朽ちないサクラのレビュー・感想・評価
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残念過ぎる…薄っぺらい展開…
杉咲花さんにハズレなし?
国民100人救うために数名の市民の命を悪の当て馬にするのは是か非か。
違和感
映画『新聞記者』を観た後の気持ち悪さを思い出しました。
実際にあった事件(桶川ストーカー殺人事件と地下鉄サリン事件)をモデルにストーリー的に使えそうな表層だけつなげていること、真犯人の目的や計画を組織が描いたものとすることが陰謀論に寄りすぎて突飛すぎること、公安の在り方に偏見まじりの創作性が重視されていることなどが、居心地の悪さを感じた。
原作では架空の県だったので、その創作(ファンタジー)っぷりがクッションとなって、楽しめたのだけれども、映画では愛知と具体的になっているのに違和感。
言ってしまえば「気持ち悪さ」の正体は、ファンタジーなのに、いちいち現実を挟み込むことで生じる、リアリティラインの曖昧さが生み出した「違和感」なのかもしれません。
杉咲花、安田顕、萩原利久、豊原功補らの演技力が高いために、ぱっと見で破綻はしていないけれど、設定の「軋み」が、作品自体の強度を下げてしまった気がしました。
ただ、杉咲花演じる森口泉のキャラはすごくよかったので、続編の『月下のサクラ』を映画化してくれないかな、と期待はしました。
演技力で見せるが、釈然としない点も
親友が殺された事件が、ストーカー殺人、組織犯罪へとつながってゆく。
捜査権を持たない人物が事件の捜査をするというのは、探偵ものでお馴染みなので、フィクションとして楽しめます。杉咲花さん、安田顕さん、豊原功補さんは上手です。
ただ、納得がいかない所が幾つかあります。以下ネタバレです。
組織によって仕組まれた事件で、どこまでが本当の事なのか分かりにくいのですが、ストーカーは本当の事件だとして、被害届を受理してもプライバシー保護の観点から内密にするだろうから、それだけであの団体のスキャンダルとして世間に広まるとは思えません。被害届は受理しておいて逮捕はしない、という手もあったんじゃないでしょうか(いや、ダメだけど)
実際の事件をヒントにしたからこういう展開になった気がします。
公安と県警は別とはいっても、警察の人間を黙らせるのに脅迫する必要があったんでしょうか。かん口令をしくだけで良かった気がします。
公安がどこまで非情な手を使うのかは全く想像できないです。
捜査資料を被害者の母親に渡そうとするなんて理解できません。娘が生きた証みたいな扱いになってましたが、その為に情報漏洩しますか。最後の数日間の行動をメモで渡すだけなら、規則違反をせずに母親を満足させられたと思います。
おみくじで真相に迫ったといっても、具体的に突きつけられる証拠ではなく、浅見光彦シリーズに出てきそうな想像の話です。
あの人が消されるなら、主人公も危ないのではないかと心配になりました。
サクライ ロノ ト ロッコ
愛知県平井市が舞台の映画。地元だ。でも長年住んでいるけど知らないことも多い。平成の大合併の影響か?
警察案件だとなかなかロケ地巡礼に馴染まない。なんか愛知県警がやらかしたみたいで、ちょっと不愉快。 完全架空かロケ地巡礼が出来るよう、あえてソレとわかる印象的な場所のセレクトが欲しかった。一応蒲郡市・豊川市・新城市・岡崎市・幸田町等でロケはされているが。
カルトが出てきてから話がわからなくなってきた。安田顕がいつアリバイ崩しを依頼してくるのか?
