「才能の有効な使い道」ポップスが最高に輝いた夜 シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)
才能の有効な使い道
ネトフリで新作紹介されていたのでちょっと見始めたら、結局最後まで見てしまいました。
いくら洋楽に疎い私でも当時聞きまくり誰もが知っている曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」の一夜のレコーディング風景のドキュメンタリーです。
早い話、エンタメの“存在意義”とか“力”とか“価値”を存分に表現したアメリカの真骨頂的な作品なんでしょうね。
どんなに大スターであっても、どんなに才能があっても、どんなに栄光と喝采を浴びても、彼らも日々を生きている人間であり、日常では落ち込んだり、自堕落であったり、不幸であったり、人間としては普通人とそんなに大きな違いはないのかも知れないが、だけど絶対に違うのはこんな奇跡の一夜に参加できる選ばれた人達という事なのでしょうね。
レコーディングが終わり皆がそれぞれに帰っていく中で、ダイアナ・ロスが「終わって欲しくない」と言って泣いていたそうだが、その言葉がエンタメというものの様々な意味を含んだ象徴的な一言だったのかも知れません。
あと一番印象に残ったエピソードとして、あのボブ・ディランが最初から非常に緊張していて、自分の歌うパートのリハでもどう歌ってよいのか分からず、思わずスティービー・ワンダーに自分ならどのように歌うのかを聞いていたシーンは凄く興味深かったです。
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