ビニールハウスのレビュー・感想・評価
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なぜ「ビニールハウス」なのかもう少し説明が欲しかったところ(補足入れてます)。
今年105本目(合計1,197本目/今月(2024年3月度)23本目)。
(前の作品 「愛のゆくえ」、次の作品「薄氷の告発」)
大阪市で韓国映画を見たいならシネマート、ということで…。
介護問題ほかが社会問題になるのは日韓共通ですが、映画のタイトル名にもある通り、韓国では「ビニールハウス」は社会問題になっています(後述)。ただ、「その観点での」問題提起は少ないため、「半地下よりマシ」というキャッチフレーズがついていたかと思いますが、結局「どこであっても同じ」(駅でも公共施設でもどこでも、一般的に「自宅化」できうる場所という意味において)という点で、ややタイトルが混乱させる気がします。
問題提起型のタイプだと解するなら、介護問題ほかの論点は、日韓では制度は多少違ってもかかえる問題はほぼ同じですし、福祉制度がそもそも違う他の国(文化圏として類推ができる、中国、台湾ほかを除く他の国ということ)では「逆に何を言っているのだろう?」ということになって、理解が両極端に分かれそうな気がします。述べたように、介護問題等は日韓ほぼ共通で抱えている問題なので、あまり問題提起というレベルに至っていないようにも思えます(趣旨は違っても文化圏である以上は類推ができる)。
かつ、韓国国内で問題視されている「ビニールハウス」については、色々な「大人の事情」から真向面から問題提起されておらず(この点は「コンクリート・ユートピア」と同じ。これも後述)、ある程度知識がないと理解に詰まる映画の代表例ではないのかな…といったところです。
採点は以下のようにしています。
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(減点0.3/「ビニールハウス」であることの説明が難しい)
実は、韓国ではいわゆる「住宅喪失者」がビニールハウスに住み着くことが社会問題になっています。ビニールハウス自体は日本にもありますが、韓国ではいわゆる「都会」でも少し離れるとみることができること、監視があまり厳しくないこと、さらにビニールハウスがその構造上「雨をしのぐことができる施設」であることなど、いくつかの要因がかさなって、そこを「不法占拠する」類型が問題になっています。
ただ、それだけにとどまらず、日本以上にIT化が進んだ韓国ではビニールハウスもITで管理されることが多く、また、当然のごとくIT化されようが「ビニール」で作られているのは確かです。つまり、電気の不正利用から派生する「火災事故」が日本以上に多く(日本ではそもそもビニールハウスを不法占拠するという事例があまりない)、農家まで巻き込む大火事になったりと、ニュースや新聞でたびたび問題視されている事情です。
この場合でも当事者の責任(出火責任)を問うことが可能であるのは日韓共通ですが、同じく「さしたる補償も期待できない相手に責任を問うことの意味がない」こともまた事実で、実質的に訴訟ほかも無意味な状況になっています(この点は日本でも同じことは起こりうる)。前述したように、韓国では都会でも少し離れると普通にビニールハウスを見ることができるので、そこから起きた火事が一般の住宅街ほかまで延焼して被害が甚大になることもありますが、「誰も責任を取れない」状況になってしまうのです(責任を取る取らないではなく(経済的に)「取れない」というのが正しい)。
では、いわゆる「住宅喪失者」が日本のそれに比べて多いのかというと、日本では賃貸にせよマンション・アパートの類は、借地借家法ほかで「借り手重視」というほど根強く守られていますが、韓国ではそうではなく、債権(賃貸借)ではなく物権の「チョンセ権」で守られるものですが(賃貸するときに7~8割を出して、退去するときに帰ってくるシステム)、これに関係するトラブル(詐欺や、貸主が突然お金を持ったまま「逆夜逃げ」するパターンなど)が多く、「コンクリート・ユートピア」はそれを描いた作品ですが(ただ、不動産業界の反発が強かったのか、直接的には描かれていない。KBS(韓国の国営放送。日本のNHKにおよそ相当する)ほかの公的サイトではストレートには書かれている)、本映画も「住宅喪失者」がそもそも「なぜ(日本など隣国と比べて、比率割合として、多く)発生するのか」という点もここに来るものですが、やはり不動産業界からの反発はあったようで、本映画も公式サイトほかを見るとやはりこの「不動産トラブル」(賃貸借トラブル)から発生するトラブルに関係する映画なのですが、これらの描写の大半をカットしたために、なぜにタイトルが「ビニールハウス」なのか、またそのタイトルで延々と介護問題が描かれるのかなどが理解しがたい、といった部分はあります。
(補足) 韓国のチョンセ権は、日本の賃貸借(債権に分類)に形式的に似ますが、日本では住宅の賃貸借にあたっては敷金を支払うほか、月の家賃などは振込制なので、貸主(家主)さんが「逆夜逃げ」したとすれば「敷金は帰ってこないが、家賃の振り込みもできなくなる」ことになります(こういったケースでは、何もかも証拠を消して夜逃げするので)。つまり、本人に帰責性がない「逆夜逃げ」は借主によっては得になってしまうのです(振込先が存在しないなら、常識的に生活する限りにおいて何も言われない)
(減点なし/参考/敬語についての日韓の違い)
「ほら、おじいちゃんには敬語を使わなきゃだめだよ」というシーンです。
日本では敬語の使い方としては「自分、相手、敬語を使う対象」の「3者の関係」をみます。したがって「会社などを紹介する場合は、社長の紹介でも社長へは敬語表現を使わない」という特徴があります(相対敬語)。これに対して韓国は「自分と敬語を使う対象」の「2者の関係」になるため、家族であっても「年上なら敬語を使う」ことになります(絶対敬語)。
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余分な部分を削ぎ落とした作品
どこまでも転がる負の連鎖
負のドミノはどこまで行く?
