劇場公開日 2024年7月12日

クレオの夏休みのレビュー・感想・評価

全31件中、1~20件目を表示

5.0子どもの目線を徹底して描いた傑作

2024年7月31日
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鑑賞方法:映画館

なんてすばらしい映画だ。鑑賞中、5歳の女の子に観客を完全に同化させるような、見事な視点。パリで父親と2人家族のクレオは、カーボベルデ出身のナニー、グロリアを母親のように慕っているが、彼女が祖国に帰国しないといけなくなる。すると、夏休みの間だけクレオはカーボベルデのグロリア宅に遊びに行くことになる。
カーボベルデの家では、グロリアの実の子どもたちが暮らしている。出稼ぎで何年も母親と離れていた子どもの一人は、白人のクレオに冷たくあたる。グロリアの長女が出産すると、彼女は赤ん坊につきっきりとなり、クレオは大切な人を奪われた気持ちになっていく。
近接のクローズアップとスタンダードサイズの狭い画角がすごく効いている。5歳の子どもの小さな世界、低い視線から見える視界の狭さを体感させる。グロリア役のイルサ・モレノ・ゼーゴは、実際にカーボベルデ出身でフランスでナニーをしていたらしい。大変素晴らしい演技を見せてくれた。
陽光きらめくカーボベルデの海岸も美しかった。忘れられないショットがたくさんある宝石のような美しい映画。

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杉本穂高

4.0演技未経験の5歳少女のみずみずしくも心に触れる表情に惹き込まれる

2024年7月12日
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鑑賞方法:試写会

83分の小品でありながら、少女クレオと島国出身の乳母グロリアが交わす深い絆に心奪われずにいられない。二人の間にはスクリーンで仰ぎ見るに値する特別な化学反応がある。それこそ眼科検診で見せるクレオの弾けるような天真爛漫な言動と、それを懐深く抱きしめるグロリアの愛情をはじめ、全ての場面が瑞々しく我々の体内へと伝わり、忘れがたい思い出となって蓄積されていくかのよう。人の死や故郷に残す子供のことなど、クレオにはまだ理解しづらい事情は多い。だが一方で、我々は本作を通じて、クレオの中でどんな感情が渦巻いているのかについて窺い知ることが可能だ。思えば本作では誰もが「母の不在」に直面している。その痛みを受け止め、寄り添いあい、またひとつ成長していく。幼いながらゆるやかな気づきに至る主演ルイーズの表情が素晴らしく、時折挟み込まれるアニメーションもまた、遠い記憶から聞こえる優しい呼び声のように温もり一杯に響く。

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牛津厚信

オジサンの夏休みに観る

2024年8月25日
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鑑賞方法:映画館

 ああ、僕は疲れて気が弱っているのかなぁ、それとも歳のせいなのかなぁ。丁寧に撮られたこんな繊細なお話を観ると素直にウルウル来てしまいました。

 母を亡くして父とパリで暮らす6歳のクレオは、アフリカから来た乳母のグロリアが大好きです。ところが、そのグロリアが故郷に帰ってしまったので寂しく、ひと夏だけグロリアの島で過ごさせてもらうと言うお話です。

 もう、このクレオがとにかく可愛いのです。大好きな人とずっと一緒に居たい、一人占めしたいという幼い思いがそのまま素直に記録されています。それは勿論脚本に基づくストーリーなのでしょうが、僕には幼い女の子の日常を捉えたドキュメンタリーに思えました。日本の映画では子供が出て来る映画は「上手い子役だなぁ」と思うのですが、外国の映画では「どうしてこんなに自然なのだろう」といつも思います。子供の撮り方のどこが違うのでしょう。

 それほどにありのままの子供の姿が映っているので、

 「ああ、子供はやっぱり誰かに守られてる安心感が欲しいんだなぁ」
 「クレオは大きくなってからもう一度この島を訪れたのかなぁ」
 「こんなにも豊かな思い出は人間を形作る大きな柱の一本になっただろうな」

と様々な思いが広がりました。物語の途中でふいに挿入されるアニメーションが独特の優しさを増幅します。

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La Strada

4.0揺れ動く子供心を静かに描く

2024年8月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

まるでドキュメンタリー映画のように、クレオとグロリア達の夏の日々を静かに観る。
時折、挿入されるアニメーションが、これは創作なのだと思い出させてくれる。

徹底的に、一人の子供の心の動きにフォーカスした作品。
世界はクレオを中心に回っているようだ。
我々は、1人の少女の動きと、声と、表情と、アニメーションを通じて、彼女の心に徐々にシンクロしていく。もう遠い昔になってしまって、断片的にしか残っていない記憶を呼び覚まされるように。

