「工夫した疑似家族もの」かくしごと naichinさんの映画レビュー(感想・評価)
工夫した疑似家族もの
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認知症の父の介護の為に、田舎の実家に帰って来た千紗子。ある日、事故で記憶喪失になった少年と出会うが、彼が虐待にあっていた事を知り、放っておけず自分が母と偽り、父との三人の生活が始まる。
ちょっと変わった疑似家族もの。父も認知症で自分の事を覚えてなく、そこも疑似的な家族になっているのが面白い。また、奥田瑛二さんが見事だ。認知症の勉強になる。
杏さんがキャリアウーマンから母親の顔に変わるのも見事。
認知症と虐待、2つの問題に切り込んだ作品。
作中、誰もが何かしらの嘘をついている。
1つの嘘を付いたために嘘を重ねたり、明らかに無理で破綻が待っている嘘を付いたり、しかし嘘を信じ込む事で救われる事もある。
千紗子がついた嘘は明らかに無理があり、後には全てが崩壊する事が分かっている。しかし、だからこそ、子供の心も救えたし、自分や父親との関係も見直せた。もっと良い方法がなかったものかと思うけど。
スパッと終わるラストは好み!
#かくしごと
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