劇場公開日 2025年3月21日

「時代の終焉を浴びつつ次の世代に思いを馳せる」BAUS 映画から船出した映画館 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5時代の終焉を浴びつつ次の世代に思いを馳せる

2025年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

今はなき吉祥寺のバウスシアターの経営者の話というなかなかマニアックな題材をなんとか実現させて公開していることがそもそもこの企画の意義にはあってるのかもしれない。いろんな意味で自由で無茶で。

映画終盤のいくつかのマイクパフォーマンスのセリフでうんうん頷いたりしながら、偶然同じ日に鈴木慶一を別の作品でも観たりしながらよっぽどこっちのほうが存在感もあり、また感動的ではあった。

どんな予算か知らないけれど、まず衣装をあれだけのエキストラに着せてるだけで素晴らしい。気合いが違う。そして再現できないんだからしょうがないだろ、という原っぱに看板立てるホドロフスキーの『リアリティのダンス』的な割り切りもスタイルとしてありでした。ひとつひとつやな熱がある。

いかんせん当人のことをそれほど知らないのでそこまで興味深くは入れないところはあるけれど、ラストの井の頭公園の葬送と曲と演奏とスチール写真は反則技で、そこだけで時代を飛び越えるエネルギーをもらったような気になった。

上京して、まだ雑誌「ぴあ」があった時代に地方出身者にはスクリーンで観れなかった『ブルースブラザーズ』と『ストップメイキングセンス』を見れた記憶がある。懐かしかった。

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ONI