「無共感」コンセント 同意 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
無共感
14歳の少女と50歳の初老の作家との禁断の愛のお話といえばいくらか聞こえがいいんですが、思いっきり未成年に手かけてますやんというところに引き込まれたので鑑賞。
胸糞ムービーっちゃ胸糞なんですが、なんか登場人物たちの考えや行動が無鉄砲すぎるところがあって、リアルでもしっかりこんな感じだったんだろうなとなってエンタメとしてうまいこと咀嚼できずじまいだったなとなりました。
ヴァネッサが荒みに荒まくっていくのが言い方はアレですが面白くて、どんどん態度も悪くなっていくし、自主退学を勧められるレベルでの素行の悪さで生活してるという阿呆っぷり。
果てには関わってきた人を小馬鹿にしたり、ガッツリタバコを吸いまくるしで悪さが目立ち、タバコを吸うシーンでこんなに腹立った経験が無いのでとても新鮮でした。
被害者のはずなのに、酷い目に合ってもまぁそうなるよなという変な納得感があったのが不思議なところです。
あと役者さんは流石に成人していたので安心と納得がありました。流石に14には見えないなと思っていたので。
ガブリエルはいいとこ無しの真っ当なクズ人間で、なんか上手い事言いくるめれる様な年頃の少女しか狙ってないのを大口叩いてロリコンを正当化しているところはとっても気持ち悪かったです。
嫉妬の感情をいい歳こいて撒き散らしていて、それでいて著書にはあたかも自分が少女たちに苦労しているかの様に記載しているので、なんなのコイツー!って怒りながら観ていました。
母親もなんだかだらしない人で、ヴァネッサを守るという行動をとるわけでもなく、かといって放りっぱなしではなく雑に干渉してきたりと、親としての接し方が下手だなぁと親でも無い自分ですら思ってしまったので、ヴァネッサが誇張して書いたものかもしれませんが、おおかたこの様な感じで育てられたら反抗してしまうのも考えものかもしれません。
終盤に出てきたジャーナリストの発言が的を得ていて、いやほんとその通りだよなとやっとこさ共感できる人が出てきて安心してたらあっという間に終わっていきました。
文学と名乗れば悪でも社会的にアウトな行為でも許容されるという中々にエグい様式がぶち込まれるので、そんなのありかよーと何度も思い、でもそれが罷り通っているからガブリエルはのうのうと生活できて名声も得れているんだよなと変な納得感とモヤモヤが同居していました。
終盤は流れる様に年代を飛ばして、16歳になって18歳になって、そこから現代まで飛んで告発本を出版するという流れになるので一瞬置いてかれますが、この期間の間ヴァネッサはどの様に過ごしていたんだろう、ガブリエルはあのまま過ごしていたのかなどなど細かく気になるところはありつつも、そこは原作を読んでくれって事なのかなと解釈しました。
全く共感できないお話で、完全他人事として観れたのは良かったです。
生々しさというよりかは人の愚かさが全面的に出ていたほろ苦い作品だなーという印象でした。
鑑賞日 8/8
鑑賞時間 10:15〜12:20
座席 I-3