朽ちないサクラのレビュー・感想・評価
全218件中、41~60件目を表示
この映画に私的感じた問題点とは
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
この映画『朽ちないサクラ』は、愛知県警の広報広聴課の職員の主人公・森口泉(杉咲花さん)が、殺された彼女の親友である新聞記者・津村千佳(森田想さん)の殺人事件の真相を探るストーリーです。
しかしながら、この殺人事件の犯人が明らかになるまで、映画自体は停滞していた印象を持ちました。
その大きな理由は、登場人物のほとんどが何かに捉われ後ろ向き内向的に感じられた所にあると思われました。
主人公・森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳に、ストーカー殺人に関連する慰安旅行の情報を流してしまったこと、その事が遠因になり津村千佳が殺されてしまったこと、を悔いています。
新聞記者・津村千佳は、親友の森口泉を裏切って慰安旅行の記事を書いたと疑われた疑念を晴らすために、その私的な理由で慰安旅行の記事が書かれた深層を明らかにしようとし、結果、殺害されてしまいます。
森口泉の上司である、県警広報広聴課長・富樫俊幸(安田顕さん)は、過去の宗教団体ソノフのテロを防げなかった過去を悔いています。
辺見学(坂東巳之助さん)は、慰安旅行によって被害届の受理を先延ばししストーカー殺人が起こったことを悔いています。
森口泉のバディとなる警察官・磯川俊一(萩原利久さん)も、キャラクターとして積極的に事件解明に進む駆動力は余り感じませんでした。
殺人事件の捜査を指揮している県警捜査一課長・梶山浩介(豊原功補さん)も、捜査本部の全体での捜査の動きは犯人の車の特定場面以外は出てこず、それ以外は単独的で、本来の警察捜査の駆動力は感じられませんでした。
この、映画の終盤まで感じさせる停滞感は、それぞれの登場人物の後ろ向き内向性、あるいは本来の駆動力の無さが理由だったと思われます。
そして、この終盤までの重苦しい停滞感の理由は、映画の最終盤で明かされる本当の事件の真相で理解することが出来ます。
つまり、最終盤で明かされる事件の真相が、なんら現実的には解決解消されないからこそ、映画全体を覆う停滞感だったのだと思われるのです。
人は、問題が解決されない厳しい現実に出会えば、ひたすらに内向し停滞し続けるでしょう。
しかしながら映画作品としては、映画の大半を占めるこの停滞感に観客としては(真相が分からぬまま)つき合うのは困難であり、その真相も作品の最後になっても解決解消されないのであれば、映画全体を通してもちょっと厳しい評価にならざるを得ないと思われます。
せめて映画としては、最終盤の本当の真相が明らかになる前までは、ミスリードでもあくまで殺人事件の解決のために駆動力を持った事件解決を目指す、警察捜査に重きを置いた描き方をする必要があったのではないでしょうか?
そのためには例えば、森口泉やバディの磯川俊一を、初めから捜査一課の捜査員として設定し直し、捜査一課の情報も観客に見せ、警察組織として捜査に当たっている場面を見せ続ける必要があったと思われます。
また、オウム真理教をモデルにした宗教団体ソノフの描写も表層的で、さすがにこんな手垢のついた描き方では題材としては古すぎる印象を持ちました。
(出てくるマスコミの描き方も表層的過ぎたとも‥)
演出としても全体として内向的で視野が狭い感じがして、もう少し多角的な視点で描く必要があったとは思われました。
前半からミスリードでも駆動力を持った殺人事件解決ドラマとして、そこに親友のエピソードが絡み、最後に全く予想外の事件真相のどんでん返しがあれば、私達が当初予想した映画の満足感を観客にも示せたのではと思われました。
(本当にこんなことが実際ありますかね?という疑念はさておき)
題材としては傑作になる要素は多分にあり、今や重要な名優の一人である杉咲花さん、映画『辰巳』で印象的な演技を見せていた森田想さん、そして安田顕さん萩原利久さんなど優れた役者の皆さんが集結しながら、本当に惜しい作品になっていたと、僭越ながら思われました。
公安警察はテロ、政治犯罪、対日工作等日本全体の治安や国家体制に影響...
