「私はスマホ男」箱男 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
私はスマホ男
学生の頃に出版され飛びついたが難解で未読の箱男。
映画になって、封切り初日に飛び付いた!
やっぱり難解でした。
あの頃には知らなかったナラティブ.アプローチ的に解釈してみると、分かりよく箱男に成れる。
まあ、27年ぶりの復活劇は、伝説神話となり予言となった感じがある。
たった一人しか居ないはずの妄想による虚構の箱世界が、気付かない内に町中に伝播し、まるでスマホではないかと感じる。
仮面や会社、職業、国家などのカテゴリーやジャンルという箱にすり替えると、そこにはそれぞれの妄想による闘いに展開され安住できるの箱は無い。
そんな難解な妄想を考えさせる映画もたまには、楽しかった。
そもそも、その妄想とは何か?
熟年俳優さん、27年も老いてあの小さな箱での演技でよくも密閉恐怖症にならずお疲れ様でした。
熟年だからリアリティーを強く胸を打った。
安部の予言は何だったのか!
( ^ω^ )
箱男
劇場公開日:2024年8月23日 120分
作家・安部公房が1973年に発表した同名長編小説を、「狂い咲きサンダーロード」「蜜のあわれ」などの鬼才・石井岳龍監督が映画化。
1997年に製作が正式に決定、スタッフ・キャストが撮影地のドイツ・ハンブルクに渡るも、クランクイン前日に撮影が突如頓挫、幻の企画となってしまった・・・。
しかし、石井監督は諦めていなかった。悲劇から27年、奇しくも安部公房生誕100年!
ダンボールを頭からすっぽりと被った姿で都市をさまよい、覗き窓から世界を覗いて妄想をノートに記述する「箱男」。
それは人間が望む最終形態であり、すべてから完全に解き放たれた存在だった。
カメラマンの“わたし”は街で見かけた箱男に心を奪われ、自らもダンボールを被って箱男として生きることに。
そんな彼に、数々の試練と危険が襲いかかる。
1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫してしまった幻の企画が、27年の時を経て実現に至った。
27年前の企画でも主演予定だった永瀬正敏が“わたし”を演じ、
“わたし”をつけ狙って箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者役で浅野忠信、
箱男を完全犯罪に利用しようともくろむ軍医役で佐藤浩市、
“わたし”を誘惑する謎の女・葉子役で白本彩奈が共演。
箱男
劇場公開日:2024年8月23日 120分