「何が善で何が悪かを考えさせられる」かくしごと Secretさんの映画レビュー(感想・評価)
何が善で何が悪かを考えさせられる
まずおじいちゃん役(千紗子の父親)の人が迫真の演技で特に凄かった!
本当に痴呆症の人かと思うぐらい凄かった!
色々な「かくしごと」がありました!
とても良かった!
ネタバレになりますが…
・最初に事故を起こした事を隠すという「かくしごと」
・目を覚ました洋一に真実を話さないという「かくしごと」
・洋一の家に身分を偽り会いに行くという「かくしごと」
・父親が実は娘とわかっていたという「かくしごと」
・ラストに実は洋一は記憶を無くしていなかったという「かくしごと」
※他にもあったかも知れないです。
まさに映画のタイトルに相応しい「かくしごと」が散りばめられていた!
善悪について考える部分は、飲酒運転事故ほう助をして事故を隠しさらに誘拐という罪を犯した主人公、千紗子が悪なのか?子供を虐待し自殺に見せかけて殺害しようとした親が悪なのか?果たしてどちらが善でどちらが悪なのか?それともどちらも悪なのか?と考えさせられる。考えさせられている最中に洋一の父親が現れて洋一が殺害してしまうというさらに考えさせられる事態になる。
そして「マキリ」という殺害に使ったナイフのようなもの!魔を斬るから「マキリ」
その要素を含めて見るとより洋一の父親は魔だったのかというように見える。
まとめとして、町医者の亀田が孝蔵(千紗子の父親)の事を目に見えない何かと戦っているのでは?と言っていたように、千紗子の行動にも法律という概念だけでは不十分な目に見えない何か、表現できない何かがたしかにそこにあると思いました。
感動があり、虐待があり、介護があり、血縁関係の無い家族の絆、親子の復縁、そして善悪以外の第三の何かがあるでは無いかとも考えさせられ、色々な要素のあるとても意味のある映画だと思います。
難しい映画だと思いますが是非1人でも多くの方に観て欲しいと思います!
備考
原作は小説で「嘘」というタイトルのようだが映画では「かくしごと」に変わっているみたい。
内容もほぼ原作通りだが少しカットされている部分があったり追加されている部分があって「かくしごと」に変更されたようです。
ラストの部分に少し物足りなさや、複雑なモヤモヤを感じたので伸び代がまだあったのでは?という意味も込めて星4としました。