公安警察はテロ、政治犯罪、対日工作等日本全体の治安や国家体制に影響を及ぼす可能性のある事案を扱うので他の警察より厳しいレベルで情報の取り扱いに気を配り、秘密主義の部門となっているとのことだが、宗教団体の内偵を秘匿する為に情報を得た記者を殺すなど(全てが明らかになった訳ではないが)絶対に許されない行為である。
映画でも柚月裕子の原作の中でも富樫は「百人の命とひとりの命、たしかに秤にかけることができん。だが秤にかけなければいけない立場の人間もいる。きれいごとじゃあ、国は守れん」と言うが、ひとりの命を守れない者に百人の命は守れない。と思う。
それにしても杉咲花は凄い役者になった。親友の母の藤田朋子にことの顛末を告白するシーン、富樫役の安田顕へ公安の闇を問うシーン。映画のレベルを一段上げてくれたと思います。
杉咲花主演のTVドラマ「アンメット」も名作。若葉竜也との幾つものシーンが印象的です。こちらも私の心を鷲掴みしてくれました。
杉咲花さんの演技が凄い‼︎
若干難しいところもあったけど、犯人も最後まで分からなかったし、終盤もどんどんストーリーが進んでいって面白かった‼︎
そして、杉咲花さんの演技がすごくよかった‼︎
他の役者さんの演技も良かった‼︎
発端がいまいち。
物語の発端がいまいちでした。
安西秀人は実家の宗教と新興宗教、さらに公安のスパイとしての苦悩に板挟みになっていた……んですよね? そんな状況でたかだか一人の女性に執着してストーカー殺人なんか起こすかなぁ?
発端が弱い。ストーカーじゃなくて、女性に正体が知られたから、とかのほうがよかったんじゃないかな。
それともこのストーカー殺人じたいも公安の仕組んだこと?
辺見学を含め、なんの落ち度もない人間がただ追い詰められてひどい目にあうなんて、見てて憂鬱です。
スカッともしないし。
なぜか主人公だけは少しも危ない目にあわないし。
某新興宗教とか慰安旅行とか実際の事件を彷彿とさせるけど……それだけに新鮮味が感じられない。とくに新興宗教のほうは似たような扱いの作品は多いし、なによりも本当の事件のインパクトがすごいですからね。
一緒に見た夫は楽しんでいましたがわたしは始終モヤモヤしてました。
それにしても公安ていつも悪者にされてるけど、エンタメには圧力かけてこないのね。
続きが見たい映画
映画館にて鑑賞しました。
全体のストーリーとしては嫌いではないですし、むしろ好きなのですが、謎解き部分が若干「ん?」となりました。最後の答え合わせの部分では、結局物的証拠もなく、主人公である泉の口頭での説明によってしまうため、自分の理解が追い付かなかったんだろうな、とも思います。
配役については、主人公泉役の杉咲花さん、梶山役の豊原さん、津村母役の藤田さんがとてもハマリ役だな、と思いました。泉が津村母と話すシーンが数回ありますが、自分はその度に泣いてしまいました。藤田さんの母親役の演技、凄かったです。
逆に富樫役の安田さん、初めから怪しさがありすぎですね。笑
映像やカメラワークがとても綺麗でカッコいいな、と思いました。
泉と磯川の成長が見たい、続編が見たいな、と思える映画でした。
1人の命と100人の命
国家を守る人たちと、1人の人間の感じる命の重さは違うのか。
原作を読んでいながら忘れてからの映画鑑賞でしたが、柚月裕子さんの世界観を表現しているなと思います。
最後のシーンで対峙する時、安田さんが優しい上司からそうでない(100人の命を守るために、1人の命を捨てた)…別人と思えるひゃっとした感じがありました。
さすがキャリアの長い俳優さんだなぁと思います。
杉咲花さんはあまり感情を表に出さないのですが、呼吸で感情を感じさせる、素晴らしい俳優さんなことを再認識しました。
役所広いぞ顕!
