「B級に求めるハードルをギリギリでクリアしてきた感」キラー・ナマケモノ ねこきちさんの映画レビュー(感想・評価)
B級に求めるハードルをギリギリでクリアしてきた感
2ヶ月経って思い出して書いています
「サメ映画好きだよね」と友達に誘われて見に行きました。
「バカバカしくてチープで血糊とイロモノ出してたら満足するんでしょ?」とB級のセオリーをただなぞるだけの作品は、足元をみられてるように感じて好きになれないんですが、ちゃんと観客を楽しませようというサービス精神は感じました。
ナマケモノはつぶらな瞳で可愛いし、サメ映画のサメほどの発想の自由さ(トンチキ具合ともいう)はなくナマケモノの概念に縛られつつ、その範囲で頑張って凶悪顔をしてみたり、暴れ倒してくれる姿が非常に愛くるしい。パペットのチープさもいい。女子大の寮が舞台なので主人公の彼氏以外はほぼ若い女の子で犠牲者のバリエーションはあんまりないけど華はあるし、ほぼ全員頭が悪くてスナック感覚でサクサク死んでいくのもギャグとして悪くない。アメリカのカルチャーみたいなのも垣間見れて新鮮。
でも「いい奴も悪い奴も関係なく死ぬ理不尽映画」みたいなところまで振り切れてないので、登場人物(ナマケモノ含む)の生死の線引きに微妙にモヤモヤが残ります。動物愛護とか環境破壊への問題提起を出すだけ出しながら、回収がめっっっちゃ雑なのも微妙。
ゴールデンウィーク期間の大手シネコンでこれがかかったのは、嬉しい反面、今の映画業界大丈夫なんでしょうか。
来場者配布ステッカーは好みどストライク。大喜びでその日にスマホに貼りました。下手なグッズより品質もしっかりしてて、いまだに全然剥がれも色褪せもありません。このステッカーだけで星1つ分おまけしたい気分ですが、後から配信なりで観る人にはステッカーついてこないな、と思い直して入れずに評価しました。