育ての親への恋慕、独占できなくなった愛情、疎外感、嫉妬、行き場の無い怒り、突然表に出てきた亡き実母への想い、そして別れの覚悟。
5歳半の子供の中で、こんなにも複雑で豊かな感情が渦巻いている。
ルイーズ・モーロワ=パンザニの表現力に目を奪われる。
そして、実写映像や言葉で表現しきれない子供の心象風景を、島に吹き付ける強い風や独特のアニメーションで表現するという演出手法に唸らされる。

アフリカの離島で過ごした夏。旅立ちのため空港へ向かう車の中で、グロリアが映る。クレオの視点から徐々に遠ざかり、大人の視点に戻っていく。
抱擁の後、2人はお互い覚悟をしていたかのように静かに離れていく。
監督が最後に撮ったのは、クレオではなく、グロリアの涙であり、愛情を注いでくれた自らの乳母へのメッセージだった。
このラストシーンの演出が素晴らしい。
私は、子供から大人に戻り、クレオと過ごした日々を振り返る。そこに、何か言いようのない、純粋で、もう取り戻すことのできない哀愁に満ちたものを感じた。

静かな余韻の残る作品だった。

(2024年映画館鑑賞21作目)

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TS

4.0クレオの心情に大いに共感!

2024年8月17日
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鑑賞方法:映画館

クレオの心情、感情の揺れうごきを、クレオの表情や時折差し込まれる
アニメーションを通して、リアルに描き出していて、
思わずクレオに感情移入できてします、秀逸な作品だと思います。

冒頭、クレオの乳母であるグロリアとの関係性、つまりはクレオのグロリアに対する
絶大な信頼感と愛情を描き、
それからクレオの周囲の環境にコンフリクトが起きていき、物語が進行していきます。

グロリアの母親が亡くなり、グロリアは帰国を余儀なくされるわけですが、
クレオはグロリアの母国まで会いにいくんですね。
グロリアと共に暮らす男の子セザールは、クレオにグロリアにとられたように感じ、
クレオに冷たく接する。
グロリアの娘ナンダに息子が生まれると、今度はクレオがその赤ちゃんに猛烈に嫉妬する。
「死ね」とまで言わしめるんですよ、クレオに。
その猛烈且つ屈託のない嫉妬心が描き出された時、この年代の子どもには当然に起こり得る感情であることを
観客は理解すると思うんですね。

クレオの母国において置かれている環境は、母を癌で亡くしている、シングルファザーの父親は忙しくしているため
乳母(家政婦?)が必要、でも父親もクレオを愛しているので、すごくかわいがっているんですね。
でも、クレオにとっては常に側にいてくれたグロリアが絶対的な存在なわけです。
ここを認識しておく必要がありますね。

クレオはグロリアの母国であるアフリカで様々な体験&感情の機微を通して、ある意味逞しく成長していきます。
そして、グロリアとの別れを意識したときに、ひと皮むけるというか、大人の階段を登り始めたと思うんですね。
アフリカ滞在中に、決定的な文化の違い、住んでいる世界の違い、そういうことに気づかさざるを得ない環境に置かれ
クレオはグロリアとの別れを決定的に認識したのだと思います。
このあたりが実に切なく苦しいのですが、別れは誰にでもやってくる。それをクレオの純粋な気持ちと表情にのせて伝えている
この作品、ただものではないと思いました。

猛烈に切ないラストシーンもこの映画のクオリティを格段に上げていると思います。
終始没入することができた稀有な作品。
ぜひ、多くの方に鑑賞いただきたいですね。

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ひでちゃぴん

3.5可愛い子には旅をさせちゃった

2024年8月17日
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鑑賞方法:映画館

萌える

もじゃもじゃ頭のメガネっ子で歯も生えそろわない6歳のクレオちゃんのプロモーションビデオである(大意)。はじける笑顔に崩れる泣き顔、小動物のような動きだけでこちらがニヤけてしまう可愛らしさは反則。ひとつ隣の座席の高齢女性は開始早々からうふふと笑っていたし、オレにしたって大泉逸郎のヒット曲が思い浮かぶ始末(孫、いないけど)。