ヤスケンこと安田 顕さんが大好きでいろいろ出ると追っかけて見ています
北海道のTEAM NACSの一員です
知ってます?
メンバーに、あの大泉 洋がいる劇団ですよ
洋ちゃんももちろん好きですがどちらかというとヤスケンファンなんですよ
役のバリエーションの振り幅が広い広い、とてつもなく色々な役をこなします
鈴木亮平主演の『変態仮面』の時の彼は素晴らしかった!
『愛しのアイリーン』の時は見ていて悲しくて苦しくて辛かった
ドラマ『しもべえ』での絶対的なヒーローをやったかと思えば『絶叫』では超怖い役もやる
これほど幅広い方もなかなかいませんよね
どの作品を見ても違和感がないのですがやはり一番しっくりきたのは『変態仮面』ではないでしょうか
さて『朽ちないサクラ』のレビューです
まだ上映中なので何を話して良いのやら
ヤスケンさんも中堅よりも上の役職の役が多くなりました
あっ、そうだ!?
『探偵バー』の大泉洋のようなアクションシーンを見た事がないな〜
それはおいといてレビューです
ん〜〜〜
私は名古屋に住んでます、何だか最近はここら辺がロケ地の作品が多いようですね
この作品も豊橋市や蒲郡市がロケ地になってました
そうだ! 洋ちゃんの『ディア・ファミリー』も名古屋市近辺だ、朝ドラの『虎に翼』も
そのロケ地に行って撮影風景を想像するのが最近の楽しみですね。
口ないサクラね。
そっちのサクラか〜い‼️
満開のサクラをバックに杉咲花が境内にたたずむ姿がとてもキレイやった。
また、サクラが咲きほこる映像が随所に出てきてこの映画を象徴しているような気がした。
そやけど、サクラはサクラでも「公安」を指す隠語とは驚いた。
公安が過激派やテロ組織などの動向を追いかけている組織というのは昔から知っていたけど、こういう形でいろんな関係者と接しているんか、ほんまかいな?
途中から安田顕が怪しいのとちがうんかなと思ってたけどやっぱり。
特に教団のリストを入手するところ、それに、いつも屋上で3人が情報交換するのは変やで、タバコを吸うためだけやったら他にもあるやろ、って思うわな。
杉咲花が事務官ながら真相を解明するために奔走する中で徐々に明らかになってきた公安の真実。
最後、安田顕と対決するところは静かながらもヒリヒリとした感覚が伝わってきて見せ場を作ってくれた。
うまいなぁ〜。
坂東巳之助は消されたね、たぶん。
組織にとっての邪魔者はいらん、ってことか?
杉咲花には警察官になって組織の闇や不条理に立ち向かってほしい。
(途中、お爺さんの大きな欠伸と放屁で画面への集中力が欠けてしまった、かんべんしてくれ)
非常に良く出来ている作品でした。サスペンス、ヒューマン、組織問題等...
