引きだった。
馬乗りになった杏さんの表情が衝撃的だった。
様々な嘘に彩られた本作。
タイトル通りの内容なれど、痴呆症のウェイトが重すぎるような気がする。あまり本筋とリンクしてくれなく、痴呆症の話が進めば本筋は堰き止められるような印象だった。
初めて奥田瑛二さんをいいなぁと思ったくらい迫真のボケ老人だったわけで…粘土を咀嚼し出した時、飲み込むんじゃねぇかと寸前まで思った。
彼のパートは、「かくしごと」的には娘への想いの吐露で終わってていいはずで、千紗子に燻ってる父への想いは「かくしごと」とはまた別のはずなので、反映させる事もないと思うから、やっぱりウェイトが重すぎる。
本筋が見応えがあっただけに、食い合っちゃっているようで残念だった。
千紗子とタクミの物語は、胸に響く。
彼女が彼についた嘘も、彼が彼女についた嘘も背景にある「虐待」を回避する為である。
千紗子からは行き過ぎであったとしても溢れる母性を感じるし、タクミからはSOSを感じる。
彼が記憶喪失でなかったのか、途中からタクミとして生きたいと思ったのかはわからないのだけれど、大人のリアクションを見ながら敬語で話す少年が、無邪気に笑い、ご飯を頬張る姿は微笑ましかった。
あるべき姿を取り戻したように見える。
どんどん2人は親子のように見えてきて、この田舎でなら、このまま幸せになっていけるんじゃないかと考えてしまう。
そうはならないんだけどね。
そう…そうはならないから、色々と間延びした編集にも思う。
NEWSに流れる事件の概要が事実と真逆で怒りを覚える。警察の見解がそうだからなのだろうか?裁判所の検事は全く同じ事を喋ってた。
母親の証言を身じろぎもせず聞く杏さんが印象的で、喉まで出かかってる罵声をグッと堪えているようであった。
そしてタクミが証言する。
最後の言葉はどれほど嬉しかっただろうと思う。
法を犯してまでタクミの為についた嘘が、本人によって肯定されたのだ。
少年の眼差しに「大丈夫、お母さんは僕が守るよ」って意思が見えたようで、頼もしかった。
この本筋に痴呆症の父って要素はさほど重要でないと思ってしまうのだ。
あの迫真のボケ老人は良かったけれど、頼むから他所でやってくれとお願いしたい。
原作を読んだ訳ではないのだが、俺的には化ける要素が多かった物語だけに、勿体なく思う。
今年は結構、邦画は当たり年なのかもなあー
縁側で父の肩に寄りかかる杏さんはとてつもなく可愛い。思えば杏さんは熱演だった。奥田さんは熱演過ぎたのかもなあー
傑作。
先ずは、奥田瑛二さんと杏さんの演技力に、脱帽。 物語は重いです。重厚。 伊那ロケということで観ましたが、期待を裏切って、良い出来です。 ごめんなさい、期待してなくて。でも、良い意味で裏切られました! 杏さん、演技うまかったのね^^;(ごめんなさい。)
凄い進歩
ですよ、前回観た「生きてるだけで愛」から。エンタメとして高いレベルで観終わった後、満足感が有りました。 杏さんは今迄評価してなかったんですが、濃密なエロさを感じる。デコルテ〜二の腕、浅黒、和製ソフィアローレンですかね。
根幹の問題を感じながらも、結論から言うと面白く見ました
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
今作の根幹でもあり、問題点をはらんでいる中心には、主人公・里谷千紗子(杏さん)と野々村久江(佐津川愛美さん)の、女性登場人物の2人の”ヌケた”人物造形があると思われました。
十数年前ならいざ知らず、現在で飲酒運転をした野々村久江はあり得ないでしょう。
また、(支援団体と称して)幼児虐待なのかを確かめに、里谷拓未(中須翔真さん)として新しく息子になった犬養洋一の実際の両親に素顔をさらして会いに行く、主人公・里谷千紗子もあり得ないと思われました。
