ありふれた教室のレビュー・感想・評価
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脚本が素晴らしい。
盗みが実際にあったかどうか真実及び犯人を追求するのではなく、それが引き起こした人間模様を描くことを主眼とする。その脚本が素晴らしい。私は映画に溢れる殺人事件には飽き飽きしている。殺人がなくても、十分最後まで観客を引っ張ってくれる。移民者への差別意識が根底にある。トルコ系移民だけなくポーランドからの移民にも、ドイツ人は差別感情を持っているみたいだ。でも、私はそれを攻め気にはならない。日本人だってあるだろう。表面に出ないよう、留意するだけだ。
大丈夫かドイツ?っていうか、これはSNS世界のアナロジーか、、、
口の中に小さじ半分ほどの砂が入ってジャリジャリしているような不快感に包まれながら終始話が進んだ。誰かの血が流れるわけでもないけど、すごく怖い。完全な善人も悪人もいないと思われるのだが、子どもも大人も屈折しまくっている。基本対面世界で、リアルに色々あるのだけど、歯車が狂って意固地になって、、、。ラストシーンも「マジでこうなっちゃうわけ?」と驚かされた。やっぱり、大丈夫なのか?ドイツ。にしても、「ありふれた教室」は「皮肉」な意味と思いたい。日本と違うとしたら、やっぱり「移民受け入れ政策」というベースもあるのかなあ。
役者たちは押し並べて俳優然としていなくて自然でよかった。子ども、みんなかわいかった。見た目は、、、。
教師を無理ゲーにした現代社会
教員不足にクレーマー親などは日本と同じで、どこの国でも先生は今、大変だと思うが、日本にないドイツ的な事情がさらに大変にしている気がする。ドイツで育った移民の子ども、日本ほどガッチリとした各人の机のないオープンスペースの職員室、ジャーナリスト気質高い学校新聞部、生徒の人権尊重、生徒代表を含む対応委員会など。実際、この映画の焦点になる事件も疑われた人が本当にしたのかどうかも最後まで分からない。なさそうでありそうなストーリー。日本でも心を病んだり辞める教師が多いが、現代社会は教師受難の構造が固まっていて、教師稼業はどうしようもない無理ゲーになっている気がする。
原題の直訳は「職員室」。センスある邦題だ
有名な俳優は出演していないし、CG満載のシーンがある訳でもないけれど、最後の最後までドキドキしていた。
正義感を持つことに否定はしないが、過度の正義感は周囲と距離が生まれ、分厚い壁を作ってしまう。バランスって大事だ。
どこの国でも中学生って生意気。可愛げがないなあ。
正義は変化する怖さ
大人の目子どもの目・組織・人種・移民
相互の立場によって正義が変わるのはガザ地区やウクライナを観ていて実感ができる。
遠い話ではなく、至る所に芽があることに気付かされた。
オスカー頑張れ!
