「誰かがそう書いてるだけかも」箱男 ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かがそう書いてるだけかも
あの箱が象徴しているものは、価値観とか偏見とか物差とかパラダイムとか色々に解釈できると思うが、他評者数人がご指摘のようにSNS上の匿名性に安住して垂れ流される独善性,という見方が現代社会にハマるだろう。そういう意味では一旦頓挫して今まで寝かせていたのは「正解」かも。
後半,ノートの記述と現実との区別が曖昧になるあたり,物語の記述法が「誰それがこう言った」みたいな客観的・俯瞰的な観察者目線なのか,登場人物の「わたし」目線なのか,という小説作法談義っぽくなるところが個人的には面白かった。
落ち着きのない浅野忠信はなかなか新鮮だったし,白本彩奈の劇エロまではいかない寸止め感も品があってよかった。
残念ながら万人にお薦めはし難いが訳のわからなさに翻弄されてみるのも一興。
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