そしてこの2つのあり得ないと思われる2人の行動は、しかしこれら2人の行動が無ければ(主人公・里谷千紗子は犬養洋一/里谷拓未に出会わず、犬養安雄(安藤政信さん)が千紗子の家に訪ねて来ることもなく)この映画『かくしごと』の物語はこのままでは成り立たず、物語の根幹の構造になってしまっています。
つまり、この野々村久江と主人公・里谷千紗子の、2人の女性の(行動としてはあり得ないと考えられる)”ヌケた”人物造形に観客が乗れなければ、今作の全体に初めの段階で乗れないとなると思われました。
ただ、個人的には、ギリギリまあ2人の女性の”ヌケた”人物造形はなくはないかな、とは思われました。
なので、主人公・里谷千紗子、息子になった里谷拓未、痴呆症が進む父・里谷孝蔵(奥田瑛二さん)の、壊れながらも深まって行く3人の関係性によって、私は感銘含めて今作を面白く観ることが出来ました。
特に、杏さん、中須翔真さん、奥田瑛二さんの、3人それぞれの関係性の演技は素晴らしかったと思われます。
しかしながら、今作は原作も、脚本・監督も、男性であり、このレビューを書いている観客の私も男性であるので、(その2人の行動が作品構造の根幹ともなっている)女性登場人物2人の”ヌケた”人物造形が、果たして差別的でなく女性側にも説得力を持って描かれているかは、多くの女性側による(理念主義に陥らない、あくまで人間理解としての)評価検証は必要だとは一方で思われました。
(ちなみに例えば、野々村久江は飲酒運転をしておらず、犬養洋一(里谷拓未)は単に道路に横たわっていて車に乗っていた主人公・里谷千紗子と野々村久江に発見され、彼に対する幼児虐待を疑った千紗子が犬養洋一(拓未)を両親に返さず、犬養安雄の幼児虐待は千紗子が彼に会わずに匿名で児童相談所に電話通報し、犬養安雄と千紗子の再会はたまたま犬養安雄が町に戻ったからとすれば、主人公・里谷千紗子と野々村久江の、女性登場人物の2人の”ヌケた”人物設定はなくとも映画は作ることは出来たはずです。)
(物語としては傍流になるかとですが)個人的には関連して以下のシーンを興味深く観ました。
そのシーンは、町医者の亀田義和(酒向芳さん)と主人公・里谷千紗子との診療所での、千紗子が息子を水難事故で亡くした告白をする場面です。
その告白の場面で千紗子は、息子を水難事故で亡くした自分に、追い打ちを掛ける形で発せられた父・孝蔵の酷い言葉の話をします。
しかし一方で、町医者の亀田義和(酒向芳さん)は、そんな千紗子の父・孝蔵も、今は痴呆症と戦っている、との話をします。
この時に、千紗子(杏さん)は、そういうことじゃないんだよな‥と感じさせる微妙な表情の反応をします。
このシーンは私には、主観的に物事を捉えて描写する”女性”的な主人公・里谷千紗子と、客観的に物事を提示して合理的に説明説得しようとする”男性”的な町医者・亀田義和との、男女のズレを表現していると思われました。
つまり、一般的な女性と男性の、決定的な断絶を感じさせるシーンになっていると思えたのです。
個人的には、非常に興味深いシーンになっていると思われました。
(※にしても、他の映画ドラマでも全く違うそれぞれのキャラクターをリアリティありながら自然に演じている酒向芳さんは、一方で今回も相変わらず素晴らしい自然な演技をしているなと僭越ながら思われました‥)
このシーンを意識的にしろ無意識的にしろ描いていることは、興味深くはあります。
しかし現在の視点からすれば、2人の女性の”ヌケた”人物造形と合わせて、結構な危うい男女の断絶の作品根幹になっているなとは思われました。
(このことにもっと自覚的にこの映画が表現されていれば、また違った印象を持ったのかもしれません。)
私的にはこの女性2人の”ヌケた”人物造形はあり得ると思われ、作品全体としては息子を失った主人公と新しい息子と痴呆の進む父との3人の交流を、感銘も含め観ました。
