劇場公開日 2024年6月21日 PROMOTION

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朽ちないサクラ : 特集

2024年6月17日更新

【すんげえ好き!映画.comスタッフの“私的”推し映画】
親友が変死。捜査権がない警察広報の女性が事件に迫る
全サスペンス・ミステリー好きへ責任をもってオススメ
杉咲花×安田顕らの究極演技合戦の先に“快感”が待ってる

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観れば観るほど、筆者の“この映画、めちゃくちゃ好き!”という思いがどんどん膨れ上がっていった――それが、杉咲花が主演した「朽ちないサクラ」(6月21日公開)だ。

一体どんな内容なのか? 原作は「孤狼の血」シリーズの柚月裕子による“異色”の警察サスペンスミステリー小説(映画化発表で“発行部数が45万部に倍増”したという人気作だ)。

そして何が異色かと言えば、主人公の女性が、親友が殺害された事件の真相に迫るのだが、捜査に必要不可欠であるはずの“捜査権が全くない”……この設定が、唯一無二の魅力になっているのだ。

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さらに、本作の見どころはそれだけに留まらない。杉咲が安田顕ら演技巧者と織り成す“圧巻の演技バトル”に心奪われ、最後の最後で“あっと驚く仕掛け”に唖然茫然……鑑賞することで、えも言われぬ“快感”にさらされるのだ。

エンタメ作品としての“格”が高く、その完成度は原作者・柚月氏が太鼓判を押すほどの「朽ちないサクラ」。ドハマりした映画.comスタッフが、全サスペンス・ミステリー映画好きに自信をもってオススメしたい理由を、熱っぽく語っていく。

●筆者

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【予告編】わたしを信じて。

【快感①:異色すぎる設定】警察ものなのに、主人公に
捜査権がない!? 奇妙な殺人、不祥事、謎が複雑に絡み…

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筆者の“「朽ちないサクラ」の好きポイント”を書き殴っていくが、“好き”という感情の増幅装置となった要素は、超斬新な設定だ。

ジャンルとしては「警察×サスペンス×ミステリー」。巧みに派生していく物語にグイグイと引き込まれ、気づけば後戻りできなくなっていた――。


[斬新な主人公像が好き]
かけがえのない友人が“変死”した――“捜査権のない” 警察事務職員が自責の念にかられて真相を追いかける
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普遍的な“警察映画”では、捜査権を持つ警察官や刑事が事件の真相に迫ることが多いはず。ところが、本作の主人公・泉(杉咲)は県警広報広聴課に勤務する事務方の女性。

つまり、警察内部に勤務はしているが、刑事ではないため捜査権限は無い。にもかかわらず、泉は殺害事件を独自に捜査し始める。これがめちゃくちゃ珍しいバックグラウンドと言える。

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では、なぜ泉は事件に関わろうとするのか? それは、殺害された人物が、自身の親友である新聞記者・千佳(森田想)だったから。

そして、泉が千佳にかけた一言が、彼女の死を招いた可能性があるから。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、親友の弔い合戦へ――ここからの流れがとにかくアツい。

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泉にとって、当該事件の資料に触れることすら容易ではなく、捜査行為は職務を完全に逸脱している。さらには刑事だけでなく公安にも立ち向かうことになるが、「絶対に諦めない」という強固な姿勢が周囲の人々を“変えていく”。

真相に向かってひたすら突き進んでいく泉。その姿が、筆者自身の心の琴線にこれでもかと触れまくったし、きっとあなたの心の琴線にもこれでもかと触れてくるだろう。


[警察の“闇”を浮き彫りにするテーマが大好き]
ストーカー殺人、警察が被害届を慰安旅行のため未受理、新興宗教、公安の存在…“日本を守る”ことの難しさをあぶり出す
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泉が追い求めていく「親友の変死事件」が、予想だにしない事象へとリンクする点もかなりグッときた。

世間を騒がせたストーカー殺人。被害者は警察に被害届を出したが、当の警察は、慰安旅行に出るため未受理としていた大スキャンダル。かつて大事件を起こしたカルト教団の“いま”、そして密かに暗躍する公安。これらがリンクした時、肌に粟を生じるような“真相”が見えてくる。

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また、“正義”である警察組織がときには「悪行を成す」。しかも、この悪行が巡っていくと、結果的に“日本を守る”という深いテーマを描いている点にも注目を。「一体どういうことだ?」と感じたあなたにこそ“あの瞬間”だけは見届けてほしいのだ。

この複雑かつ巧妙なテーマ設定が、これまでの“警察映画”とは大きく異なるポイントになっており、本作でしか味わえない“快感”を創出している。


[良い意味での“裏切り”が満載で超好き!!!]
ハードでソリッドな上質サスペンスが展開…こういう作品、待ってました――!
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そもそも「主演:杉咲花」という時点で、本作の高クオリティは確信していた。「市子」「52ヘルツのクジラたち」、ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」などで印象的だった“心”を穿つ演技。その表現力によって、本作の質を数段アップさせてくれるに違いないと思っていたからだ。

その予想は見事に的中しつつも、嬉しい誤算もあったこともお伝えしておこう。

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鑑賞前は、杉咲自身の優しく柔らかなイメージ、タイトルの「サクラ」も相まってか、最終的に心が解きほぐされるような“あたたかな内容”へと帰結すると思い込んでいた。

ところが、これが大きな勘違い。実際の内容はかなりハードかつソリッド、警察モノ&サスペンス好きにはたまらない“緊迫続き”の仕上がりになっていたのだ。この予想を超えてきた部分も圧倒的快感だった。