教育というあいまいな領域
2022年。イルケル・チャタク監督。ドイツの中学校に赴任してきた若い女性教師が、学校で増えている盗難事件に生徒の一人が疑われたことをきっかけに、罠を仕掛けて犯人を撮影しようとする。実際に犯行が行われて犯人の服装の一部が録画されたが、そこから保護者や生徒を巻き込んで大きな問題に発展していく、という話。
「不寛容政策」という厳しいルールがある学校で、ルールを徹底しようとしながらも素直でない生徒に翻弄されたり、逆に子供を守ろうとして真実を隠さざるをえなかったりする教育者のもやもやをストレートに描く。要するに法や正義は教育とは相容れないところがあるという古いテーマ。現代的なのは、子供の人権が強く意識されるようになっているので、ますます教育者は肩身が狭いということ。
「ちゃんとしなきゃ」と気を張っている主人公の教員は、問題を通して、カウンセラーにハグを求めたり、意見が食い違う教員に助けを求めたりと、自分の弱さを認められるようになるし、賢いけれども母親を庇うために問題を起こす生徒は、その教員と長時間一緒に過ごすことで(無言のままだが)心がほどけていくようになる。他者に寄り添うこと、折り合う場所をみつけていくことを学んでいくあたり、至極まっとうな結論に向かっている教育系映画であるようにみえる。
それにしても、ドイツの学校では、停学期間中に学校に来ると警察沙汰になるのがさも当然であるかのように描かれていることに驚く。
気味の悪さは感じる けどそれを作り出したのは誰なんだ?っていう話しかなぁ
「わが校は不寛容」いきなり始まる犯人探し。
いやいやどうなの、その追及方法って稚拙じゃない?そう感じるのは国を問わずのようで、主人公のノヴァク先生にはシンパシーを感じ、その反面「私には経験がある」と胸を張る校長には「おいおい」とツッコミを入れたくなるし、その後の言動にも共感できない。
なんて初めは思ったんですよ……だけどね、これ、全員揃いも揃って大人は浅はかじゃない。
子供の感性ねじ曲がっちゃうよね、なんかもっと良い解決方法なかったのかなぁと「ボン・ボンッ」みたいに不快な耳障りの音楽と共にモヤモヤばかりが心に広がる。
その一方で子供(大人未満)たちの純粋で視野が狭いが故の無意識な残虐性によってノヴァクの精神も蝕まれて行く。
最後まで陰鬱な気持ちが拭えなかった。
ルービックキューブのシーンは助けには感じられなかったなぁ。
でもテーマとしては考えさせられる、良い視点だったと思います。
世界共通
学校の先生の苦労は世界共通みたいですね
不寛容方式の学校らしいが対応が中途半端で
事態がどんどん悪化してしまう
これって会社でも同じだよなと思ったが
会社はお金で雇われているし上下関係もある
義務教育の学校だと先生は税金から給料をもらうので
生徒や親は言いたいことが言えてしまう・・・
これじゃあ誰も先生になりたがらないよなと思ってしまった
序盤からずっと緊張感が張り詰めた状態で
ある意味ホラーでしたね
AIは時計仕掛けの腐ったオレンジの方程式の夢は見るか。
劇中のセリフ、
うちの学校は不寛容の方式、
と、
意見が違っても団結しないといけない。
風吹き、桶屋が儲かる的にいうと、上記2点のセンテンスがメインプロットかと。
要点だけスピーディーに展開、
音楽も、
ストリングスの
太い音、やや太い音、細い音が、12341234と、リズミカルに響く。
太い音→先生と親の会話、
やや太い音→先生同士の会話、
細い音→先生と子どもの会話、
まるで呼応させているかのように迫ってくる。
大変見やすいエンタメベースの問題提起的作品、
そのスピードに、
何点かブレーキがかかるセリフもあった。
移民、
遺伝、
や、
ノバク先生はグダニスクから、
80年代に越して来た、
とか、
意味のある事を設定として入れるのは良くないとは言わない、
セリフにして観客に聞かせるかどうかは取捨選択は吟味した方がいい。
それと、
不寛容の方式、
ゼロトレランスは、
一般的には非寛容、
不寛容で≒という認識でいいと思う。
が、
未成年が集う学校のようなコミュニティにおいて、
または、
こういう内容の作品、
セリフで、
主張or証明の違いを話し合うような作品では、
例えば、
ゼロトレランスは、
罪に対して厳しく対応する、
厳罰で対応する、
とか、
生徒たちはみかんじゃないんです!
とか、
うちの学校はゼロトレランス方式、
または、
うちの学校は厳罰方式が、
ベストでもベターでもグッドでもないか、、、。
不寛容は、
オスカーにも干渉しない、
に
関係しないか
とか、
性悪説ベースで義務教育を制度設計、
とか
最後まで引っかかった。
いずれにしても、
ストーリーの
展開やラストから、
推察できるのは、
お互いを信頼し合うコミュニティ、
特に義務教育の制度設計のグランドデザインをやり直すのが早いか、
戦火に焼き尽くされるのが早いか、
似たような危機感は世界中の先生の認識
という事だろうか。
じゃあどうすれば良かったの?
