劇場公開日 2024年9月13日

「とてつもない傑作〜年間ベストワン候補、現れてしまった」ヒットマン kammomenさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0とてつもない傑作〜年間ベストワン候補、現れてしまった

2024年9月16日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

リチャード・リンクレイター監督は「6歳の僕が大人になるまで」と言う大傑作を撮っていて、僕はこの作品を2014年の年間ベストワンに選んでいます。

今作の主人公は大学で哲学を教えるいっぽう、警察で殺人依頼の囮捜査に挑む主人公です。傑作は開始3分で分かるもの。

主人公の飼い猫がIDOとEGOであるスタートシーンから傑作の匂いがプンプンします。「本能的欲望」と「自我」。もちろん超自我を説明したフロイトの概念です。大笑いしてしまいました。この哲学的概念をキーワードに巧みに物語は進みます。

この物語の面白いところとして、大学教授が学生たちに哲学やサブカルチャーを教授するくだりが非常に素敵な会話、知的な英語が使われ、最高に楽しいです。

名画「スティング」のような、ヒッチコックのような、ビリーワイルダーのようなクライムコメディタッチで話は進みますが、とある女性の出現をきっかけに心理劇へと劇が一変します。

このあたりが主演グレン・パウエルの好演もあって誠にドキドキします。彼は今年「恋するプリテンダー(ひどい放題笑)」にも出演していたのですが、この時は感じられなかった彼の魅力が今作品では爆発してます🌟

様々な扮装をキャラクターに成り切って演じる素晴らしい演技で、すっかり僕は彼のファンになってしまいました。そして、助演のアドリア・アルホナの魅力的なこと‼︎ 惚れちまうがな‼︎

物語の最後はまことに清々しいもの。一部の勧善懲悪をを求める「法の奴隷」の方々はかまびすしいですが、そこにこだわる人は「水戸黄門」を何百回でも見ていればよろしい。

サムペキンパー監督は「ゲッタウェイ」最後に悪行の限りを尽くしたスティーヴ・マックイーンとアリ・マックグローのカップルをメキシコの国境の彼方に、やすやすと解放しています。

この映画もそういう開放感に包まれた素晴らしい「愛の祝福」に満ちています。パウエルの英語は英会話の先生のようにスッキリ。キレのいい英語が交わされて気持ちいい、気持ちいい。うーむ、まだ初見なので、いったん100点です‼︎ 💯付けちゃいましょう。

kammomen