いやぁ、面白かったですね。
原作の力、俳優陣の力量が相まって
とても面白い作品でした。
原作未読ですが、結構「え?」な
展開があって飽きさせません。
ミステリーなので絶対に細かく
書けませんが、最後まで
ぐいぐい引っ張っていく展開は
よくできています。
願わくば、杉咲さん演じる主人公の
行動の説得力を上げる見せ方
が欲しかったなぁと。
けっこうトントン拍子過ぎな
気がします。
まぁ、この内容をこの時間で
収めるのは難しいかぁ・・・。
でも、なんとなくまんべんなく
描きすぎなような気がします。
もっともっと焦点を絞れば、
結構怖い作品になったんじゃないか?と。
「朽ちない」にいくつかの
意味が込められているという
見せ方は好きです。
あと、予算だよなぁ・・・
シーンの数が限られているって
ところに若干安っぽさを
感じちゃいます。(屋上多すぎ)
仕方ないけど・・・。
エンタメ路線で作られていますが
僕の好みとしてはノワール系に
仕上げてほしかったなぁ。
けど、面白いです。
見応えあり…⭐︎
柚木裕子の原作ということで、未読だったが期待して鑑賞。
なかなか行ける時間が合わずに見逃しそうだったけど、ようやく今日見ることが出来た。
もう上映終了間近で一日一回の上映しかなかったためか、そこそこの観客。
展開が早くて引き込まれて行く。
しかし、主役は杉咲花演じる森口泉と安田顕の冨樫。
泉が親友の死に絡んで、警察と検察の闇に斬り込んでいく。
そこにカルト宗教も登場するという柚木裕子らしく盛りだくさんの
設定。
萩原利久と豊原功補の二人の刑事も良い雰囲気で味を出している。
終盤、柚木裕子ならもう一捻りあると思って見ていたら、その通りの
結末が待っていた。
同じようなことが現実にあるのか⁇もちろんないことを願っているが
今の世の中なら、あるのでは…と恐ろしさを感じる。
杉咲花は本当に旬の役者だと思うし、安田顕はしみじみ上手いなぁ…と。
ただ、題名ゆえとは思うが、初めは蕾とは言え全編通して桜が咲いている
状況はどうなのか⁇
鑑賞動機:原作者5割、予告4割、萩原利久1割
原作未読。
途中までは安田顕の存在感が圧倒的で、杉咲花は完全に食われちゃったと思ったが、終盤の怒涛の盛り返しに感情を揺さぶられる。
あの事件を絡めたことで、殺人事件の不可解さが薄れてしまい、やや冷めた気分になったが、「何を優先していくのか」ということを考える点では『狐狼の血』と通底するものがあるように思った。
萩原くんは立派になったなあ、と甥っ子の成長に驚く親戚の気分になる。
最後のたたみかけがいい
刑事、警察署職員、公安 わかりづらい。。
一番の私の問題が公安という組織のやってる事をはっきり理解していないことです。
そんな人間が見たので、ちんぷんかんぷんでした。
出演者の所属する部署は、杉咲は警察職員とはわかりましたが、豊原は公安ですよね、安田は刑事?萩原は職員?そんな感じです。
警察署職員としての仕事が少し入ると、その間に独自に調べてるとわかりやすい気がしました。
私としては、杉咲の友人を疑ってしまった葛藤に軸をおいて進むのかと思ったら、宗教団体が唐突に出てきて。。。安田の話しになり。。。公安出てきて。。。
ごめんなさい、こういうの得意な分野でない身にはわかりにくかったです。
杉咲の話し中心、そして萩原との関係なら良かったなと思ってます。
そうそう、公安がサクラと言われてるということがヒントでしようが、難しかったです。
映像はきれいでした。
柚月作品に外れなし
嬉しい娯楽良作+アンメット+地元ロケ
まずオマケ。ご多分に漏れずアンメットに様々な感銘を受けたことを報告します。途中で投げ出されたスジもありましたが、幹がしっかりしていたので不問となりました。最後までありがとうございました。
さて本題。丁寧なカット割りと編集に、信頼を裏切らない杉咲花を中心とした役者陣の過不足ない演技と美しい撮影、全体に完成度の高い娯楽作となっていて満足度が高い映画でした。onちゃんの中の人は怪しさ満点でしたね。あと逃げられないようにあらかじめ道塞いどこうね。
ところで地元ロケ作品として事前情報があった「ディアファミリー」と違って本作は事前情報持ってなかったのですが、冒頭から豊橋市役所が映り舞台が愛知県とされ、その後もいくつかの見知った景色が出てきて驚きました。あの川は音羽川だったんだ〜。
追記、親友役は「辰巳」の森田想でしたね!
追追記、浅羽は「辰巳」の遠藤雄弥だったんだ!わからんかった…
表裏一体
全218件中、41~60件目を表示