朽ちないサクラのレビュー・感想・評価
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またも杉咲花が好演!静かな佇まいがいい 安田顕!豊原功補!ベテラン男優も好演 公安恐るべし
警察小説、本格ミステリーとして、純粋に事件の解明に着々と進んでいく展開が良かった。
変なキャラクターの素人探偵や名物警部とかが登場しない世界で、ただただ事件の推理を楽しめる映画は本当に少ない。
100人の命と1人の命。
死んだ者の命より、今生きている命が大事。
警察と公安の考え方の違い。
真相が恐ろしい。
主演、杉咲花の寡黙だが、物事を地道に進めていく佇まいが見事。
最後の決意が、もやもやした事件の結末に、一縷の光を灯してくれる。
相棒となる萩原利久も、彼女への好意を表に出さないのがいい。
主人公の上司、安田顕も好演。
クライマックス、杉咲花と安田顕の一騎打ちの緊張感。
強面だが渋くて良い上司…だと思ってたのに!
豊原功補も昭和の刑事っぽい熱演がいい。
口では強い口調も、内心はちゃんとわかってくれて、正しく評価してくれる良い刑事!
他に、同様の「素人探偵」ドラマではいつも気になっている「捜査権も無く刑事でもないのになぜ捜査できるのか」とか「調べてる間、仕事休んで大丈夫なのか」などが、本作では、安田顕演じる上司が許可し、仕向けていたということで説明がついて納得できる。
ただ、カルト教団本部内の道場?教会?祭壇?の場所が、いかにも神がかったライティングと演出がされているセットで、安っぽいB級ドラマか、ドラマ「トリック」か、特撮ドラマみたいで、残念。
もっと味気なく質素な方が、普通にリアルだと思うが。
「サクラ」ってそういう・・・
思ってたのと違う
見応え
ありましたね。配役も良かったですし、展開も間延びせず、でも混乱は無いように作られていたと思います。冨樫課長は、何故泉を引き込んだのでしょうか?甘くみた?何かしらの後悔?
死んでしまった命と、いま生きている命、どちらの方が大事なんですか?
主題は、そこか。目の前の今救える命と、それを犠牲にすることで救える100の命の天秤。これは永遠に答えが出ないことだと思う。だって、目の前の命を見殺しにしたら後々まで後悔は残るだろうし、助けたことが原因で100の命を失ったとしたらそれはそれでまた後悔になる。助けたとしても100の命を守れる方法を探すとか、議論推論は何通りも出てくる。以前読んだ漫画で、目の前で妻と母が溺れそうになった時、どちらかしか救えないとしたらどちらに手を差し伸べるか?の問いかけに「近いほう」と答えていた。選ぼうとするなってことだな、と目から鱗だった。結論は、救える命から救う、それしかないのではないかな。
このテーマにオウム、いやヘレネスという宗教団体が絡んで物語が進行していく。オウム、いやヘレネスのうさん臭さが物語を闇深く引きずり込んでいくミステリー。オウム、いやヘレネスは駆逐しても根絶やしになることのない生命力を持っているが、それは人間の心の闇も奥深いからってことなんだろうな。身近な大事な人がオウム、いやヘレネスの信者だったとしたら、自分はどう行動するのだろうかという自問も湧いてきた。
サクラは、その言葉の意味するところは桜だけに限らず。警察ものだけにそれをうすうす気づきながら映画を観る。ところどころで美しい桜の映像もさしこまれるが、「サクラ」の意味することを意識していると、けして心穏やかではいられない。むしろ「監視」とさえ思えてくる。それがいかに美しいとしても、その存在が他人をも寄せ付けぬ曲がることのないガチガチの正義である以上、桜の映像が出てくるたびにゾワゾワとしてくるのだ。しかもタイトルは「朽ちない」と頭に就く。ああ、あの組織は何があっても絶えることはないのだな、警察社会においてアンタッチャブルなんだろうなと思った。でも、それがまっとうな正義なのであれば、潔癖すぎようがなんだろうが、社会には必要なのだろう。その組織に属する彼(伏せますが)の人生も、また「犠牲」なのではないかと思うと、自分の身を捨ててまで国家に尽くすその生き方に、とても「そんな人だとは思わなかった」という罵声を浴びせることは僕にはできない。
