朽ちないサクラのレビュー・感想・評価
全225件中、221~225件目を表示
杉咲花さんを堪能できる2時間
杉咲花さんが主演を務めるなら、はずれはないと信じて観に行きました。そして、もちろん、その期待を裏切ることなく、しっかりと演技を堪能させてもらいました。テレビのバラエティ番組にゲストで出演されている時は、ニコニコ楽しそうにしているのに、いざ、映画の撮影となると、役者さんのスイッチが入るんでしょうね。難しい役を見事に演じていらっしゃいました。最後に、友人のお母さんに謝る場面、すごかったです。一緒に泣いてしまいました。
他の役者さんも、良かったと思います。ただ、一つ難を言えば、安田顕さん・・・ 年初にテレビでやっていた「大奥」で演じられていた「田沼意次」のイメージが残っていて、最初に、安田顕さんが出てきた瞬間に、あっ、絶対この人が黒幕だ!と思ってしまいました。
原作も読んでいないし、何も事前の情報も持っていなかったのに、もうイメージが出来上がってしまっていて、安田顕さんのことを、最後まで、そういう疑いの目で見ていたら、やっぱり、ドラマの「田沼意次」同様に、世直ししようという気持ちもあるのに、間違ったことを平気でしてしまう悪い人でした。はまり役と言えば、そうなんでしょうけれど・・・
妄想力が突破力になるかはわからないが、暴走し手に負えない刑事になりそう
2024.6.21 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(119分、G)
原作は柚月裕子の小説『朽ちないサクラ(徳間文庫)』
親友の真相を言う警察一般職員を描いたミステリー映画
監督は原廣利
脚本は我人和人&山田能龍
物語の舞台は、愛知県名古屋市&岡崎市周辺
愛知県警の公聴課にて市民の対応に従事している森口泉(杉咲花)は、世間を騒がせているある事実について、自身が関わっていることを憂慮していた
それは、神社の息子・宮部秀人(篠原悠伸)が殺人犯として捕まった事件にて、警察の対応が遅れたのが慰安旅行に行っていたからだと、新聞にリークされていたことだった
泉は親友の千佳(森田想)に慰安旅行に行っていたことを知られていて、彼女がそれを記事にしたのではないかと疑っていた
千佳はそれを否定し、「真相を突き止めたら誤って」と言って取材に走った
だが数日後、千佳は宮部と同じような殺され方をされてしまい、泉は「自分が疑ったせいだ」と責めていた
その後、上司の富樫(安田顕)と捜査一課の梶山(豊原功輔)から事情を聴かれた泉は、自分が被疑者になっていることに気付く
彼女はそれを否定し、自らの嫌疑を晴らすために、事件を調べることになった
慰安旅行がバレるきっかけになった警察学校の同期・磯川(萩原莉久)とともに動き出す泉だったが、富樫と梶山から勝手に動くなと釘を刺されてしまう
それでも、彼女から得た情報が捜査を推し進めることになり、梶山は「動く前に連絡をしろ」と、彼女の捜査を容認していくことになるのである
映画は、公安の暗躍を描く内容になっていて、公安でしか知り得ない情報とか、捜査課とのパワーバランスなどが背景にあったりする
泉という刑事ではない人間の視点で描くことで、公安とはどういった組織なのかを説明する流れになっていて、内通者(スパイ=S)と言った隠語のようなものも登場する
そして、事件全体の中で、「どこにSがいて、その目的とは何か」を追っていく流れになっていた
ラストでは、泉がある人物に事件のカラクリを説明するシーンがあるのだが、これはある人物がいうように「君の妄想だ」という言葉がふさわしい
確たる証拠もなく、思い込みと違和感で事件を結び付けているのだが、これで事件が解決していないところがリアルでもある
本作は、ある意味において、泉の刑事適性試験のような作品になっていて、それが合格だったのかどうかというところが終着点になっている
それを認めるのがある人物かどうかはさておき、少ない情報から真相を紐解く推理力に関しては、合格レベルだったのかな、と感じた
いずれにせよ、ミステリー映画としては、黒幕が逮捕されていないので終わっていない感じがするのだが、泉の刑事適性試験だったと考えれば、ギリ終わっていると言えるのかもしれない
彼女の妄想は本当に妄想レベルで、どこまで真実に近づいているのかはわからないが、事件全体の辻褄合わせという点では合格なのだと思う
実際には、もっと多くのしがらみや真実があり、彼女のレベルではそこまで到達していないのだが、それ以上を描くには時間がなさすぎるのだろう
宗教団体と公安の関係、警察上層部との関係であるとか、ある人物は「本当はどの組織のSなのか」というものも判明していないので、このあたりが気になる人からの評価は低いように思えた
まさかの黒幕、ご期待あれ。
面白かった!!
※ネタバレありみたいです。
ご注意。
↓以下感想
何しろ始まりから音楽も映像もカッコいい。
二転三転していく話の展開にずるずる引き込まれて、いつの間にかラストまで行ってたよ。
事件の真相は想像以上に複雑に絡まり合って根も深いので、全ての答え合わせが出るまで脳内大混乱。
そしてポスターがもうカッコいいね。「誰が・何を」見ているのかわからない予感が漂ってるのが良いわ。
ほいで磯川君好き!
可愛いキャラはあまり興味がないのだけど、彼はいい仕事して賢くてしっかり者なので有りだわ。
子犬ちゃんみたいな目元で可愛い年下の男の子っていう役柄がピッタリね。
でもやっぱり何よりも彼よ。
怪しいかな。
まさかね。
いや、でも信じたい!!
からのラストの泉との対峙が凄かった。
この場面、二人とも目の演技がたまらなくよかったわ。監督もお気に入りの場面だそうです。
アフタートークも楽しかった。
作品の編集についてとても熱心に監督が語ってくださいました。
そしてまさかの豊原功補氏!!
椅子が一個空いててゲスト2名だったのか、誰だろうと思ってたら!サプライズゲストで登壇いただきました。
オシャレでカッコよかったです。
スクリーンで観るのとまた違うオーラがあったわ。
彼の演じる刑事は熱血で昔ながらな感じのイメージだけど、唯一裏表がなさそうな潔さがステキだったわ。
警察の闇を描きながらも、色んな人の感情が行き来する人間模様も描かれていて、とても見応えのある作品でした。
全体を通して音楽も映像もオシャレでそれも見どころ。監督のセンスを感じました。
パンフレットが欲しい
全225件中、221~225件目を表示