「開いていく物語」余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。 kyouさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0開いていく物語

2024年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

こういう作品はタイトルからある程度話の筋が想像できるものですが、中盤からはずっと予想外の展開で、最後は驚きと悲しみの中にも温かな希望が感じられ、当初の想像を遙かに超える感動の中に見終えることができました。
余命ということで、逝く者の物語はだんだんと閉じていくものですが、この作品は余命宣告をうけている2人ともに物語がどんどん開いていくように感じました。2人が出会ってからの日々、時に気持ちが沈んでいく中でも互いの言葉に希望を見出し、2人の物語は閉じずに開いていく。その象徴があの美しいガーベラの花々、そしてそれぞれの絵だったように思います。
終盤の秋人役の永瀬廉さんの演技に涙が止まりませんでした。春奈役の出口夏希さんは希望を宿した瞳が美しく、このお二人の純粋さがこの作品をとても美しく、悲しいだけではない希望のある物語にしていると感じました。そして綾香役の横田真悠さんもすばらしく、彼女の存在なくしてはここまで温かなお話にはならなかったのではとも思います。

kyou