そしてラスト近く、業平の『世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし』の歌を口にする。意味深だなあ。
推理・ミステリーものとしては秀作
俺的には杉咲花はヒロインとしては“華”が足りないのだけど、演技力は認めているので、一応観てみました。
【物語】
森口泉(杉咲花)は愛知県警広報課に勤めている。あるとき、県警で不祥事が発生。女子大生がストーカーに殺害されるが、事件後被害者からの被害届け受理を警察が遅らせている間に起きた事件であることが判明したのだ。県警は担当者が多忙を極めていたためと弁明したが、実際は職員慰安旅行を優先したためだった。
慰安旅行の事実は県警内で極秘扱いだったが、泉は親友の地元新聞記者、津村千佳とのプライベートの会話の中でにうっかり漏らしてしまう。親友に頼み込んで、記事にはしない約束をしてもらうが、数日後にその新聞社のスクープとして事実が明かされてしまう。
千佳が記事にしたのではと泉の疑いに対して、憤慨した千佳は身の潔白を証明すると告げるが、それから1週間後に他殺体で発見される。警察内の情報から、千佳を疑ってしまったことが事件につながった可能性を知り、自責の念に駆られた泉は、上司富樫(安田顕)の助けを借りながら個人として千佳殺害事件の真相に迫ろうとする。
【感想】
まず、言えることは筋書は良く練られている。
「ああ、そういうことか」
が何度か有り、“幾重にも張り巡らされた伏線”が用意され、終盤に畳みかけるように真相が明らかになって行く展開になっている。 その部分は作品として大いに評価したい。
杉咲花、安田顕初めとする役者陣も良かったし、演出面にも不満は無い。
書いてみると、あまり否定する部分は無いのだけど、その割には満足度は高くなかった。
ひとつはヒロイン偏重主義の俺なので、最初に書いたとおりヒロイン力に満足しなかったこともあるかも知れないが、それは観る前から分かっていたことだし・・・
それよりも、予告編から推理・ミステリーものではなく、ヒューマンドラマを勝手にイメージしていたためだったかも知れない。はっきりとそう意識していたわけではないのだが、なんとなくそう思っていたような気がする。
上述のとおり、本作は推理・ミステリーものとしては良く練られていて、秀作だと思う。が、ヒューマンドラマ的側面は描写が浅いと感じる。
これから本作を観る方は純粋に推理・ミステリーものと思って観賞することをおススメします。
桜が綺麗だった
キャスティングが良い
あまり評価が伸びていない印象ですが、この映画は個人的にとても良かったと思います。
確かに細かいところを説明しきれていない部分はありますが、2時間という尺の制限の下では仕方が無いかと。
そして本作はキャスティングが絶妙です。特に安田顕さん。こういう心の奥の闇が存在する感じの裏表がある刑事役をやらせたらたぶん日本一上手いです。
ラスト付近の杉咲花が安田顕に迫るシーンはちょっと背中が寒くなりました。特に「私も殺すんですか?」のセリフのところはゾクッと来ました。
「黒幕は〇〇だった」系の映画だったんですね。
給湯室の百瀬さんに関する会話の「あなた、もしかして・・・?」のところの絶妙な間(ま)が良かったです。
藤田朋子さんはだいぶ老けました印象です。特に口元が。
タイトルなし(ネタバレ)
愛知県のある町で、女子大生がストーカー被害の後、殺害されるという事件が発生。
女子大生から被害届が出ていたが、地元警察は届を受理せず、その間、慰安旅行に行っており、旅行中に事件が起きたことが地元新聞によってスクープされる。
県警広聴課勤務の森口泉(杉咲花)は、親友の記者・津村千佳に漏らした一言がスクープ記事のもとになったのではないかと思って千佳に問い詰めるが、千佳は断固として否定。
