ヒットマンのレビュー・感想・評価
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her pie is good pies maybe....(^_^;
抜群の適応能力は才能!
グレン・パウエルの華麗なる七変化
冴えない大学講師の副業はおとり捜査の手伝い!
ターゲットに合わせてグレンが様相を変えて、相手を翻弄させる
グレンはこれまでの『トップガン』や『恋するプリテンダー』のような
少し相手を挑発するぐらい余裕のあるイケイケタイプの男性のイメージが強かったから、今作で冴えない役が新鮮だったし、こんなに色んな演じ分けできるんだってシンプルに感動。特殊メイクした上で役とか今後あったら絶対いい演技すると思う。
ストーリーは設定が面白いところに若干のコメディ感があって、くすっと笑える。負のピタゴラスイッチみたく事態が悪化してくの(笑
結び方はこれでいいの??とちょっと疑問に思うところはあれど、
全体的に面白かったので☆3.5
asifの法則
警察の捜査協力のため、ひょんな事から偽物の殺し屋を演じることになった大学教授が、殺人依頼してきた美女と恋に落ちてしまったことで運命を狂わせていく…。
実際におとり捜査に協力した教授ゲイリージョンソンの仕事をベースにしているそうで、こういう仕事もあるのかとかなり興味をそそられた。いい題材だなと。
殺人依頼をしてくる人を囮捜査で先に捕まえるというなんともアメリカらしいお話ながら、キャラの魅力と不思議な哲学に溢れている映画。
今をときめくグレンパウエル の7変化、数々の"偽"殺し屋に扮するファンにはたまらない逸品。自分はそこまでグレンパウエルのファンでは無いのですが、グレン演じる根暗地味目哲学教授ゲイリーが殺人依頼をしてくるクライアントのために頑張って色んな殺し屋のコスプレ(虚構)をするうちになんだかワイルドな男へなっていくのがおもしろく、愛おしい。笑
実は映画的なアプローチにの様に感じて、演じている人が、劇中でさらに演じることによって理想の人物になる…。とどうなるのかというある種の哲学を感じられるところがこの作品の魅力ではないかと。ウディアレンとヒッチコックが好きな自分にはハマるわけです。
ゲイリーと恋に落ちるマディソンを演じるアドリアアルホナ もとても魅力的でこれは恋に落ちてしまうのも仕方なの無いぐらいかわいい。物語は予想通りのコメディ、ロマンス、ミステリ、ノワールの展開となっていくのだが…
賛否が分かれそうなシニカルが効いたラストが待ち構えていますが個人的には好きな展開の仕方。求めるものを演じていたはずなのに、求めている以上に自分と、想像したキャラが混ざり合っていく中でのあのラストは実に興味深かったなと。
劇中でもあったが、as ifの法則というのがあり、「~のように行動すれば、本当に~になる」という説があり、辛くても悲しくても、楽しんでいる様に行動をしていくと自然と楽しくなっていく。理想の自分を目指すなら、まずは理想の姿になってみる、その様に振る舞ってみるコトの大切さを教えてくれる?ストーリーなのか。
リチャードリンクレーター 監督作品だと、6才のぼくが大人になるまでや、恋人までの距離(ディスタンス)をみたことがあります。幅広いおもしろジャンルの映画が作れる監督、尊敬です。シンプルな話、シンプルなラストにする事はできた様に思えるけれど、あえてのラストにしたのだから不思議な魅力と、味わい深いものが生まれた作品だと感じました。
ブラック ブラック ブラック
リチャードリンクエイター流、大人のラブコメ
オチに向かって急降下
好き系統
キラー・コンテンツ
実在したゲイリー・ジョンソンのエピソードがとんでもなさすぎて、記事を読んだパウエル氏がこれは映画になる!と快哉を叫んだであろうことは想像に難くない。ただおそらく当の本人はそうたいした起伏もなく生涯を終えたので、映画としてはあのような無理やり取ってつけたようなオチを付け足したかと思われる。途中まではかなりカリカチュアライズして、殺し屋コスプレ大会の様相を呈していたのに、突如明らかに主人公らしからぬ行動に出る。倫理的にどうこうと言うより、そんなことをしそうもないキャラクターなのだ(女の方はいかにもしそう)。
それにしても元ネタの捜査方法はあまりにもリスキーすぎないか。接触する相手はそもそも人を殺そうと思っている連中なので、どんな行動に出てもおかしくない。しかもその後裁判に出廷して顔出ししているので、報復の危険性も非常に高い(裏社会にも情報が広まって依頼もなくなりそう)。
レオンはジョン・ウェインの仮装とかしていたけれど、あちらは本物の殺し屋だった。この主人公の仮装はほとんど殺し屋コント風なのもあって、どう見ても調子に乗っている。
「元の自分」と「演じている自分」