ただ、息子と一緒に普通の家で住みたかっただけなのに…
それだけのはずが、その親切心や防衛のための行動の掛け違いで、
負の連鎖のドミノ倒しとなってしまう怖~い話でした。
当人は決して悪人ではなく、どちらかというと親切でいい人。
パニクっていたとしても、その選択はどうなの?という気持ちにもなるけど…
…でも、そこまでいくか⁉というその負の連鎖がハンパない。
見ている間はそこまで感じないものの、
見終わった後のこのドミノ倒しに呆気にとられてしまいました。
いやいや、一周回ってこれはブラックジョークかも…?
そう思ったりと、見た人と色々語りたくなりますね。
半地下もビニールハウスも貧困層。
ホラー?と思って見に来たけど違った。
どちらか言うたらいやミス?いやサスペンス?かな。出てくる2つの家族がどちらも辛いんだわ、ビニールハウスって、、農場の物置きに住んでる生きてるのが精一杯で何か起きたら金銭的に崩壊する主人公と施設に居る親。お金は有るけど認知症の妻と初期認知症だと宣告された夫。テンポゆっくり、人を丁寧に描く、、派手な演出はない。見終わって調べたら若い美人女性監督でした、なんだか納得。監督の母親が医療系だかヘルパーだかでそれが設定の核になったらしい。
どこの国でもそうだけど貧困はトラップだらけで、もがけばもがくほど深みにハマる。
貧困層に優しい国ってあるのかな?
そんな事してると国力落ちるんだろか?
両立は無理なのかな?
キムソヒョン、美人はやつれても美しいね。
負の連鎖
韓国映画は「パラサイト」でアカデミー賞を獲得する前から、映画ファンを唸らせる作品を量産してきました
個人的にも毎年、今年のベスト映画候補を選ぶとき、韓国映画は外せません
で、何年かに一本、「これは!」という作品が出現するのですが、今日観た「ビニールハウス」
久々、韓国映画キター‼という出来デシタヨ⁉
終始、地味~な展開が続くんですが、出てくる登場人物がコク深~い味わいとなっております
韓国映画には、コク深~い人達がよくでてきますが、今作主演のキム・ソヒョン氏~、なかなかの味わい深いキャラとなっております
母親の子供に対する想いというものは、到底男には到達することのできない領域で、「無償の愛」といえば素晴らしいのですが、第三者からすると時折理解できない状態も…
ポン・ジュノ監督作「母なる証明」は男には全く理解不能ですカラネ…
それだけ、世間体や体裁ばかり気にしているショーモナイ「男」というものに対して、「女性」という存在は「絶対的存在」だと言いたいのデスヨ
私Sは昨今のネタバレ警察に対しては多少モヤモヤするものがあるのですが、今作のラストのあの展開を語る輩に対しては、迷わず「ネタバレ!」と断言することでしょう
まぁ、各々、映画に対しては好き嫌いがあるので、この「ビニールハウス」全く受け付けないという方がいても否定はしません(・∀・)
ただ、ここ最近の韓国映画では、個人的に「凄っ!」と声が出る映画(ラストの展開、マジで声出る 5秒前…)
最後に、主演のキム・ソヒョン氏~、役作りで地味~な感じに演じておりますが、S的には好きな顔で、何か生活感がエロかったデスネ💓 オワリ!(結局、ショーモナイ男のザンネンな感想⤵️)
負のスパイラルをおじいさん視点で観ると楽しめる
2024年劇場鑑賞21本目 凡作 40点
結論、予告がクライマックスだと感じた韓国映画
というのも、着眼点や惹きつける演出は流石韓国クオリティだなぁと感心したが、全体として派手さが乏しいというか、時折見せ場はあるものの低空飛行している様な静かさな明るさを感じる
キャッチコピーなどにパラサイトを想起させる様な見出しを使いたいのもわかるし、主演女優の賞歴や絶賛のコメントを予告に組み込みたいのもわかるが、十分にそれらに負けていた印象
主人公と親交を持つ若い女性の存在が終始不自然だったのを記憶しているのと、表題通りおじさん視点だと楽しめると思っていて
最愛の嫁の手に触れるまでの用意周到な物語としての段取りや、それ以降の別の人間なんじゃないかと正しい判断が出来ているにも関わらず、年齢や周りの人の状況が脳裏をよぎり自分も1番そばにいた嫁をも判別できないほど我も認知症が進んでしまったのかと、誤った失望を生み、終いに自らの手で命を落とすまで生きる希望を無くしてしまった彼の内向的で素敵なおじいさんが悲しくも作品としての悲壮感と面白さに大いに貢献している
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