が、身の潔白を証明すると告げて泉のもとを去った千佳が翌日、死体となって発見される・・・
といったところからはじまるサスペンスミステリー。
個人的には、個人の闇を描いたヒューマンミステリーを期待したが、途中、カルト教団の生き残り、公安などが登場し、いわばシステマティックなミステリーだということがわかって来る。
ということで、中盤あたりから、テレビシリーズ『相棒』あたりでやってくれるといいネタなのになぁ、なんて思ってしまった。
主演の杉咲花は好演。
ただし、好演であるがゆえに作品のシリアス度合いを上げて、意外と楽しめないサスペンスになったように思う。
また、泉の上司を演じる安田顕も好演。
個人的にあまり好きなタイプの役を演じてこなかった彼だが、今回はハマリ役。
にしても、公安から広聴課への配転って実際あるのかしらん?と思ってしまった。
ま、これはこれで面白いのですが。
杉咲花は安定していい演技をする
原作を読んだのは結構前のこと。だからなんとなくは覚えていてもほぼほぼ忘れていた。映画を観てもとても新鮮な気分。徐々に思い出しながら鑑賞していった。その印象でいうと、原作を読んだときの好感を損なうことがない、いい映画化だったと思う。
捜査をしない警察職員がどこまで調べられるのか(置き換えると捜査していた刑事たちが見逃しすぎ)って問題は置いておいて、映画としてそれなりにシリアスな物語に仕上がっていた。元々原作も面白かったから当たり前だが、杉咲花をはじめとした俳優たちの演技がこの映画のレベルを押し上げたと言える。杉咲花に似合う役といえばそれまでだが、ラストまできっちりと抜群の存在感を示していた。最近までドラマ「アンメット」を観ていたので改めて彼女の凄さを感じてしまう。
調べてみたら原作では続編が出版されていた。となると続編ができる可能性もある。楽しみに待ちたい。でもその前に原作の続編読まないと!
それでも前に進むしかない・・・
ストーカー被害を放置していた警察が、じつは事件の際には
慰安旅行に行っていたことがスクープされ、大騒ぎ。
そのスクープが県警広報にいる森口泉が親友津村千佳にぽろっと
話してしまったことからか、と疑いをかける。
ところが、その津村千佳が数日後変死体で発見され、
動揺した森口泉は、犯人捜しを始める。
ある程度推測できたが、あとから新情報が出てきて、
厭きさせない反面、後出しは某宗教団体を思い出させるような・・・
そして、結局犯人は思った通り、こいつかよ。
だって、いろいろとおかしいもの。
朽ちないサクラの意味合い、そういうことか、最後にタイトル回収。
主人公の森口泉役は杉咲花さん、この俳優さんの演技は結構好きで、
この映画で何作目だろ。前回は「52ヘルツのくじらたち」でした。
今回も素晴らしかったです。
上司役は安田顕さん、この人も好きなんですよね~。
最初は優しくいい上司でしたが、話が進むにつれ、過去の経緯が
明らかになり、さらには・・・
ある意味、主役だったのかもしれない。
そんな二人の口から出る言葉「それでも前に進むしかない・・・」
ベクトルは反対だが、前に進んでいく。進むしかないのです。
読み物としては面白いと思うけど
原作未読。
「小義を捨てて大義を得る」という典型的なお話。
いくら邪魔だからって公安が大義のために善良な市民を◯すことは絶対にあり得ない(と信じたい)と思うが、ストーリー(読み物)としては面白かった。
起こった事件を捜査する刑事とこれから起こる事件を未然に防ごうとする公安と言うのはなるほどなんだが、この話からは説得力を感じることは難しかった。
公安が地方警察の内部(広報課)におり、犯罪や捜査そのものをコントロールするって、上から指示すればいいじゃんと思うが、警察は全く知らなかったというテイにしたいためなのだろう。
ある意味究極の選択なのだろうと思うが、カルト教団を捜査する手段としてあれしか無かったのか疑問が残る。
杉咲花が親友の母親に打ち明けるシーンを見てあの世代では一つ抜けた上手さを感じた。
原作には続編があるのかな?
