「今もまだ続く戦争の現実」マリウポリの20日間 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
今もまだ続く戦争の現実
普通の建物や民家があっという間に廃墟になり、次々に運ばれてくる怪我人が遺体になる。
開始15分ほどで観客の啜り泣く声が聞こえてくる。それすらだんだん途切れてくる。涙も枯れ果てた頃、観客全員が無言で出てくる。
初日に鑑賞。ドキュメンタリーにしては大きい劇場で観客も大勢入っていたことが救いか。日本も対岸の火事ではない。戦争が始まったら日常が破壊されるのはあっという間だ。マリウポリの人々もまさかこれほどの惨状になるなんて思ってもみなかっただろう。太平洋戦争前の日本がそうであったように。
この映画を撮影していた監督が脱出してすぐマリウポリは占領され、今は実質ロシア領になってしまった。ロシア人になりたくないと泣いていた市民の声を思い出す。ウクライナからの難民は200万人以上。まだ戦争の終わりは見えない。
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