「大作感は薄いが、ノリとテンションは従来のまま」ビバリーヒルズ・コップ アクセル・フォーリー 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
大作感は薄いが、ノリとテンションは従来のまま
約30年ぶりの新作である。配信開始とほぼ同時に再生ボタンを押した私の手は微かに震えた。が、いざ本編が始まると緊張とは正反対の、ニヤッとさせられる瞬間の連続。大作感やゴージャス感、さらには作り手の気負いなどは見当たらない。序盤はシリーズでお馴染みとなった、作業車を用いての市街地での破壊的なチェイス。それが終わると、やや暴力的なやり口で敵の凄みを見せつけつつ、その緊張感をマーフィの飄々としたキャラが巧みに和らげ、事件の核心へとドカドカ踏み入っていくーーーという流れもほぼ同じ。後半、やや成し崩し的に収束を迎えるのも相変わらずだ。今回は若い新キャラもいるにはいるが、感嘆の声を上げずにいられないのは、やっぱり旧キャラとの再会場面。彼らもすっかりおじいちゃんになったが、共に繰り出すノリはあの頃のままなのが嬉しい。絶賛でも酷評でもなく、ごく気軽な気持ちで作品に親しめるこのテンション、全然、嫌いではない。
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