まるでサスペンススリラー
そんな事やってるのにそんな特徴的なブラウスですか?とツッコミたくなった 不寛容方式と言いつつも起きたことを掘り起こすばかりで真相は求めていないような気がした
100分以内という上映時間にギッシリ詰まったストーリー、マッチョ+王様みたいな退場には監督のセンスの良さを感じた
このストレス、以前、ドイツ人と仕事をしていた時のことを思い出します
学校で起こった事件に対して、主人公である教師の取った行動が波紋を呼んで、同僚、父兄、生徒を巻き込んで、波紋が広がっている展開に、惹き付けられました。日本のドラマなら、熱血教師に丸め込まれ、最後は悪い子も改心して終わりという感じかも知れませんが、この映画は、エンディングも、容赦なく頑なでした。
以前、ドイツ人のパートナーと仕事をしていたことがあり、その当時のストレスを思い出しました。問題が発生しても、解決を優先し、その為には、みんな我慢しようと話していると、ドイツ人の彼だけが、自分のせいじゃないし、我慢する理由もない。自分にはそれを求める権利があるという主張を曲げず、毎回のように、怒鳴り合いになっていました。
ドイツ人全員がそうだと言うつもりはありませんが、こんな環境の学校で育ったら、あの彼みたいな大人になるわな・・・と妙に納得してしまいました。
ちなみに、そのドイツ人の彼とは、10年ほど、一緒に仕事をしました。最後は、ちゃんと仲良く握手をしましたので、今では、いい思い出です。
目が離せないストーリー
1秒たりとも目が離せない作品で、考え
させられた作品だった。教育のあり方も
考えさせられた作品でもある。
作品は見事。観客に問いかけるストーリー
展開と言えよう。
カーラは正義感でオスカーを守りたかったし、
クラスを守りたかった。しかし、その正義感あふれる行動が生徒、親、同僚に不信感と誤解を
与えてしまう。もし、私がカーラだったらと置き換えて観ると辛い作品でもあった。
作品は素晴らしい。しかし、教育関係者、教師の方、小学生、中学生がいるご家庭の方は全ての事を忘れて鑑賞される事を薦めます。
はて?
普通過ぎて見どころがわかんなかったな😭ただ、日本で起きてる『最近の事情』的なものが日本だけのことではなく世界的に起きてるんだと知ったのは新発見。
今後はもっとZ世代を理解しなきゃなんだろーなー。
先生が着ていた赤い良質のざっくりニットが着心地良さそうだった💕
エビデンスとロウ
あるドイツの小学校で起こった、現金盗難事件の話 あの映像だけで用務員のおばさんが裁判をして有罪となるかは疑問だが… エビデンスも用務員の子供に…
仮に用務員が窃盗をしたとして、子供はドンだけ母親が好きなこと それとも貧乏なことを理解しての行動なのか…(多分母子家庭で子供が持ってきた全ての小遣い銭を考えると…)
あの担任がとった行動は全く間違っていない(盗撮についてもたまたまとしておけば…証拠としては認められるはず日本では)が、田舎独特のソリダリティに巻き込まれた感があった しかし生徒のボイコットや先生どおしのやり取りも民主主義らしさ(ドイツの映画だから❔)があらゆるところにちりばめられていたが、先生もメンタル的にかなりマイっていたと思います(トイレのごみ袋で過呼吸対処するのも圧巻)
先生って大変だ〰️ しかし今の日本で先生に成りたくない(デモしか先生)のは痛いほどわかる内容でした
不寛容(Zero Tolerance)方式
公開1週目のサービスデイ、シネスイッチ銀座の午前回は客入り少なくガラガラです。
99分と決して長くはない作品ですが、終始キリキリとイライラで観終わって非常に疲れます。
生徒は多人種混在で個性も豊かですが、思ったよりも真面目な様子でいわゆる「学級崩壊」というようなことはありません。むしろポイントとなりそうなのは学校側。作品冒頭にて気になるワード「不寛容(Zero Tolerance)方式」が出てきますが、正直よく解っていなかったので鑑賞後すぐにスマホで調べ、Wikipediaのその項目を斜め読み。なるほど。でも、今回はこれを学校教育の現場に取り入れることの是非については度外視しようかと。邦題にある『ありふれた教室』とある通り、どこにでも起こりうるトラブル(事件以前)であり、この方式の採用による問題といった作品ではないと思ったから。ちなみに原題『Das Lehrerzimmer』は「職員室」の意です。
