「評価されるべき作品」かくしごと 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
評価されるべき作品
先月「あんのこと」を見に行った際にこちらの作品のチケットを買う方がなかなか多く、予告編も見たらわりと自分好みな作品だったため試しに見てみました。
内容としては介護、虐待、子を亡くした悲しみなどなかなかハードな内容ではありますが全体としてとても見やすく、特に良かったのは終盤の展開にかけては本当に無駄がなく一気にラストまで駆け抜ける見事な作りだったなと思いました。特にラストは自分はそこの視点で見ていなかったため、「そういうことか!」と見ながら心の中でブワーッて気持ちが込み上げてとても良い終わり方だったなと思います。今年見た邦画作品では現時点で自分の中ではゴールドボーイに続く高評価な作品となりました。演技に関しても皆さんベテランの方々なので本当に素晴らしく、なかでも奥田瑛二さんの父親役はすごかったです。特にごはんの食べ方(笑)この方、私は世代的にドラマのちょい役の嫌な刑事とか上司とか、あとはプライベートでのスキャンダルとかそういうイメージしかなかったのですがすごい役者さんなんだなと初めてその演技力の高さを知りました。あとは昨今、再ブレイク的にいろんな映画やドラマに引っ張りだこの安藤政信がめちゃくちゃ怖いハマり役でした。でも、役柄がボロアパートに住んでる感じならもうちょい清潔感がない服装や髪型、無精髭などやった方が良かったかなと。そういう系は中村獅童あたりがやると最高ですよね。安藤政信がやるとオシャレパーマだしかっこいいからタワマンでシャンパン片手にDVって感じに見えてしまいました。あとは同じく最近いろんな作品に引っ張りだこの酒匂芳さんも出ており、この方も直近でドラマ「アンメット」や「燕は戻ってこない」で異なる役柄の強烈な悪役をそれぞれ演じていたのですが今作では主人公家族を支え寄り添う医師役でこれまた本当に最近見た作品とは別人のようでびっくり。声色や表情などを巧みに操れるカメレオン俳優だなーとその演技力のすごさにさらに惹かれました。内容がこれだけ素晴らしいにも関わらず気になったのは公開されてる劇場の少なさ。私の住む近辺では平日日中に仕事してたら見れないような昼間や夕方の時間帯しかやらなかったり、極端に公開期間が短かったりしました。なんとか夜やってる劇場に時間かけて行きましたがそこでも極端に公開期間は短かった。ぶっちゃけ同じ期間に公開されてる某発明系家族モノ作品よりもこの作品の方がもっともっと宣伝されるべきなのではないかと思います。でもやっぱりその辺はめちゃくちゃ売れてる人や大手事務所が絡んでるなどのスポンサーなどの関係があるのでしょうね。そういった大人の事情だけで大規模公開されるのではなくちゃんと映画の中身で評価して大規模公開されるようになってほしいなと思いました。現時点であまり注目されずヒットもしてないぽいので後々、サブスク等で配信されてから評価が高まる作品なのかなと思います。ちょっと重めのテーマの邦画や日本の最近のドラマなど好きな方にはハマる作品かと思うのでぜひチェックしてみてください。