乳母である黒人女性グロリアとの擬似母子関係をテーマに、フランスとグロリアの故郷との生活の違いや経済格差も薄っすら出しつつの、クレオちゃんひと夏の冒険という話だが、たいしたことも酷いことも起こらないので、孫を見守るつもりの高齢者でも安心して鑑賞できる。

ちなみに、途中のグロリアの発言で気づくまで、しばらくクレオは男の子だと思っていた…。

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ジョンスペ

3.0クリオの成長物語

2024年8月17日
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鑑賞方法:映画館

単純

知的

フランスのパリで父親と暮らす6歳のクレオは、家政婦兼ベビーシッターのグロリアのことが大好きだった。ところがある日、グロリアは母の死と娘の妊娠のため、遠く離れた故郷アフリカ・カーボベルデの島へ帰ることになった。戸惑い悲しむクレオを、グロリアはアフリカの家に招待すると約束した。そして夏休み、クレオはグロリアとの再会のため、ひとりでフランスからアフリカへ向けて旅に出た。カーボベルデでグロリアの娘が出産し、息子と海に飛び込んだり、貴重な経験をしたひと夏の話。

最初、クレオが男の子だと思ってたが、スカートはいてるシーンから、女の子?と思い出して、父から、娘、という発言が有って初めて、女の子だったんだ、って納得した。
アフリカからフランスに出稼ぎに来てたグロリアの家庭も決して平穏だったわけじゃなく、特に息子は自分たちを放り出して外国へ行ってしまった母親に対し憎しみを持っていた様子など、主人公だけじゃない周りの人たちの心情が描かれてたのは素晴らしいと思った。
クレオもあんな崖から海に飛び込める勇気を持てるようになったのは素晴らしい成長だと思った。
おねしょしてもその後を描かないのも観てる人に委ねるというフランス映画らしいな、って思った。
クレオ役のルイーズ・モーロワ=パンザニが撮影当時5歳半だったそうだが、なかなか自然で表情豊かな素晴らしい演技だった。

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りあの

4.0あの頃の自分に

2024年8月11日
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泣ける

幸せ

フランスで乳母と父と暮らす少女が、アフリカへ帰ることとなった乳母に会いに行き…短きひと夏の経験を通し成長する物語。

自分だけのものだと思っていた乳母のグロリアにも家族がおり…更に産まれた赤ちゃん。

それは私の歌…う〜ん。。

あらゆる場面から、自分の子供時代も思い出してしまいますね。時には知らぬ子の面倒を見なくてはならないセザールの立場だったり…また時には何となくセザールについていくしかないクレオの立場だったり。

色々思い出すなぁ〜(涙)

嫌々ながらもクレオを放置はしないセザールにはグッとさせられました。そして悪霊さんに囁くクレオ…子どもゆえの過ちか。

登場人物は皆素敵でした。お父さんもクレオをちゃんと可愛がるし、何よりグロリアの懐の深さ。あの場面でも優しく抱きしめ…本当の娘だと思っているんだなぁ。

終始暖かな気持ちになれる作品ですが、それを作っているのは恐るべきクレオ役の子の演技力!!

…というか、演技力というよりホントに自然体なんですよね。こんなに没入させられるのは中々ないかも。

約80分という短めの尺にも関わらず、とても優しい気持ちにさせられ、幼き日の気持ちを呼び起こしてくれる素敵な作品だった。

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MAR

3.0ヤキモチ妬きのアラレちゃん

2024年8月11日
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可愛らしい子供のいじらしい気持ちに泣けちゃう映画かと勝手に思い込んでいたら割と強めな心理的ホラーでした😭
子どもの独占欲ってタチが悪い💦

【疑問】
グロリアの涙の意味は?全然感情がわからん…

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らまんば

4.5𓆉‎

2024年8月7日
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鑑賞方法:映画館

幼いクレオの揺れる気持ちが上手に描かれていると感じた。
音楽にフランス映画っぽさがでてて素敵。泣いた。

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やきたまご

5.0フランスの6歳の女の子。実母は病で他界し、乳母に育てられ。 その乳...

