劇場公開日 2025年3月21日

「チグハグさを感じた理由を考える」BAUS 映画から船出した映画館 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5チグハグさを感じた理由を考える

2025年4月26日
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鑑賞方法:映画館

観ているうちに、ちょっとしたチグハグさに由来した違和感が積み重なっていったのだが、終わってから、「あぁ、これは“吉祥寺バウスシアター”という固有名詞について描いた映画だったからだ」と気づく。
正直言って、地方の人間の自分にとっては、吉祥寺の位置もよくわからない。井の頭公園という名前は知っているが、その公園と吉祥寺という土地の関係もわからない。そして、吉祥寺バウスシアターの文化史的な位置付けも、何で閉館したのかも知らない。
それを知っている人たちにとっては、すんなり入ってくるのかもしれないけれど、特に物語のラスト付近の「閉館あいさつ」辺りからエンドロールにかけては、自分は内輪ノリに全く置いてけぼりにされた気分になってしまった。
それを言語化すると「染谷将太演じる主人公サネオの半生を借りて、映画の変遷や、社会及び政治との関わりなどを描きながら、普遍的な“映画”そのものを映画で描こうとしている作品」だと思いながら観ていたら、「実は、描こうとしていたのは、“吉祥寺バウスシアター”という劇場のことでしたー」というネタバレを喰らったというか、ハシゴを外されたという感じ。
一生懸命観ていても、サネオのセリフや峯田演じるハジメのセリフが今ひとつ響いてこなかったのも、こちらが読み取ろうとしているものと、作り手が描こうとしているものにズレがあったからと考え、一応納得した。

もちろん好きなところもたくさんあった。
漂う煙を追いかけるファーストシーンのカメラワークとか、その場にいない橋本愛と会話する鈴木慶一の佇まいとか。それから、吉岡睦雄の甲高い声の「まいっか」にはその度笑わせられたし、奥野瑛太や黒田大輔や光石研のセリフには「そういう所にちょっと主張をぶち込んでくるんですね、ふむふむ…」と思いながら納得できた。また、所々で突然登場する演劇的な演出もどちらかというと好き。大友良英の音楽もよかった。そしてやっぱり夏帆はいい女優だなと改めて思った。

それにしても、鈴木慶一、最近いろんな作品に出てますねぇ。

sow_miya
Freddie3vさんのコメント
2025年4月26日

ども。共感ありがとうございました。夏帆さんの寝顔と髪型に⭐️オマケした者です

Freddie3v
トミーさんのコメント
2025年4月26日

共感ありがとうございます。
バウスを知ってる人には尻すぼみ、知らない人には結局何を?って感じなんですかね。撮り方は仲々面白いと思いました、夏帆さんは安心させてくれますよね〜。

トミー