「夏の原風景が美しいミステリー」かくしごと poteさんの映画レビュー(感想・評価)
夏の原風景が美しいミステリー
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配信で鑑賞。途中まで、、と何気なく見始めたら、各人の「かくしごと」が気になり、最後まで一気見することに。
各カット、とても丁寧に画が作られている印象。
見ている間、本のページをめくっているかのような感覚になりました。
エンドロールで「嘘」という小説の映画化だということがわかり、原作を大切に扱っているように見受けました。
杏さんの「お母さん」としての姿も見応えあり。
(ナチュラルなスタイリングも素敵)
年齢を問わず、他の役者さんにも引き込まれます。
(確認したところ原作とは少し違いますが)個人的に一番ぞっとしたのは、千紗子が洋一の自宅を、正体を偽って訪問するシーン。
洋一の父親が、洋一の妹(1〜2歳くらい?)を抱き抱えて話に割って入るとき。あまりにも自然に「これ持って」と、飲んでいた缶チューハイを妹に渡します。妹もそれを抱えて、話の最中口に付けて遊んでいる。
さりげないシーンなのですが、この演出だけで、いかに洋一の家庭環境が子どもに適していないかが伝わりました。
直接的ではないにせよ、こうした無色透明な虐待も、当たり前の日常と化している。後々洋一の父親の台詞から、彼も幼少期に虐待を受けていたことが明かされます。
洋一くんは千紗子のおかげで、この連鎖から抜け出して生きていけるのだと思います。
全体的には重たい内容ですが、「家族」3人の触れ合いは心温まります。
少し光が差すラストは、映像ならではで印象的でした。見て良かった邦画でした◎
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