ネネ エトワールに憧れてのレビュー・感想・評価
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懐かしい‼️ 昭和スポ魂エトワール⁉️
黒人労働者階級からオペラ座のエトワールを目指す少女が、様々な試練を乗り越える為に、必死に努力し続け、エトワールになって行くという王道スポ魂ストーリー。
妬みや嫉妬というお決りパターンの嫌がらせの応酬どころか、教師達からは「人種差別」という偏見迄押し付けられて、身の置き所を失くしたネネへ、思わぬ理解者の登場と、遂にどの教師からもネネの真面目で健気な努力が認められて、エトワールデビューへの道が、開かれる。
一昔前の名作映画「フラッシュダンス」を思い浮かべる方も多いかと。
真正昭和スポ魂映画誕生!!
熱烈なエトワールへの憧れと一途な努力の果てに掴むエトワール!!
努力すれど中々報われ難い、遥かに多くを求められる現代社会であっても、「努力は必ず報われる」を地で行く奇蹟のストーリー!!
努力の価値をまざまざと見せられて、希望が見えて来る、現実に向き合い続ける勇気を貰える、久々に胸がスカッとする映画です!!
夢と現実と
エトワール。パリ・オペラ座バレエ団の最高位のダンサー。それになることに憧れ、オペラ座バレエ団の学校に才能で入学した12歳のネネ。周囲の子供達と違うのはネネが黒人系だったことだ。
最初は明るかったネネが段々と固くなる。差別や侮辱に相手をロッカーに押し付ける。この時のネネの顔は怒りに歪んではおらず相手を怒鳴りもしない。恐らくだが生まれて12年のうちに日常的に差別を受けてきた。珍しいことではなかったから相手を真っ直ぐに見つめていた。しかし自分の実力を周囲は分かっているはずなのにまず肌の色で見られる。無言で自分の肌に粉をかける様子に苦しくなる。
白人がよかった。
無理と分かりながら親に訴える姿はやはり子供だ。やがて校長の過去が、黒人系の血が流れるという名前すら変えて隠していたことが公になる。それがどれだけの重さを持つのか日本人の私には分からない。校長は入学させるかどうかの時点で反対し、その後も騒ぎを起こしたネネを学校から去らせようとする。ネネを考えると自分の秘密が知られてしまうと感じてしまっていたのか。
多分片方のカラーコンタクトが外れた顔を鏡で見た校長が自分の存在をはっきりと意識し涙したこと、顔に傷を負ったことがネネを受け入れさせたのだろうが、その心理描写が弱くて分かりづらいのが残念。
ただラストでネネが踊ったのは「白鳥の湖」。オデット姫だ。現実を考えると教師陣の会話にもあったようにニューヨーク以外のバレエ団では難しいのだろう。踊る途中で物語が終わったのは未来に託す思いのように感じた。
差別はどの国にもある。だが多民族が暮らすフランスの現状を理解するのは、勿論第一に私の勉強不足だが、日本で暮らす日本人には伝わりにくいだろうと思わざるを得なかった。
バレエに対してリスペクトのない人物は、何を演じさせても心を動かせないと思う
2024.11.8 字幕 イオンシネマ京都桂川
2022年のフランス映画(96分、G)
エトワールに憧れる黒人の少女を描いたバレエ映画
監督&脚本はラムジ・ベン・スリマン
原題の『Neneh Superstar』は「ネネはスーパースター」という意味で、劇中で父から娘に当てられた手紙の文言
物語の舞台は、フランスのパリ
12歳の少女ネネ=ファンタ・シャオレ(オウミ・ブルーニ・ギャレル)は、父フレッド(スティーヴ・ティアンチュー)の協力を経て、憧れのエトワール、マリアンヌ・ヴィラージュ(マイウェン)が校長を務めるオペラ座バレエ校の入試を受けることになった
試験の演技を経て、マリアンヌは難色を示すものの、他の審査員は才能を認めて入学を許可した
物語は、バレエ学校の生徒となったネネが白人の生徒たちと一緒に授業に向かう様子が描かれ、そこであからさまな人種差別を受ける様子が描かれていく
とは言え、ネネ自身の素行の悪さも相まっていて、人種差別なのか、単なる育ちの悪さに嫌気が差しているのかわからない感じになっている
教師にタメ口を使い、出来もしないのに率先してアピールして呆れさせる
慢心と表現されていたが、どちらかと言えば自信過剰で、実力も伴っていないのにしゃしゃり出て教室の雰囲気を悪くさせているだけのような気がする
マリアンヌは断固としてネネの否定派だったが、その理由はが「彼女の活躍が多様性の支持になって目立つから」みたいな感じになっているのがよくわからなかった
演目選びにも白人が主人公の物語にこだわり、練習でもあからさまに無視をする
その行動が生徒の言動を肯定することに繋がり事件へと発展していく
物語の大枠を見ていくと、多様性の主張というものが捻じ曲がっている感じがして、才能あれば行動には目を瞑るという価値観がネネを支えているように見える
教師に敬意を払うことももちろんだが、同級生へのリスペクトもないし、作品やオペラ、バレエの歴史にすらそう言ったものを持ち合わせていない
それが12歳の精神性だと言われればそれまでだが、わざわざ波風を立てるような業界に来てゴリ押しするよりは、バレエとヒップホップを融合した新しいカルチャーで世の出た方が良いように思える
ネネがエトワールに憧れる理由は希薄で、部屋にポスターが貼ってあるぐらいしかわからない
マリアンヌが憧れだとしても、彼女にすら敬意を示さないのは意味不明に思える
後半に明かされるマリアンヌの出自問題を考えれば、彼女がネネの良き理解者であるはずなのだが、そう言った人でも立場が変われば人種差別を平気で行うということなのだろうか
自分の味わった苦労をさせたくないという感じにも思えないので、全体的にキャラがブレブレになっているように思えた
いずれにせよ、白雪姫を誰が演じようが問題ないと思うが、その物語の精神性を理解し、観客に伝えられる才能があれば良いと思う
逆境に対して、白人に生まれたかったとネネは言うが、白人だからと言って差別されないわけではない
彼女の家庭がそのまま白人家族だとしても、彼女の素行に教師は苛立つし、底辺階級として見下されて、富裕層の子息からはキツく当たられるだろう
その辺りを踏まえて、誰が味方で誰が敵であるのかを設定として整え、変化するのが主人公である、と言う基本に忠実だった方がわかりやすい
ネネの本音を知ってマリアンヌが変わると言うのであれば、マリアンヌ目線で物語を作る必要があり、そうなるとタイトルからすべて変えなければならないのではないだろうか
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