NN4444のレビュー・感想・評価
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「あー、ね。」
かなり面白かった。
オムニバスなので各作品の短評を書きたいと思います。
「犬」☆4.0
飼われているものの象徴としての"犬"。
会社に鎖で繋がれ、親に鎖で繋がれ、配偶者に鎖で繋がれ…その屈折した抑圧がやがて日常を狂わせていく。「なんかいやーな感じ」を描写するのが上手かったです。個人的には冒頭のレストランのシーンが一番「なんかいやーな感じ」だった。
「Rat Tat Tat」☆3.5
おそらく、流産と不妊のトラウマがテーマか。
話はシンプルだったが演出が良かったので面白く観れた。
「洗浄」☆4.0
4作品の中では最もホラーらしいホラーか。ただ個人的にはブラックコメディとして観ました。
「酒に溺れる」という言葉を文字通り映像にした感。酒を飲まない人が、大酒飲みに苛ついて脳内で酷い目に遭わせたような話。
「VOID」☆5.0
ラストに相応しい素晴らしさ。見事に心を撃ち抜かれました。長編でも見てみたかった。
脚本も演出も演技も音楽もすべて好みでした。細かいセリフのひとつひとつがよく考え抜かれていたので、あの年頃の特有の雰囲気がよく出ていました。
設定は面白いが少し物足りない
本編は、ホラー短編4部から構成されたオムニバス形式。
1.タイトル「犬」…会社でミスばかり、家では彼氏からdvと問題を抱える主人公。ある日犬の鳴き真似をしながら食べ物を探す放浪者と、父親が問題の少女と出会う。主人公がなんやかんや放浪者を助けるが、朝には逃げられてしまった。
3人は葛藤や抑圧が原因で遠吠えするシーンは良いが、結局女の子の方はどうなったか明かされていないのが気掛かり。
2.「妊婦」?…流産した事を儀式的に表した作品。折角産まれた子が蝋のように溶ける描写と、手拍子による演出は魅入られました。
ただ、少し単調だったように感じました。出産するまで苦しむシーンが長く、どうせならその合間に主人公の過去の描写があると良いかなと思います。
3.「洗浄」…一番怖い作品だと思います。水に執着するようになる姿はゾクっとしました。なんでそうなったかっていう設定はないですが、短編としては満足しました。
4.「点」?…人の死はあっけないという話。個人的にあまり刺さりませんでした。友達が忘れてる様に振る舞ってるのが白状と思うのなら、ずっと暗い顔して死を引き摺る方が良いんでしょうか?
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