「スタッフ&キャストさんたちは良く頑張った感が有る」【推しの子】 The Final Act LEEさんの映画レビュー(感想・評価)
スタッフ&キャストさんたちは良く頑張った感が有る
アニメ版がなかなかに良く出来ていて面白かったので、アマプラで実写シリーズを観て「まあ、これはこれでマンガの実写化としてはアリかも」と思いつつ、ここまで付き合ったのだから実写版のラストは観ておくべきだろう…と、映画館へ足を運んだ。
正直に言えば映画の完成度としては、赤点だと思う。
そもそも原作自体が『推しのアイドルの子供として生まれ変わった主人公たち2人の兄妹が、アイドルだった母親を殺した真犯人を探し出し復讐するという美味しいネタを思いつき、漫画家の画力と構成の巧さで人気を集め、ドラマ的には風呂敷を広げ過ぎて収集が着かなくなったが、なんとか完結させた感じ』だったわけで。
「そんな原作を映像作品としてどう纏めるんだろう?」と怖いもの見たさでチケットを買ったので、その意味では期待以上に良く出来ていた。
実写シリーズを観てすでに判っていた事だが、アイ役の齋藤飛鳥さんの演技も良いし、脇を固めるベテラン役者陣の演技も安定していてよかった。
ただし、主役のアクアとルビーを演じた櫻井海音さんと齊藤なぎささんは主演を張るには、まだ力不足な感じは否めなかった。
…とは言え、原作ストーリーの破綻っぷりを理解した上で鑑賞すれば、スタッフをはじめ各キャストさんたちの頑張りには拍手を送りたくなる出来栄え。
個人的な意見としては、この映画を単体で見たら訳が解らないと思うので、せめて原作の前半部分を描いたの実写シリーズは見た上で見るべきだと思う。
…と言うか、原作を読んでそこに魅力を感じた人が怖いもの見たさで鑑賞する事をお勧めする。
次はアニメ版の第3期がこの原作をどう描くのか楽しみなくらいには推しているので、不思議な力のある作品だとは思っている。
…てか、本質的には漫画家やアニメ版、実写版のスタッフ&キャストさんたちの実力がこの作品を支えているのだろう感じる。
そう言う所が楽しめない方にはお勧めてしない。