オーメン ザ・ファーストのレビュー・感想・評価
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怖いというより、気持ち悪い
題名通り、悪魔の子ダミアンが誕生するまでの物語り。
キリスト教信者ではないせいか、よく分からない部分もあったが、ストーリーにはヒネリもあり、次回作への布石もしっかり敷かれていた。ローマを舞台にし、雰囲気も合っている。
しかし、怖さよりも気持ち悪さが勝った映画だった。
ホラーの本質が分かっていない
字幕版を鑑賞。1976 年公開の「オーメン」の前日譚で、ダミアンが誕生するまでが描かれている。「オーメン」は続編が二作作られて完結しているが、そもそも何故ダミアンが誕生したのかは謎のままだった。オーメンの第一作の恐怖は今でも語り草になっているほどで、CG もなかった時代に非常に秀逸な雰囲気を作り、心臓が飛び出すかと思わせられるほどのショックなシーンが沢山あった。
約 50 年ぶりにあの雰囲気が味わえるのかと思って期待して見に行ったのだが、残念ながら非常に肩透かしだった。この女性監督は、ホラーというものの本質が分かっていない。不快で汚いだけのものはホラーとは言えない。後で思い出してもゾッとするような恐怖がホラーの本質であり、人智を超えた悪意に満ち、見た目が怖く、説明不能で、理不尽で、見る者に当事者感を与えられなければホラーは成立しないのである。
前作が折角謎としていたダミアン出生の秘密とその計画者をこの映画は説明してしまっているのが何より頂けない。説明されてしまえば陰謀の一つに過ぎなくなってしまって怖くはなくなるのである。キリストを認めなければ反キリストは怖くないし、反キリストを生み出せば人類が皆熱心な信者になるなどという能天気な話では到底計画を進めるべきではない。それに、最終的に反キリストを倒せる者も用意していなければ、消火器も用意せずに放火をするような間抜けな話になってしまう。
ダミアンを産ませるための少女をまず誕生させるというのは手間がかかりすぎるのではないか?どうせならいきなりダミアンを産ませた方が早いに決まっている。その試行を振り返るあたりの話は「エイリアン4」の既視感が感じられて鼻白む思いがした。女性監督ならではの視点で、自分がされたら嫌だと思うことを並べたような感じだが、どうもそれがホラーの本質と勘違いしているようである。
前作では秘密に近付く者が不思議な力で悲劇的な最期を迎え、その予兆のようなものまで示されていたのに、今作では必要のない死亡や負傷ばかりで、人智を超えるものによるおぞましい死というものではなく、自殺だったり交通事故だったりと、互いの関連が薄いものが立て続けに起こっているだけという印象が拭えなかった。特に、あの修道女は何のためにあんな最期を迎えたのかは全く説明不能ではあるまいか?ミスディレクションを演出するためだけにあんな真似をしたのなら完全に命の無駄遣いであろう。
音楽もピントがはずれてばかりで、ジェリー・ゴールドスミスの書いた前作のテーマが流れるまで、全く聞くべきものがなかった。ホラー映画で音楽の効果は絶対的なものがあるはずなのに、一体何をしているのかと不満が募った。これで良しと監督が納得したというのであれば、この監督は音楽の素養も全く持ち合わせていないとしか思えない。
もっといくらでも恐怖を演出する方法はあるだろうにという満たされない思いが終始頭から離れなかった。ホラーとお笑いは紙一重で、一歩間違えると爆笑を生んでしまう。試作品を作る度に「悪魔さん、宜しくお願いします」とか頼んでいたとしたら大爆笑ものである。そもそも、頻繁に悪魔が呼び出せるなら、子供なんか作らせるより、本人に暴れて貰えば良いではないか。この映画は爆笑を生むほど酷くはなかったが、汚れた画面を見せればホラーだとでも思ってるらしいのがホントにやり切れなかった。
(映像3+脚本1+役者3+音楽1+演出1)×4= 36 点。
オーメン:ザ・ファースト 率直な感想として初代作に繋がる綺麗な前日...