前半は、杉咲花といえども今回はそこまでの演技は要求されなかったのかと思っていたら、終盤に向かってどんどん杉咲花に吸い込まれていった。
直前の今見えるA。有るのかどうかもわからないB。でもあったらどでかいB。知っているのは🌸のみ。
期待通りの面白さ
「朽ちないサクラ」の意味に慄く、暗黒ミステリ
オススメ作品なので、ネタバレなしの雑感です。
👮
1. ミステリとして
序盤に事件が立て続くものの、展開は全体的にもっさりしている。出来の悪い2時間サスペンスみたいと席を立ちそうになる人もいそうだが、終盤に超弩級の真相が語られ、ガッツしミステリだったと思い知らされる。匂わされるだけのヒント(伏線)もあり、フェアさは控えめだが、少なくとも1つは決定的な展開があり、誰が?何が?黒幕なのか、鋭い人は気付けそう。
自分は明かされた真相にそんなんアリ!?と戸惑い、fictionじゃなかったらブラック過ぎると、頭がクラクラした。
🚔️
2. 警察映画として
横山秀夫の「64」ほど、ヒロインが広報である事が活かされないが、そこは柚月裕子。 警察の描き方が「孤狼の血」と同じかそれ以上にブラック。本作が、立場によってっは大団円? 立場によっては未解決に終わってる事自体が、めっちゃブラック。
🌸
3. 恐ろしいタイトル回収
「朽ちないサクラ」の意味は終盤まで分からない。「サクラ」の意味は中盤で提示されるが、「朽ちない」の意味は最終盤まで分からない。意味が分かると、本作がfictionで良かったと胸を撫でおろすに違いない。
🌸
兎にも角にも、観て損しないミステリ映画。杉咲花は終始可愛い。安田顕は渋くて、ブレない存在感。豊原功補の活力溢れるベテラン刑事はハマり役。めっさカッコいい。
ストーリーには言いたいことがたくさんありますが、☆4
ストーリー、前半はいいのだが後半がイマイチ。
例えば夢オチはタブー視され、夢オチで終わらせる映画やドラマは今は無い。
それに加えて、
・犯人はカルト宗教
・公権力が一市民を殺す
というのもタブーにすべき。カルトを絡ませたら何でもできるし、公安が高々20代の地方新聞の記者を殺すとか、あり得ないだろ。
今回は見事にこの二つが絡んだので、最後は白けてしまった。
とはいえ、杉咲花と安田顕は圧巻だったので、それで☆4。
特に、梶山(豊原功補)が森口(杉咲花)に「刑事のほうが似合う」というようなことを話した時の杉咲花の表情は、絶対に何かが憑依していた。鳥肌ものだった。
事務員でも突き止められる程度の情報、刑事は何してたんだよという突っ込みはナシで。
追:ドラマ『ヤンキー君と白杖ガール』のような、キラキラした杉咲花を観たい。
最近は、市子、52ヘルツのクジラたち、アンメット、そして朽ちないサクラ、ちょっと笑顔が少ないと思う。
通知表オール3映画
シナリオ、演出カメラワークなど、どれをとっても平均点のレベル。
シナリオは原作があるがもう少し上手くできなかったのか?欠点を上げると切りがないが、葬式で参列者が「他殺らしいよ」ってシーンが2時間ドラマかってぐらいってチープ。前半が話が進まずダルく感じ、女子会の時間軸も良く分からない。
ラストのどんでん返しも、ハイハイよくある話で終わり。全て観た映画のパズルなのかってぐらい平均点。
ネットフリックスで観たら面白いと思うがわざわざ映画館に行く必要はない。
あぶない刑事の監督らしいが、古い演出など納得する。あぶない刑事もそうだがカーカクションやればウケル時代は古く逆にチープ。
「市子」「52ヘルツ」の方が役者は立っていた気がするが、一般人役の今回は特に目立つものはなかったように思う。杉咲花はやはり不幸な変人役がよく似合う。
警察や公安の腐った体質を表現した感じの作品。 本年度ベスト級。
杉咲花さん目当て。
やっぱり演技が素晴らしかった!
広報課長の富樫を演じたの安田顕さんも良かった!
県警の広報課で働く杉咲花さん演じる森口。
親友の新聞記者、津村が何者かに殺され森口が事件の真相を究明して行くストーリー。
出だしである女子大生がストーカーに殺される事件が発生。
警察が慰安旅行で殺された女子大生の被害届けを先送りしていた事がリークされ広報課は大忙し(笑)
関係ない2つの殺人事件が繋がって行く感じが上手い構成だった印象。
安田顕さん演じる富樫が熱くも優しい森口の上司って感じ。
警察学校で森口と同期だった警察署の萩原利久さん演じる磯川も森口に優しいんだけど何だか怪しい(笑)
これは自分の思い込みだったけど予想外な人がとても恐ろしい人だった。
本作のタイトル「朽ちないサクラ」
鑑賞中「サクラ」が警察では、ある隠語だと知る。
ナルホドのタイトル。
桜が花咲く美しいシーンが多めなんだけど、本作の「サクラ」は美しくない。
綺麗事だけでは世の中、上手く回らないって感じ。
広報課長の富樫の過去の無念の出来事が印象に残る。
この過去の事が富樫の人間性を変えてしまった感じ。
本作は泣く作品とは思わなかったけど杉咲花さんの演技に泣いてしまった(笑)
森口が広報課を辞め、新たな道に進むラストに彼女を応援したくなる。
彼女の生きる道を見つけられた感じが胸熱だった。
広報課の森口が全く広報の仕事を全くしていないのが鑑賞中に気になった(笑)
