「不可解」ビニールハウス 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
不可解
監督(脚本も編集も兼ねている)は、芸術映画が何かを、
勘違いしている。
最初からラストまでストレスの溜まる映画だった。
脚本がキチンと示すべき情報を、曖昧にしか提示しないことに苛つく。
①息子が少年院にいる理由は何故か?何をしたか?
②時々現れる若い男はムンジョンの愛人に見えるが、拒む理由は?
③その男とグループセラピーで知り合ったスンナムの言う【先生】は、
・・・同一人物なのか?その繋がりは何故?
④風呂場で死んだ訪問介護先の奥さんの死体は、車で運んでいた。
・・・それならビニールハウスを焼き払う必要があるのか?
⑤介護に通う老主人は盲目な上に初期のアルツハイマーと診断されて、
・・・死んだ妻の身代わりとなったムンジョンの母を殺して
・・・無理心中は成し遂げたのか?未遂なのか?
⑥焼き払ったビニールハウスに隠れた息子と仲間は逃げれたのか?
⑦そしてムルジョンがグループセラピーに通う理由も曖昧。
・・・ファーストシーンは自分で自分を殴っていたのか?
・・・自傷と言う言葉を知らなかった、とジョンスンは言うが。
キチンと殺人か?殺人未遂なのか?
放火事件なのか?
放火殺人事件なのか?
殺意の在処をはっきりしないは不親切だし確信犯的なのか。
盲目の利用者さんの障害を悪用していないか?
どうも似せたと思われる映画、
イ・チャンドン監督の「バーニング劇場版」
これが意識下にある気がする。
「バーニング劇場版」の原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」であり、
「バーニング劇場版」では納屋はビニールハウスになっている。
この「ビニールハウス」という題名との相似・・・
貧困と格差社会、確かに似ている、
更に認知症や精神障害そして視覚障害・・・
更に【自殺に他殺に放火?】
社会問題と不幸のオンパレードに、内心ウンザリした。
「バーニング劇場版」は芸術的価値がある作品だと思います。
この映画は曖昧にしたら芸術になると錯覚した、
それをまたまた芸術と思った批評家たちの勘違い映画。
やりきれない気持ちになった。
それにしても変な建物。
倉庫でなくて、ビニールハウス?
水道やトイレや風呂はどうなっているのか?
やはり誤魔化しいる気がする。
共感ありがとうございました。
後味のとても気持ち悪い作品でしたね。
それが狙いなのかもしれませんが、淀みにつかりながら疑問を想像しつなぎあわせ続ける感覚でした。
レビューにもしましたがまるでなかなかな覚めない悪夢みたいでした。