オーメン:ザ・ファースト
率直な感想として初代作に繋がる綺麗な前日譚を作ってきたなという印象。とても見やすくて初代作ファンへのファンサービスシーンも多くて面白かった。
ジャンルとしてはホラー作ではあるが近年のホラー作品に比べると個人的には恐怖はあまり感じられず、グロさも程々。モザイクシーン多数有りは少し笑ってしまった。
恐怖を楽しむと言うよりかはダミアンの母、ダミアンの誕生はどうなされたかという初代作への詳細を初代作から約50年近い時を経て味わう楽しさが味わえる作品に思えた。
初代作は生まれる前の作品でありリアルタイム世代では全くないがそれでも楽しめる作品ではあった。
ここからもう一度ダミアンの作品を作れる様に終わらせてるようにも感じ続編を期待したくなる。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アイアンクロー 4.7
5 オッペンハイマー 4.7
6 アマグロリア(原題)Àma Gloria(横浜フランス映画祭2024) 4.7
7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
8 ARGYLLE/アーガイル 4.7
9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
10 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
11 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
12 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
13 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
14 アクアマン/失われた王国 4.5
15 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
16 異人たち 3.7
17 ミツバチと私 3.6
18 ブリックレイヤー 3.5
19 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
20 オーメン:ザ・ファースト 3.4
21 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
22 12日の殺人 3.3
23 インフィニティ・プール 3.3
24 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
25 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
26 コヴェナント/約束の救出 3.0
27 僕らの世界が交わるまで3.0
28 ストリートダンサー 3.0
29 カラーパープル 2.9
30 弟は僕のヒーロー 2.8
31 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
32 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
33 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
34 関心領域 2.6
35 ジャンプ、ダーリン 2.5
36 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
37 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
38 マダム・ウェブ 2.3
39 落下の解剖学 2.3
40 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
41 哀れなるものたち 2.3
42 ザ・エクスチェンジ 2.2
43 DOGMAN ドッグマン 2.2
44 パスト ライブス/再会 2.2
45 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
46 ボーはおそれている 2.2
47 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
48 瞳をとじて 2.2
49 ゴースト・トロピック 2.2
50 葬送のカーネーション 2.2
51 Here ヒア 2.1
52 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
53 ハンテッド 狩られる夜 2.0
54 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
55 ゴッドランド GODLAND 2.0
56 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
57 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
58 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
59 デストラップ 狼狩り 1.6
60 VESPER/ヴェスパー 1.5
61 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
邦題が微妙に変わっている理由はわからないが、思いっきり意味が違うと思うのは私だけだろうか?
2024.4.5 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカ映画(118分、PG12)
伝説のホラー映画『オーメン』の前日譚として、シリーズ5作目の作品
アメリカから来た修道女見習いが奇妙な出来事に遭遇する様子を描いたホラー映画
監督はアルカシャ・スティーヴンソン
脚本はティム・スミス&アルカシャ・スティーヴンソン&キース・トーマス
原題は『The First Omen』で「最初の予感」という意味
物語の舞台は、イタリアのローマ
そこにあるヴィッツァデリ修道院では、孤児たちの他に出産費用に困っているシングルマザーたちの受け皿にもなっていた
ある日、その修道院にアメリカのピッツフィールドから、一人の修道女見習いの女性マーガレット(ネル・タイガー・フリー)がやってきた
修道院を支援するローレンス枢機卿(ビル・ナイ)がアメリカに来た際に結ばれた縁で、若手のガブリエル神父(タウフィーク・バルホーム)が彼女の案内係として駅まで迎えに来ていた
修道院はシルヴァ修道院長(ソニア・ブラガ)の元に数十人の修道女がいて、見習いの人たちもたくさん従事している
マーガレットは、その中の一人ルス(マリア・カバレロ)とルームシェアをすることになっていたが、ルスは修道女になったらできないことをしようと、マーガレットをクラブへと誘う
二人に声をかけたのはパオロ(アンドレア・アルカンジェリ)とその友人アルフォンゾ(グイド・クアリオーネ)で、ルスはアルフォンゾを気に入ってどこかに消えてしまう
そこでマーガレットはパオロの相手をすることになるのだが、ハメを外したマーガレットはとんでもない痴態を晒すことになったのである
映画は、『オーメン』の前日譚ということで、「ダミアン」が誕生するまでを描いていく
テイストとしては「誰がダミアンを産むのか」という感じになっていて、ルス、少女カタリーナ(ニコール・ソーレス)らも、それっぽい感じに描かれていく
最終的にはマーガレットがダミアンの母でした!というオチで、しかもダミアンには妹ライラがいた!という衝撃の後付け設定のようなものをぶち込んでしまう
『オーメン』の公開が生まれた直後ぐらいの世代で、「666が悪魔の数字」で「ダミアンという危険な子どもがいる」ぐらいしか知らずに鑑賞
前日譚なので特に問題はないのだが、後半は『オーメン』に感じてきたイメージよりは『エイリアン』みたいな感じになっていた
クリーチャーらしきものが生まれるモザイクシーンは全世界共通なのかわからないが、これまで見たモザイクの中で一番荒いドットのモザイクを見たように思う
いずれにせよ、シリーズのファンに受けるのかどうかはわからないが、ホラー映画として観た場合には怖さはさほど感じなかった
怖いというよりはグロテスクで気持ち悪いという印象で、肝心なシーンは全面モザイクで、マーガレットの出産シーンは角度をつけて見えないようにしているのも意味がわからない
ある程度、悪魔信仰とかキリスト教とかの知識が必要な感じだが、小難しい引用もそこまでない感じで、純粋にホラーとして楽しめるかどうかだけの物語のように思えた
シリーズファン向けというよりは、新しいファン獲得の方を優先し、ダミアンは双子だったという設定によって、別の『オーメン』ロードを続編にしようとしているのだと思う
そう言った意味では、前日譚でありながら、違うルートを描くシリーズになっているので、その都度オリジナルシリーズとの関連が匂わされるのではないだろうか
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