しかし、この作品の根幹の問題は、広く他の人を交えて考える必要があるとは一方で思われてました。
かくしごとと嘘の境界線で。
少年との出会い方がひっかかるし、無理矢理な展開もあるけど、全体としてはとても見応えがあった。それぞれが抱えるかしくごとの先にあるもの。そして噓が暴かれる時。同じ景色が続く単調さもある中で終盤一気に加速してゆく感じも良かった。 ただ、この物語上とても重要な事件のシーンを予告で見せてしまっていて、その分こっちも待ち構えてしまうのでここは本当に残念だった。いやぁ、予告は大事なんよ。 最後の一言には涙がバーっと溢れたけど、冷静になったらあれが本心かどうかは実は分からないなって思えてきた。子供心に本当にそう思ったのか、それとも元に戻りたくない一心でそう言っただけなのか。彼の心の中は分からないけど、千紗子が救われたのは間違いない。
狂気の主人公と荒唐無稽な無理のあるストーリー
脚本が雑すぎて感情移入できなかった。 特に最後の展開は説得力がなかった。 そこまでの信頼関係、いつできていたんだっけと唐突感があった。 俳優さん、みんなキレイすぎて、生活感やリアリティがなかった。 介護の大変さ、汗や排泄物が感じられない、のっぺりとした映像は 狂気の主人公の夢物語なのではないかと思ったほどでした。
ずっと里谷拓未でいてあげて
いい映画でした。
泣きそうになりました。
奥田瑛二お目当てでの鑑賞。さすがの奥田瑛二。ホントに自分の娘が認識できてないんだったら、杏ちゃんはとっくに襲われてましたな😎
イワナ釣りはカラダが覚えているんでしょうね。
どれだけ釣り好きなんでしょう。
親友のお医者さん役の酒向芳がすごく自然でよかった。
認知症の物盗られ妄想なんかもリアル。
認知症がだんだん進行してゆくさまの描写も丁寧で、拓未君は気が利くし賢すぎる。天才。
認知症対応の啓蒙映画としてもよくできていた。
主演は安藤さくらでなくてよかった。
観るほうが気を使っちゃうから。
拓未君はなかなか強運の持ち主。
2回は死んでた。
ドスンというはっきりした音。
スピードを出している佐津川愛美運転の車に轢かれる。
佐津川愛美だからしょうがないねぇと、こっちも許してしまうところも絶妙なキャスティング。
ロープのヒモが「しっぽ」に見えたので、寝かされている少年はもしかして新類人猿の子供かなって思っちゃった。そしたら片足だけに結ばれた細いロープ。
橋の欄干にちぎれたロープがぶらり。
ゴムじゃない。
本人がバンジージャンプをしたがった?よくこんな下手なウソを堂々とつくもんだ。
どんな親かと思ったら安藤政信と木竜麻生の夫婦。
ちょっと憎みきれないズルいキャスティング😅
戸籍がなくていいわけはない。
しかし、もし戸籍がなくても高校卒業認定試験(大検)が受けられるならなんて思ったり。賢い杏ちゃんが色々教えてあげられるからね。
書く仕事だもん。
隠し子と····
ダジャレ🙏
小学校になんで来ないのって佐津川愛美の息子に言われたら一番困るなあ。
報道番組では子供の写真ずっと出るよね。
病院の窓口からじっと親子をみている看護師役の河井青菜が怖かった。
まあでも、原作の小説がある訳だし、認知症や介護の問題が身近になってきた身としては娘や孫、親友に囲まれてイワナ釣りして暮らす環境は羨ましくもあり、できれば、杏ちゃんみたいなきれいなお嫁さんに親切にしてもらいたい。お風呂でシャワーしてもらいたい。イワナ釣りして、池谷のぶえの店で飲みたい。
私にとって「魔斬」とは、酒田の銘酒初孫なんです。初孫に魔斬をあげたおじいちゃん。単なる偶然?にしてはと思いましたよ。
最近の邦画、ミッシング、あんのこと、市子などと子供の置かれた環境やテーマが近いけど、なんかいちばん沁みた。
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