【快感②:脳天直撃の演技対決】杉咲花VS実力派俳優
“真っ向勝負”が凄すぎる―この映画、全キャスト名演だ

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必見ポイントはまだまだある。次に取り上げたいのは、杉咲花と実力派俳優陣が真っ向から対峙する“演技合戦”。

脳がグワングワンと揺れるほどの名シーンが誕生しているので、絶対にスクリーンで“目撃”してほしい。


[杉咲花VS安田顕]「自分を責めない日はない」“過去”への葛藤が行きつく先は……誰もが驚愕した“予想外の涙”も
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“怪優”安田顕が演じるのは、泉の上司であり元公安の富樫隆幸。泉を見守るサポーター的存在だが、相当ヘビーな“過去”を抱えており「今でも自分を責めない日はない」と葛藤し続けている……という人物だ。

安田自身の“喋らなくても何かを発することができる(=説得力の強さ)”というイメージが役柄と絶妙にマッチ。その一挙手一投足に見入ってしまう。

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特に注目してほしいシーンは、泉の眼前で“唐突に涙を流す”というくだり。実はこの“泣きの芝居”は、安田のアドリブ! 杉咲を含めた現場の人々を驚愕させた“予想外の表現”は、富樫の内面に深くダイブした安田だからこそ発することができたものだ。


[杉咲花VS 豊原功補]ベテラン刑事としての手腕に震えあがる 捜査権を持たない泉との“真正面からのぶつかり合い”に注目
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豊原功補が扮した県警捜査一課長のベテラン刑事・梶山浩介は、ストーカー殺人と泉の親友・千佳の殺人事件を捜査する人物。ビンビンに冴えわたる“刑事の勘”で闇に埋もれた謎を暴いていく。

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「この男からは逃れられない…」と恐ろしく感じたのが、取り調べのひと幕。警察の不祥事をスクープした地元新聞の編集長の“疑惑”に迫り、当初は証言を濁されながらも、最後には……。この一連のやりとりで、梶山の“スキル”の高さがわかるはずだ。

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そして梶山は、捜査権のない泉とは真っ向から衝突しながらも“絶対に諦めない”彼女の姿勢に感化されていく。そんな男気が滲む“心の機微”を段階的に演じ切った豊原――。マジで惚れ惚れする格好よさなんですよ、お願いだから早く観て……。


[杉咲花 VS 藤田朋子]大切な娘を突然失って――憔悴しきった姿に胸が締め付けられる “2人だけの芝居”が涙腺を刺激
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筆者が瞳を潤ませながら「最高…」と呟いた場面がある。それは、千佳の母親・津村雅子(藤田朋子)と、泉の対話だ。千佳の遺影を背景にして、友を亡くした者(=泉)として、ひとり娘を失った者(=雅子)として、静かに言葉を重ねていく。

しかもただ“死を悼む”だけの光景に留まっていない。杉咲による激情を内側に秘めた芝居、藤田が全身全霊で表出させる疲労感、それぞれが相手に投じる“告白”などなど、語りたくなる要素がギュッと詰まっている。まさに劇中屈指の名シーンと言えるだろう。

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ちなみに、上述の3名だけではなく、泉のバディとなる磯川俊一役の萩原利久、新聞記者・津村千佳役の森田想なども忘れ難い演技を披露している。大袈裟に聞こえるかもしれないが「全キャスト名演」とも言える仕上がりなので、映画館で絶対に確認して!


【快感③:エンタメとして一級品】ラストも超良い…
心鷲掴み要素だらけで“好き“の感情がはち切れそう

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ここまで必見ポイントを並べても、筆者の“好き”という感情は、まだまだ収まらない。だから「これだけはどうしても伝えておかねば…」と使命感すら感じた要素を、最後に紹介させていただこう。


[総合点が高すぎる]テンポの良いストーリー、アクションもスリルもグッとくる しかも観客を信頼している“演出”が最高だった
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物語における重要な“点”が小気味よいリズムで打たれ、真相解明が近づくにつれて、それらが一気に“線”として繋がっていく。

そんな極上のストーリーテリングに唸るだけでなく、合間に差し込まれるアクション&スリリング描写も◎。「“エンタメ作品”としてめちゃくちゃ面白かった!」という点だけはしっかりと伝えておきたい。

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ちなみに“語りすぎない”会話劇も大好きでして……。例えば、泉と千佳に不和が生じてしまう、序盤の短い場面など、“本当に語りたいこと”をセリフとセリフの間の“行間と文脈”で表現するという演出が成されている。

これはすなわち、本作が“観客を信頼している”という証拠。各シーンにおける意図を読み解いた瞬間、映画とさらに深く繋がった感覚になるので、心に一層響いてしまうのだ。


[どんでん返しの“その先”へ]このラストは予想がつかなかった……そして“それだけでは終わらない”展開がめちゃくちゃ刺激的
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「サスペンス×ミステリー」でとりわけ注目が集まるのは、クライマックスの展開だろう。本作では、いわゆる“どんでん返し”が仕掛けられており、複雑に絡み合った“謎”を鮮やかに回収してくれている。

その全貌は映画館で体感してほしいのだが、本作がひと味もふた味も違うのは“どんでん返しのその先”を描いているということ。“その先”の物語に心を震わされ、さらにジーンと感動させられてしまう。あなたもきっと“素晴らしい気分”で劇場を出ることになるはずだ。

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最後に、改めて言っておきたい。初鑑賞からしばらく日が経ったが「映画.comスタッフとして責任をもっておススメしたい」という筆者のスタンスは全く崩れていない。

これほど“好き”になってしまった映画はそうそうないので、本記事を読んだ皆さんが映画館に足を運ぶことを心の底から祈っています!

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