2024年7月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

フランスの6歳の女の子。実母は病で他界し、乳母に育てられ。
その乳母が、身内の不幸で郷里に戻らざるを得なくなり。
また会いたいと、乳母の郷里 : カーボベルデ(アフリカの西の島国)に夏休みを過ごしに行く様子。

乳母の実際の家族と、打ち解けたり気まずかったり
ご当地ならではの生活の営み
子供ならではの良いこと悪いこと、ちゃんと叱ってる様子
現地の人々との、心の距離感が徐々に縮まる様子
夏休みの終わり、空港見送りでは、クレオお嬢ちゃんよりも、乳母グロリアさんのほうが号泣
etc...

かつて子供のころに、遠出したり、親戚が来たりして、心当たりがあるような
他人ごとに見えない、瑞々しい、温度や湿度まで伝わってくるかのような素敵な映像でした。

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woodstock

4.0ドキュメンタリーみたいに自然

2024年7月24日
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鑑賞方法:映画館

6歳の少女 クレオと 大好きな乳母グロリアの
血のつながりを超えた愛の絆を描いたヒューマンドラマ。

主人公クレオ役の少女、
ルイーズ・モーロワ=パンザニちゃんが、
撮影当時5歳半の演技未経験というのに衝撃!
上手すぎる!というより、自然すぎて、
ドキュメンタリーかと思うほど…
と思っていたら、グロリアさんも実際のナニーだそうで、
ほぉ~これは、監督や撮影スタッフの演出や環境づくりも
相当に素晴らしかったのだろうなぁ、と思いました。

また、宿泊施設の経営という夢のために、フランスへナニーとして出稼ぎに、
自身の子どもは母親に任せざる負えなかったグロリア、
フランスとアフリカの島国の貧富の差も描かれており、
余計にドキュメンタリーのようにも感じられました。

ただ、ところどころ挿入されるアニメーションが独特で、
それにより、あぁ、ノンフィクションの映画作品だった!と、
気付かされる場面でもありました。

もう、とにかく、クレオが魅力的で、ずっと笑顔で見ていられたし、
お母さんのように過ごして、自分だけを見ていてくれていた
グロリアの感心が生まれたばかりの孫に向けられたことのヤキモチで、
イジワルしちゃって、モヤモヤな気持ちで、海に飛び込んじゃう、うん、判るよ!
(息子も同じようにクレオにイジワルしてたね)
でも、きちんとゴメンナサイできたから、大丈夫!
そんなクレオのひと夏の出来事を見守りながら、
アフリカの海辺の街の美しい風景も同時に楽しめました。

やさしい~作品です。

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hkr21

4.0Lucent

2024年7月24日
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子供の夏休みを切り取った可愛らしい作品でした。

幼い頃に大切な人と会えるけどすぐには会えないという唯一無二の別れをクレオは経験しているというのは本当に大きいだろうなと思いました。
それだけ惹きつけてくれるグロリアの包容力もまた凄いんだろうなと2人がじゃれあっているところは微笑みながら見ていました。

「リトル・エッラ」のようなクソガキムーヴ(まだ幼いとはいえ)はやはり癪に触りましたが、家族ではない人間を5歳の頃からしっかり愛せるという感情を持ってるのは凄いよなと同じ場所で感心もできますし、苦い顔もできたりするしで不思議な感じでした。
姉弟との関係性がサラッと良くなるところはちょっとご都合的なものを感じてしまいました。
姉は追い出してやってもいい判断くらいしていいのになとも思ってしまいました。

主演の子とグロリアを演じた方は今作が初演技という嘘のような本当の話で、クレオのあの感情表現の豊かさには度肝を抜かれました。
あんなに熱の入った泣きの演技が見られるだけでも今作を観る価値は間違いなくあります。

一夏に味わえる淡い切ないオシャレな映画でした。普段触れることの少ないジャンルですが、上映時間も短いのでタイミング合えばオススメしたい1本です。

鑑賞日 7/22
鑑賞時間 18:30〜20:00
座席 C-10

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ブレミン

3.5セザールの気持ちだけ

2024年7月23日
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泣ける

幸せ

感謝してよってずっと今まで我慢し続けてる気持ちなのかな⁈国も違うしアフリカではどのあたりの階級家庭なのかもわからなかったまぁでもフランス映画!ラストシーンだけは⭐️五つ。
グロリア泣いてくれてありがとう

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たん

5.0絶対、監督の自伝的記憶入ってると思ったら、乳母に捧ぐとあった。映像...

