劇場公開日 2024年6月14日

「才能ってなんだろ」数分間のエールを ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5才能ってなんだろ

2024年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

70分の短さだけどよくまとまった作品。
真面目な内容だけど、結構コテコテなアニメテンションだったりもするので、ちょっと思ってた雰囲気と違うってところはあるかも。
アニメのちょっとオーバー表現な感じが楽しめる人は楽しくも見れる作品。

「CGアニメ表現」
CGアニメなんていくらでもあるけど、比較的よく見る感じとは違った、輪郭線がないトゥーンレンダな感じ?ゲームっぽい感じ?
見始めはちょっと合わないかも知れない…と思ってたけど、まぁ気がつけば全然違和感なく見れました(いつもそんな感じだなぁ)
恐らくリアル系の3DCGアニメはピクサーとかには敵わないのかなーって気がするけど、日本の3DCGアニメはもしかしたらこういう方向で進化?特化?していくのかなーなんて思ったりもした。
普通に輪郭線あるセル画風のも好きだけど。

「そんなので大丈夫か?主人公」
主人公はものづくり楽しい盛りでそれはそれで良き事で、どんどんやってけーとは思ってたけど、実際先生の曲のMV作りはじめた時「MV良かったらまた音楽やってくれるかも!」とかそんなので作り始めたので、「うわ…主人公大丈夫か?」とも「え?これで良いMVできてバズって先生も音楽最下位してとかだったらどうしよ…」と思ったけど、
流石にそんなにペラッペラな作品ではなかった。

「ちょっと怖いなインターネット」
赴任してきた先生の名前検索して過去の活動探るのもそうだし、待ち受けの風景からいそうな場所に辿り着くのも、ちょっと怖いなと…
まぁもうそういう社会かも知れないけど、本名で活動するのとか、写真アップとか迂闊に出来ないな。

「才能」
結局出てきた登場人物たちに才能があったのかはわからない。努力する才能とかはある気もするし、歌でも絵でも動画でも1作品完成させてる時点で才能ある気もするし。
自分に才能あるかもと思ったのに結局何にも引っ掛からず才能なかったとする人、
他者に評価されてしまったがために自分に才能あるかもと思ってしまった人。
才能ってなんだろうなぁってすごく思った。

「MV創作シーン」
出来た作品よりも作っていくシーンの表現がテンポも良く、すごくワクワクさせられて良かった!
最近3DCGを勉強し始めたけどあんなサクサク作れたらなー
実際あんなサクサク作るもんじゃなくて、地道な作業の積み重ねなんだろうけど…
自分はMV作りたいわけじゃないけど、コツコツ頑張っていこうと思いました。

「ピンクの髪の子」
あの子自体、あの子のバンドもう少し見たかった気がする。彼女には彼女なりなものづくりに対しての想いがありそうなのになぁ。
MVももっと見たかったし。

「自分で夢を諦める残酷さ」
ラストは思ってたほどのご都合主義の全部が良い結果になってハッピーエンド!とはならなくて、逆にそれで良かったなと思った。
反面、先生は一度夢を諦める決意をしたわけで、自分の夢を自分で区切るって相当しんどい事なのに、それを高校生にまだやれるって!と言わんばかりに推されまくるの相当しんどいだろうなぁと…
やっとの思いで区切りをつけたはずなのに、それを出会って日も浅い人に言われるのキツいって…
もちろんこういう題材の作品なんだから最後は人の心動かせたって終わりにならないと、なんだよこれってなっちゃうだろうけど。
なんかキツかったなぁ…

才能ってらなんだ?って考えさせられたりもしたけど、思いのほかあまり刺さらなかった気がする作品。
同じ日に「ルックバック」を見てしまったのもあるかもしれないし…
なんだかんだであまり見慣れていない作画のせいかもしれない。
ただ映像、ストーリーともに楽しさや見どころがちゃんとあるので、見て損はないはず!!

ごはん