劇場公開日 2024年9月13日

「人は変われるグレパウ七変化!」ヒットマン とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人は変われるグレパウ七変化!

2024年9月13日
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鑑賞方法:映画館

新しい自分。殻を破ってなりたい自分のように振る舞えば、それがやがて本当の自分になるから。自分を追い込むような、何かキッカケで人間は変化することができるのだと、テーマとしては普遍的なものを取っつきやすい形で教えてくれる(あ〜自分もそうなれなら)。人生は短い、心に従って生きたいように生きよう。イドとエゴ、そしてスーパーエゴ。
"All pies are good pies." どのパイもうまい。日頃のグレン・パウエルを知っているからイケイケな"ロン"の方が知っている彼っぽくて、むしろ主人公ゲイリーの実際の姿のほうが"演技"しているなという感じだけど、やっぱり他の潜入捜査モードは流石にノリノリで成りきっていてお見事だった!それだけで見ていて楽しい(往年のスパイものみたい!)。あと、そんな主人公も -- 銃の使い方など訓練を受けて警察に協力しているという設定だから超不自然ってわけじゃないが -- やっぱり服を脱いだらムキムキいい体。そして何より機転が利いて、弁が立つ!! 売れっ子になっても変わることなくスターが大作から離れてはこの入魂作品で新たな一面・役者としての幅を見せるショータイム、貴方はどのグレパウがお好き?
大好きなリチャード・リンクレイター監督 ✕ 今や押しも押されぬ人気俳優グレン・パウエル主演 =『ファーストフード・ネイション』『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』『アポロ10 1/2』盟友コンビ共同脚本・製作コメディ。それは、新しい契約の隅々まで確認しなきゃ。沼にハマっていくような主人公(わかるな〜共感)…ベッド越しに2人を収めるショットが、ベッドの柵に隠れて一人ずつ消えて、互いにそういう存在・関係だと象徴的に見えた。潜入捜査までは実話だけど、そこからの話の膨らませ方も上手くて、自分が想像していた展開とは方向性が少し違ったのもあって、最後のダークなオチまで「どうなるのだろう?」って素直な気持ちで楽しめた。本当の危険分子はアイツかコイツか?!
古き良き王道感を"事実は小説より奇なり"で温故知新?プロットに沿ったテーマの建て方、主人公による大学の講義内容も使った打ち出し方が自然で上手いし、主人公が作中変化していくのもよかった。どこかに既視感というか懐かしさはあるのだけど、やっぱりおもしろくて新鮮に響くようなあたたかい映画マジックが嫌味なく起こっていた気さえした。勝ち方まで自身の得意なトーンで何でも撮れることをまたもや証明した本作はリンクレイターのフィルモグラフィーにおいてベストな傑作ではないかもしれないけど、紛れもない良作だ。応援したくなる愛しい時間だった。

P.S. 超〜〜〜絶見たかった作品、やっと見られた!!!!!!!! 本当は『チャレンジャーズ』の日本公開日と同じ日にNetflixで世界配信されているはずだったから、それより日本公開情報出るの遅かったな。

You're a killer for living.

とぽとぽ