2024年7月22日
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鑑賞方法:映画館

絶対、監督の自伝的記憶入ってると思ったら、乳母に捧ぐとあった。映像も挿入される、精神分析的な絵や映像も美しく心を揺さぶる。
最後に乳母はクールに振り返って別れるので、彼女にとってクレオはそんなに大事な存在ではないのかなと思ったら、激しく泣くシーンは感動的だった。それは、監督にとっての欲望でもあるのか。
クレオにとっての乳母の存在のあり方は過酷だ。突然の別れが来るし、当然グロリアには、大事な家族がいる。きょうだいでさえ、新たなメンバーは敵対と嫉妬の対象なのに、このシチュエーションはきつい。グロリアはある意味、暴力的だけれど、でも、クレオの後の人生にとって、この夏休みの経験は忘れがたいものになっていたことがわかる。赤ん坊への儀式を迷信と言い放つグロリアそのものが2つの文化の中で引き裂かれている。
この映画はケアのグローバル化というものを映像として描き出しているのである。
海に飛び込むシーンも感動的だ。クレオは少しずつ大人になっていく。現地の少年たちの通過儀礼は、クレオにとってもそのように機能する。
とても心を強く揺さぶられる映画だった。愛着あるものから離れていくときの感情。

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えみり

4.0純粋な子供心

2024年7月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

幸せ

クレオのただひたすら純粋な心も美しいし、母がフランスに出稼ぎに行っている間寂しかったであろう兄弟の気持ちもわかるし、大人も生活していかなければならない以上抱えなければならない事情がある。
子供の持つ危うさ、出会いと別れを通して成長していく姿が描かれていて見応えがあった。

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つむり

2.5もっと優しい話が観たかった

2024年7月20日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞181本目。
大好きだった乳母が国に帰り、どうしても会いたいと駄々をこねるクレオちゃんを一人でフランスからアフリカへ行かせて乳母のところで夏休みを過ごす話。
お父さんよっぽどクレオちゃんウザかったのかな。乳母のグロリアの家族や知人はおおむね空気を読まずに来たクレオに冷たい。クレオはクレオでグロリア好きさに結構無茶をして、子供特有の考えのなさというか無邪気というか、そういう危ういところも見せてきてなんだこの映画、全然優しくなくない?予告の時からそんな雰囲気出してましたがそのままでした。

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ガゾーサ

4.5何本かぶりに心和らぐような鑑賞時間だった

2024年7月17日
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幼い感情は遠慮とは無縁だ。
握り締めた果実からいくつもの香りと果汁がはじけるような奔放な眼差しになん度も心を掴まれ、あるいはそれとは違った自分の幼少期を頭の片隅に思いうかべながら観た。

乳母グロリアに守られたパリでの暮らしとグロリアの故郷アフリカで過ごす夏休みのクレオ。

大好きな乳母を独占できなくなるクレオに目線をあわせていると、そこには母の不在を過ごしていた娘や息子の内なる気持ちがもやりと渦巻くのがわかる。
〝経済的〟な実情の示唆はさらりと皮肉的だ。
あんなに明るく愛情深く振る舞うグロリアとまわりの葛藤が伝わる。
そして文化や風土、風習が年月をかけ色付けする〝パリでは見えなかった〟グロリアという女性が形成されてきた道のりのようなものをリアルに感じとるのだ。

幼くして母を失ったクリオが本能的に求める愛、大切な人の不在にまだ理解もできないであろう自分を弄ぶ奥底の感情がアニメーションによって表されるとすこし切ない。

でも、そんな切ないこともある人生をどうかたくましく生きてと祈り、やがて胸のなかでそれが命やまわりへの感謝に変わる日がちゃんと訪れることを願いたくなるのは、グロリアの存在感があるからなのだろう。

じりっと照らす灼熱の太陽の光と木陰から抜けるいたわりの風。
そのなかに、まだまだ無邪気なクレオにも、彼女とそう変わらない年のグロリアの息子にも、とても若いママになった娘にも何かがすこしずつ動いたのが見えた。

成長期のこどもにとって傍らでそっと支えてくれる人の存在がもたらすものがどれだけ大切なのか。
その温度を知った〝心〟は、きっと生きていく上でいつも自分自身に寄り添い続ける力になるのだということを私は信じたい。

誤字修正済み

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hum

3.5クレオがとにかく可愛くて、 グロリアがとにかく優しかった

2024年7月16日
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クレオがとにかく可愛くて、

グロリアがとにかく優しかった

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jung