警察や検察が事件の重要な資料をあっさり開示するシーンが気になりました( ´∀`)
組織の闇に迫る主人公を警察の女性事務職員にしたことで、一般人に近い感覚で謎の解明に立ち会ったような気分になりました。目力溢れる杉崎の好演が素晴らしいです。
『孤狼の血』などの人気作家、柚月裕子の同名小説を映画化。警察組織の論理に対峙する広報担当の女性職員の姿を通して正義とは何かを問いかけます。俳優陣の実直な演技、丹念な演出の2本柱によって骨太で見どころ十分のサスペンスミステリー作品となりました。
●ストーリー
たび重なるストーカー被害を受けていた愛知県平井市在住の女子大生が神社の長男に殺害されます。米崎県警平井中央署生活安全課は、女性の両親が提出したストーカー行為の被害届を、すぐに受理せず1週間先延ばししていました。
地元紙の米崎新聞は、平井中央署が被害届の受理を後回しにして、慰安旅行に出かけていたことをスクープします。県警内では誰が慰安旅行の日程を米崎新聞社に漏らしたのか犯人捜しに躍起となります。
そんな中、県警本部で県民の苦情受付やマスコミ対応を担当する広報広聴課の職員・森口泉(杉咲花)は、親友で米崎新聞社の県警担当記者でもある津村千佳(森田想)から、「話したいことがあるから会えないか?」とのメールを受け取ります。泉は迷いましたが、千佳に会うことを決めます。実は泉は、千佳に慰安旅行の情報をうっかり漏らしてしまい、千佳に口止めしていたのでした。
イタリア料理店の個室で泉と対面した千佳は、スクープ記事のネタ元は自分ではないと頑なに否定する。だが、泉は千佳を信じることができません。「この件には、何か裏があるような気がする」そう告げて千佳は泉と別れました。その1週間後、千佳は遺体となって発見されるのです。
はたして千佳の訴えは本当だったのか。後悔の念に突き動かされた泉は、捜査する立場にないにもかかわらず、千佳を殺した犯人を自らの手で捕まえることを誓います。そして、千佳の死亡原因を求めて、泉は警察学校の同期で、渦中の平井中央署生活安全課の警察官・磯川俊一(萩原利久)とともに、千佳の死に関する調査を独自に開始するのでした。 やがて事件は、ストーカー殺人と警察の不祥事に、かつて大事件を起こしたカルト宗教団体が絡んでいることが明かになっていきます。
●解説
公安、カルト団体など、組織の闇に迫る主人公を警察の女性事務職員にしたことで、一般人に近い感覚で謎の解明に立ち会ったような気分になりました。
一番の推進力は、誠実で毅然とした雰囲気の杉咲の好演。事件を幕引きにしたい上司に対峙する時睨みつける、目地からの強さ。また上司に「わたしも殺されるの」と語る時のワナワナと全身で恐怖を演じる演技、さらに桜吹雪の中である決意を固め、前を向くラストシーンのカタルシスを表現した演技が、サスペンスというジャンルの枠を打ち破るくらい印象的でした。ちなみに、岡崎市周辺でオールロケを行った。神社や川のシーンで咲き誇っている美しい桜はすべて本物です。
加えて2人のベテラン俳優の迫真の演技によって、全編の骨太の印象を醸し出しています。元公安の富樫隆幸を演じる安田顕は、贅肉を削ぎ落としたいぶし銀の演技で魅了します。一連の事件を捜査する県警捜査一課の梶山浩介には豊原功補。静の富樫と動の梶山というコントラストが、生み出されているのです。
監督は、公開中の「帰ってきた あぶない刑事」で長編映画デビューした原広利。2作の雰囲気は好対照ですが、本作でもシャープな演出、風景の撮り方などに実力をうかがわせ、今後に期待を抱かせてくれました。
●感想
カルト宗教信者の逮捕で、一件落着のはずが、そこからが本作の真骨頂。テレビの刑事ドラマでも当初犯人と目された人物に徹底的に疑いの目が向けられるのだが、終盤になって真犯人へドンデン返しする展開は、よくあることです。けれども本作の真相は、奥が深く、規模が大きかったのです。
結局真相までは明らかにせず、あくまで泉の個人的意見でしか、結末が暗示されません。それでも一連の事件に何らかの関与が疑われる公安警察の闇を感じさせることになります。
そんな警察組織の闇に女ひとりで立ち向おうとする泉の決意が、本作の救いとなっています。お茶くみ事務員でありながら、自分の推論と主義を強面の上司に堂々と意見する泉の強さに、皆さんもエールを送りたくなることでしょう。
公開日 :2024年6月21日
上映時間:119分
本当に描くのなら、もっともっと深くなければ成らないと思う!
初日に「朽ちないサクラ」を観ましたよ。
あの最も忌まわしい事件。29年も前の地下鉄サリン事件をモチ-フに公安の事を”サクラ”と称しその実態をネタに語っている本作。
それなりの展開構成は確かにございました。
伏線を入れて、入れて、入れて 裏返った所を ハナちゃんが最後に語るパタ-ンってヤツですね。
つまり 誰が一番悪い奴か って事、なのですが。
それ ”公安” って事になってませんか。
つまり 如何なる権力を持っても朽ちることの無いサクラ って事で。
実の所、スパイと称した者の正体を守るために、手を下さず善良な市民を殺人しても良いと? はぁ? はぁ? ですわ。それで話し終わるの??