警察官になって公安として葛藤を持ちながら有能な捜査官になるのというのがお約束な気がするが・・・。
今回の安田顕は怖い方のヤスケンさん。
ふざけた様な軽い感じも好きだが、あんな感じもなかなかの迫力があって良い。
豊原功補はもっと怒っていいと思う。
登場シーンは少ないけど、泣いてるシーンばかりの藤田朋子も達者な役者で印象的だった。
口ないサクラ
台詞を使った伏線の張り方が巧みで、何気ない台詞が展開を進めるためのキーワードになっている。
登場人物があまり多くないためか、序盤で黒幕が誰かを推測できてしまう点は少しもったいなく感じた。
作中台詞で牽制してはいるものの、本編の展開を踏まえると、主人公はいずれ口封じのために消される可能性が高い気がする。
映像美
うーん…
狐狼の血が、原作も映画もとても面白かったので、
期待が大きすぎたのかな…。
どうも、テンポが悪く感じたのと、
最初から、もうこの人物、裏あるよね、
それはだったらいやだなぁ…でも、そうだよなぁ…と思いつつ、
どういう展開でそこに持って行くのかを楽しもうと思っていましたが、
なんだろう…
えー、本当にそんなことあるの?!いやだー!こわっ!!な展開なのに、
その種明かしは、妙にすんなりと予定調和に進んで行った感が否めなくて…
これって謎解き?きちんとした捜査なの??あれれ???ってなって...
なんだか上手く言えないなぁ…。
あと、誰が誰か名前が覚えられなくてね…個人の記憶力の問題なんだけどね...
豊原功補さんの暑苦しい昭和の刑事が良かったなぁ…。
駿河太郎さんとの二人のシーンがゾクゾクした。
そう、そういうゾクゾク感を、もっと観たかったのかもなぁ、私。
原作読んでみたほうがいいのかしら。
ドキドキさせてもらえるのかしら。
人は嘘をつく、ゆえに人は人を疑う
これはサクラレビューではありません
2024年映画館鑑賞56作品目
6月27日(木)イオンシネマ新利府
グランシアター2500円
原作は『孤狼の血』の柚月裕子
監督は『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利
脚本はTVドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う』の我人祥太と『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の山田能龍
本格的サスペンスの傑作
主人公は愛知県警の職員
刑事ではない
親友の新聞記者が川で遺体として発見された
他殺だった
愛知県警公安と反社会的カルト教団が絡んでいる
刑事じゃないが親友の無念を晴らすため同期の磯川と共に独自に捜査する
サクラとは公安の昔の呼び名
元公安の凄みのある演技を魅せた安田顕と娘を失い憔悴する母を演じた藤田朋子の芝居がとても良かった
配役
愛知県警広報広聴課職員の森口泉に杉咲花
愛知県警生活安全課の警察官で泉とは警察学校の同期の磯川俊一に萩原利久
元公安で広報広聴課課長の富樫隆幸に安田顕
富樫とも親しい愛知県警捜査一課課長の梶山浩介に豊原功補
事件に巻き込まれ殺される泉の親友で地元の新聞記者の津村千佳に森田想
津村の上司でデスクの兵藤洋に駿河太郎
磯川の先輩警察官だったが突然退職した辺見学に坂東巳之助
宗教団体ヘルネスの信者で記者殺しの実行犯の浅羽弘毅に遠藤雄弥
神社の息子でストーカー殺人の犯人の宮部秀人に篠原悠伸
生活安全課の臨時職員で辺見と交際していたが別れを告げられ実家に帰り自殺する百瀬美咲の父親の百瀬治夫に諏訪太朗
梶山の上司に尾美としのり
冨樫の同期で警備部公安課課長の白澤に和田聰宏
千佳の母の津村雅子に藤田朋子
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