「いろんな意味で突っ込みどころがあるが良作。」ザ・フェイス yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな意味で突っ込みどころがあるが良作。
今年82本目(合計1,174本目/今月(2024年2月度)35本目)。
(ひとつ前の作品「一月の声に歓びを刻め」、次の作品「18歳のおとなたち」)
ひさしぶりのインド映画枠と言った気もします(大阪市基準では今週金曜日(3月1週)にも実はある)。
インド映画なので180分そこそこといったところですが途中休憩はありません。ストーリーもかなりわかりやすく(村の土地を不法占拠しようとする悪役とそれに対峙する主人公のお話)、またインド映画あるあるのダンスシーンや恋愛パート、アクションシーンは結構多めと、RRRほどではないにせよ満足度は高いかなといったところです。
こちら大阪市ではシネリーブル梅田の1か所による1回放映という扱いですが、95%ほどの入りようであったのが良かったところです(なぜか終了後に起きる拍手…。クラウドファンディングの当事者?)。
一方、インド映画あるあるの「謎の表示」や「謎の左下の表示」に関しては珍妙で、この映画、最初になぜか「プレミアムアパートを購入しませんか?電話番号はこちら…」というアパートのCMが流れます(インドの合法な映画評価サイトでは最初の5分くらいが見られ、この部分も確認できる)。インドでは映画が終わった後に「あのー、家購入したいんですがー」とかって電話する習慣ってあるんでしょうか?
また、謎の左下の警告表示は大半は「たばこ」「アルコール」でひっかかったと思えるのですが、「少しでも写っているとアウト」扱いのようで、インド映画のアクションシーンのように瞬間的にしか映らないようなところまでちかちか出るので、何がひっかかったのかよくわからない謎の部分もあります(また、インドでは日本では専用喫茶がある程度の「水たばこ」が普通に存在するので、水たばこのシーンでも出る)。
こういったある意味「まぁインド映画あるあるか…」と思いきや、ラストのエンディングロール。左側はNGシーン特集か当時の作成の苦労談か何かのビデオ、右側はクレジット関係ですがその長さもすごく(エンディングロールは5分ほどしかなく)、よって超高速です。誰も読めないと思います…(まぁ仮に読めてもあの速さではどうしようもないが…)。
突っ込みどころがある意味笑えたのですが(インド映画の最初にマンションの購入CMなんて流してどうするんでしょう?ちなみに日本上映においてもインドの国際番号こみで伏字などないことを確認済み。日本からかけてこられたらどうするのでしょう?)、まぁこの辺、著作権関係から勝手にそこを削るなうんぬんがあったものと思います。
採点に関しては以下まで考慮したものです。
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(減点0.2/不動産登記とインド民法のお話)
「土地の権利書」といった語が出るので、日本民法177条(不動産の得喪と対抗要件)が真っ先に思い浮かべられますが、インドの法では不動産登記が義務で、かつ、契約書などの添付を必要とします(この点でドイツ系の「当事者間であっても登記しろ」に似る)。ただ、瑕疵ある意思表示ほか(この場合は詐欺強迫ほか)で契約書が得られることはないので、ややヘンテコな気がします。
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