カーラ(レオニー・ベネシュ)は、「教育」に集中させてくれない多忙な状況と次々に発生する揉め事に悩まされながらも、日々真摯に取り組みながら「生徒のため」を考えて良き教育者であることに努めています。普段の授業を観ていても、生徒に対する問題の提起の仕方はよく考えられており、生徒自身に考えさせる機会を与えて押し付けることはしません。(特に、体育の授業での「6人一緒に台に乗り続ける方法」はお互いの寛容さがあって出来ることで、それを彼が解いて、且つ壊すシーンは印象的です。)生徒一人一人にきちんと目配せをして、相対し方にも注意を払いつつ向き合うことで落ちこぼれを作らないよう実に熱心に働くカーラ。しかし、その聡明さと目配せの良さが裏目に出た「ある日の職員室で起きたトラブル」をきっかけに、転がるように事態が悪化していくのを見せられ続けます。
まず誰が見ても明らかな問題は絶対的な「リソース不足」。人が足りないため、代講など皆少なからず複数の仕事を兼務しており、職員室内は常に空気の悪さを感じます。そして、厄介ごとに対してやや拙速で雑な対処が目につきます。そこはやはり問題解決の専門家と言うわけではありませんから、どうしても教師たちの能力不足は否めません。またそもそも問題を起こらなくするための抑止力的なセキュリティは殆どなされていません。或いはそれを補う言い訳としての「抑止のための不寛容方式採用」なのではと穿ってみるしかありません。さらに質の悪いことに、最後の砦であるはずの校長がまた困ったもので「私には十分で確かな経験がある」のごり押し一本やり。経験は能力を示すものではないですし、職責としては如何なものかと思える言動にイラつきます。って言うか、この状況こそが今までの蓄積によって起こっていることだと考えれば、その経験こそが原因で、本作は起こるべくして起こったことではないかと思うのです。
本作は教育現場における社会問題を題材とした作品でありつつ、どんどんと追い込まれるカーラの様子を見続けるサスペンスホラーとしての面白みもあり、賞レースなどでの実績も納得の出来栄えです。なかなかしんどい作品ですが、興味があれば是非。空いてます。。
徐々に追いつめられていく姿から目を離せない
昔はなりたい職業の上位に学校の先生が入っていた気がする。今や一部の志ある若者しか目指さない過酷な職業という印象すらある。学級崩壊、コンプライアンスの厳しさ、多大な業務量、そしてモンペアの対応。どれもつらそうだ。心を病んでしまう教員が多いのも納得してしまう。
この映画を観て思ったのは、ドイツも日本とそんなに変わらないじゃないかということ。日本でも移民の生徒が多くなっているし。ただ、校内で盗難がこんなに頻発するのは考えにくいけど。
自席のノートパソコンのカメラで盗難の現場を押さえた教員のカーラ。穏便に事を収めようとしたが、徐々に問題が大きくなる様がとてもスリリング。一つひとつの選択が大きく間違っているわけではないが、ボタンのかけ違いが物事の歪みをどんどん大きくしていく。犯人が誰かというサスペンスではなく、カーラが追いつめられていくスリラーとして面白かった。
だからスッキリしない終わり方でも仕方ない。あれはあれでリアルな感じがする。いろいろと考えさせられる映画だった。決定的な証拠とは言えないけどあそこまで言い張れるメンタリティとか、すべての生徒を守るべきなんだろうかとか、聡明な子であっても母への愛で目が曇ってしまうのかとか。生徒、生徒の保護者、教員の信頼関係が教育現場のそれではなく、もはや顧客とサービス提供者のそれになってしまっていると感じた。それはそれでいいのかもしれないが、個人的には違和感を覚えてしまう。
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