ネネ エトワールに憧れてのレビュー・感想・評価
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立派すぎるお父さん
人種差別や才能への嫉妬に苦悩しながらもパリ・オペラ座の最高位エトワールを目指すアフリカ系少女ネネの奮闘。現実のバレエ団には黒人のエトワールがすでに存在しており、特定の実在人物がモデルでないものの、彼らがこれまで受けてきた人種差別問題を公にした事が作劇の発端になっていると思われる。
人種差別や身体的差別、身分差別などを描く映画は、アメリカと並ぶ移民大国フランスの十八番だが、フランス映画のそうした描写はアメリカのそれよりも露骨で分かりやすいものが多い気が。貧困層のアルジェリア系少女がディオールのお針子を目指す『オートクチュール』も、周囲の彼女への虐め描写が呆れるほど『ガラスの仮面』チックだった。
正直本作もクラスメートの嫌がらせや、学校長マリアンヌのネチネチした態度が少女漫画レベル。奔放で協調性に欠けるネネの性格も反発を受ける一因かもしれないが、にしても…な展開。まあそうした虐めは現実にあったという裏返しなのだろうけど、転結パートでのマリアンヌの秘密を含めた虐めた側の変化も唐突すぎて、無理やり話を畳んだとしか思えず。
救いは「黒人に生まれなければよかった」と出自を恨む娘を窘める事なく、ひたすら応援する両親。特にお父さんは立派。そして何よりもネネ役の少女の身体能力が素晴らしい。ただあれだけのダンススキルがあるのなら、そんなにバレリーナにこだわらなくてもいいのではと思わなくもない。そもそも、彼女のマリアンヌへの憧憬があんまり感じられなかったのが本作最大のツッコミどころかと。
ま、それでも主人公の少女にまるで感情移入できなかった『オートクチュール』よりはマシだったかな。
ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜...
ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024)
差別そして才能への僻み妬みで苦しむも大好きなダンスを通して少女ネネそして周囲の友達、先生、両親も成長していく今回のフランス映画祭では今のところ1番王道でポピュラーな作品であった。
バレエスクールが舞台となるが、直近鑑賞したレッドシューズに比べるとバレエシーンははるかに少なくあくまで差別や妬み僻みと戦い成長していく事にスポットを終始当てていく。
個人的にはどんなに辛い事があっても踊る事が好きという純粋な気持ち一心で真っ直ぐ歩いてきたネネが、そんな大好きな踊る事で不公平な扱いを受け糸が切れてしまった瞬間の切なさがとても印象的でありグッときた。
もう少し校長の過去は知りたかった。同じ境遇で生きてきて気持ちが分かるのにネネに対してあの様な態度を取り続け手紙一つで変わったのは少しあっさりしていてついていけず。
監督が来日できずQ&Aはなし。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
5 ARGYLLE/アーガイル 4.7
6 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
7 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
8 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
9 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
10 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
11 アクアマン/失われた王国 4.5
12 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
13 異人たち 3.7
14 ミツバチと私 3.6
15 ブリックレイヤー 3.5
16 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
17 12日の殺人 3.3
18 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
19 コヴェナント/約束の救出 3.0
20 僕らの世界が交わるまで3.0
21 ストリートダンサー 3.0
22 カラーパープル 2.9
23 弟は僕のヒーロー 2.8
24 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
25 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
26 関心領域 2.6
27 ジャンプ、ダーリン 2.5
28 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
29 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
30 マダム・ウェブ 2.3
31 落下の解剖学 2.3
32 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
33 哀れなるものたち 2.3
34 DOGMAN ドッグマン 2.2
35 パスト ライブス/再会 2.2
36 ボーはおそれている 2.2
37 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
38 瞳をとじて 2.2
39 ゴースト・トロピック 2.2
40 葬送のカーネーション 2.2
41 Here ヒア 2.1
42 ハンテッド 狩られる夜 2.0
43 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
44 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
45 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
46 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
47 VESPER/ヴェスパー 1.5
48 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
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