『トップガン マーヴェリック』以降、出演作品のヒットが続いて日本でも知名度爆上がりのグレン・パウエル。今作はリチャード・リンクレイター監督の新作に主演とのことで、私も楽しみにしていた本作、サービスデイの角川シネマ有楽町は平日午前中にしてはなかなかの客入りです。おそらく“ビフォア”トリロジーからのリンクレイター監督ファンも多いのだろうと思います。勿論、私もその一人。
で、今回はいきなり結論から入りますが、確実に面白いです。ゲイリー・ジョンソンという実在する人物を基に作られたフィクションですが、ゲイリーの本業と副業の意外な組み合わせから展開される物語は、経験と状況によってゲイリー(グレン・パウエル)に意外な変身をさせていきます。実はこれ、物語の前半に伏線としてのシーンがあることで、ゲイリーだけでなく観ている私たちも信じてしまう暗示となっており、やはり巧い脚本だと思います。
そして、ゲイリーを変えるさせるのに強い原動力となるマディソン(アドリア・アルホナ)の存在が重要。二人のまさかの出会いから、ゲイリーに魔が差すきっかけを与える彼女。持ち前の天然性からの大胆すぎる行動は、常に「何か起こりそう」な不穏さも感じますが、魅力的なルックスと抜群な相性の良さでゲイリーもついつい大胆になっていきます。そして、思いもよらぬ展開に、「元の自分」と「演じている自分」の境界線が曖昧になっていくゲイリー。もはやゲイリーとマディソンの運命の行方に目が離せません。
緩急の利いた展開で、前半には想像し得ないほど後半には絶体絶命の状況もあり、まさに興奮のエンターテインメント。勿論、今回もグレン・パウエルの可愛げといい身体全開で、彼のファンなら勿論必見の一作。満足度高いと思います。
え?いいの?
変装はできないが、変奏し続けるリンクレイター
ゲイリーは様々な人物になりきることで、
複雑なミッションを遂行していく。
この多面的で変幻自在なキャラクターは、
一見するとタランティーノ作品のような、
ユーモアや、ブラックなテイストを期待させる。
しかし、リンクレイターは、その期待を裏切るような、
コメディの成分は多少はあるが、
どこか真面目なトーンで物語を進めていく。
どういう事か。
本作のおもしろさは、
◯主人公の多人数の変装。
◯殺人の依頼を受ける殺し屋。
◯おとり捜査。
◯ラブ
だろう。
それに、ブラックさ、ユーモア、アクション等々を加味しない理由は、
リンクレイターのパーソナリティ(作家性というよりも)、
に関係があるのかもしれない。
本作のセリフでも何度も出てきたが、
〈自分って誰〉
〈新たな人生〉
〈違う自分〉
これは、
「スラッカー」から、
手を変え品を変え、
インディペンデントで、
メジャーで、
時には裏声も使いながら、
さじ加減も変えながら、
常に同じメッセージを作品に内包させ続けてきた。
その理由を類推すると、
アメリカ人として、
映画監督として、
ひとりの人間として、
小文字の、
make america great again
を、
人生に仕事に、
アイデンティティに、
目の前で途中下車した、
または、
乗り換えた仲間たちに、
ささやき続けてきたのではないか。
そして本作でも、
残り少ない時間を意識しながら、
あらゆる変装を試みて、
自己探求を行うだけでなく、
社会の中で様々な役割を演じ、
その中で自己を見出そうぜ、
エブリバディ・・と。
ユーモアの成分を少なくして、
つまり、
ゲイリー100%で、
俺はロンにはなれないんだと、
言い続けていたような気がしてならない。
【蛇足】
新宿ピカデリーの、
「リトルダンサー」4K上映のプロモーションのポスターのデカさ、
デジタルサイネージの物量に驚く。
ケン・ローチ作品でおなじみの、
ゲイリー・ルイスが演じるガンコ親父と、
主人公の兄貴のストライキのシークエンスは、
自分が参加した作品のシナリオ会議で、
このシークエンスの親子の関係、
仕事仲間との、
対立、葛藤の役割りの、
バランスの按分を何度例に挙げた事か、、、基本のき。
気になっていた作品。こういうテーマにありがちなシリアス展開があんま...
天網恢恢、疎にして漏らしちゃった!
囮捜査って、ある意味『マイノリティ・リポート』のプリコグを使った犯罪防止のようでもあるけど、やはり恣意性の介在リスクは高いと思う。
それはさておき、微妙にバランスの悪い映画ですね。
哲学を勉強してるというか生業にしている人として、それなりの倫理観とか論理の帰結があるはずなのに、まったく合理性のない結末の展開で、主人公のキャラとしては破綻してませんか?
それなら闇堕ちしても仕方ないよね、という要素もなく、お天道様の下で堂々と幸せになってるし。
『天網恢恢、疎にして漏らさず』なんて故事成語が意外と身体に染み付いてる我々日本人にはちょいと馴染まないというか。
まぁ、コメディといえばコメディなところもあるのでいいんだけど、後味が悪いので〝契約〟を見直してもう一度編集し直したらいいのに。
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