アンタラ税金上の組織ですよ。善良な納税者を殺すんですか。
それじゃあ、あの某組織集団と何ら変わりませんよ、遣ってる事が。
(注:話のスジ上の事)
例えばハイジャック犯を捕まえるのに、アメリカでは被害者(死人)が何%抑えて事件解決出来るか。最初から被害者出ても仕方が無い想定。
この作品でも、事前にこれから起こる事象に対して事を収めるためには、犠牲があってもやむを得ない考え。
この殺される記者がもしも、刑事の娘なら、どうしますか?
それでも 遣りますか。 それぐらいの設定で挑んで欲しいのよ。
観てて、何か焦点がズレてると思う。
あの35年前、弁護士殺人事件の解明で持ち上がった某組織集団。
コレを解明するために組織へ送り込んだ”S”。
事件関与への内偵が目的で有ったはず。
今作みたいな あんな組織の玄関先で車で張ってる様な事は全く無いハズです。
実際潜入捜査は命懸けでしょ。違うかな。
観ていてオカし過ぎる。描くのならちゃんと内偵場面を遣って欲しい思い。
あの集団に対して警察権力のガサ入れも、規模が全然違うぞ。
どれを取っても何か中途半端過ぎる。
良いとこ取りの背景使って、事件関係とスジだけ展開させておいて。
今 令和に成ってさ、皆居なくなってさ、これ遣るの何か違うと思うんだわさ。
今 遣るのはさ、本物の事件真相を1:1で描いて欲しい思いなのよ。
こんなんじゃ無くてね。
まぁ、その辺まで感じて無い人は 過大な評価してるだろうと思うけど。
一人の公安の男が、自己の勝手な行動でもって 大多数のテロ被害を出してしまった。自責の念で公安で無くなり警察所へ。(詰まり左遷)
もう一度公安へ戻りたい、自己出世の為に”S”に対して目下の障害の排除。
その汚い仕事を遣って 古巣に戻る男って 話展開ですね。
何じゃいな、こんなの見たないわ。
デカの嫁に成る人、決心してたんでしょ。事が大きいから彼女を守るために疎遠にして別れたと? 刑事と結婚まで約束するってのは、一緒に死ぬ覚悟出来てる女性って事よ。舐めてんのかと思うね。
まぁ 結局軽いノリの話でしたわ。
時間ある人は ご自由に!
杉咲花さんが演じた日本の超ハードボイルド!!
ハードボイルド…hard boiled(卵の固ゆで)。転じて、感情を交えず、客観的な態度で描写すること。また、そのような小説や映画。
杉咲花さんはどちらかというと小柄で華奢、どうみても暴力・バイオレンスとは無縁な人なのに、フィリップ・マーロウのような凄味と優しさを見事に表現しています。
日本の男優さんが演じてきたハードボイルドなキャラクターについて詳しいわけではありませんが、この映画の杉咲花さんは内面から滲み出る迫力でそれらを凌駕したといっても過言ではない、そう思うほどの演技でした。
そして特筆すべきは、脇を固める俳優さんの誰もが、キャリア最高に脂ののった演技だったのでは?といいたくなるほど、成り切っていたこと。
安田顕さんといえば、「私はいったい、何と闘っているのか」が記憶に新しいのですが、そのタイトルはこの映画での役柄にこそふさわしい!
刑事・梶山を演じる豊原功補さん。警察内部で不祥事件が発生したとしても、こんな人がいるのなら日本の警察も捨てたもんじゃない、と思えるようなプロ。
真実に迫ったがゆえに無念の死を遂げることになった津村千佳、それを演じた森田想さん。
映画の中の話なのに、本気で彼女に帰ってきて欲しいと思った人は私だけでないはず。
日本のインテリジェンス(公安)の実態は何も知らないのですが、「正義」についての思想やその在り方は別にして、この映画で描かれているようなことが本当にできる組織や人材がいるのならば、それはそれで頼もしくもあります。間違っても監視対象になるようなことだけは絶対に回避したいですが。
途中からちょっとですが、、
広報課職員が、調査したりはあり得ないかなと思うし、公安が殺人したりと無理のある展開のような感じですが、杉咲花さんの演技を2時間たっぷり楽しめました。
オーディブルで原作がありましたので、聞いて比較してみます。
フィンクションとして、杉咲さんや安田さんの演技が面白いので、ツッコミどころはありましたが、良かったかなと。
娯楽作品として、良いと思います。
原作の続編もあるから、この続きも期待しちゃいます。
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