ソウルの春のレビュー・感想・評価
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恐ろしい韓国。
「ソウルの春」は全斗煥(映画の中では名前が少し違う)が大統領になるきっかけを描いた映画なのだが、彼の側にいる人物(実在の)たちが全員腰抜けなのがすごい。また映画とはいえ、その腰抜け描写が許されているのもすごい。2000年に韓国映画「ペパーミントキャンディ」を観て、韓国の光州事件と政府組織における拷問と腐敗を知った身としては、その後に観た映画達、「弁護人」「タクシー運転手」「光州5•18」で描写される全斗煥政権時代の酷さと「ラブストーリー」や「サニー」でふれられる民主化への希望がせつない。また、それら国の恥をさらすような映画制作を許す韓国映画界のパワーが恐ろしい。事件的には全斗煥が悪役に描かれた「KCIA南山の部長たち」を観てから、この「ソウルの春」を観る事をおすすめします。
ボリューム凄すぎ予習した方がいい
本当に私は韓国のことを全然知りませんでした。
これマジで事実なのですか。もの凄い内容でした。
これから見る人は軽くでも予習していった方がいいです。
最低限の登場人物は押さえた方がいいです。
アイツはどこだとか名前がバンバン出てくるのです。
1979年パクチョンヒ大統領暗殺事件後から始まります。
将来的にチョン・ドゥファンが大統領になります。
韓国人なら常識なのでネタバレでもないでしょう。
チョン・ドゥファンは映画で主役として登場します。
事実は映画より奇でした。
アメリカ映画の他国で人殺してガッツポーズとは訳が違います。
ソウルの軍隊がソウルで戦うのでとても緊迫した状況です。
印象に残ったのがジジイ官僚が「ワシが説得すればスグじゃ」です。
もちろん戦闘力ゼロのジジイ官僚です。危機感がない。
私の会社の社長かよと思いました。ジジイはみんなこうなんでしょうか。
圧倒的緊張感で描く一夜の攻防!
予告を目にしなかったのでノーマークの作品だったのですが、初日のレビュー高評価につられて鑑賞してきました。みなさんの評価どおり、かなり見応えのある作品で、とても勉強になりました。主にたった一夜の出来事を描いているのですが、軍内部の動きをリアルタイムで詳細に追うような展開から目が離せませんでした。
ストーリーは、1979年に韓国で大統領が側近に暗殺され、暗殺事件の合同捜査本部長で保安司令官でもあるチョン・ドゥグァンは、この機に乗じて国の実権を握るべく、陸軍内で自分の息のかかった将校で組織された「ハナ会」を使ってクーデターを決行するが、正義感あふれる軍人として知られ、首都警備司令官に就任したイ・テシンは、いち早くドゥグァンの野心を感じ取り、命を賭してその前に立ちはだかるというもの。
本作は実在の事件をもとにしたフィクションであるとのことなので、おそらく大筋は史実どおりなのでしょう。しかし、恥ずかしながら韓国史に疎く、わずか45年前にこれほどの軍事クーデターが起こっていたとは全く知りませんでした。内乱や戦争は、遠く地球の裏側で起きているものばかりではないと感じ、ぞっとします。
大枠はクーデターにより独裁支配を狙うドゥグァンとそれを全力で阻止するテシンという構図にまとめ、それぞれに野心家と清廉軍人という対極となる性格づけを行なっているため、全体像は比較的とらえやすくなっています。そして、この二人の思惑、その妨げとなる大統領や上官の意向、そこで繰り出す形勢逆転のための一手など、目まぐるしく攻防が入れ替わる展開で最後まで予断を許しません。中でも、侵攻する軍をめぐる橋での攻防、ラストでバリケードを挟んで対峙する両軍の駆け引きには、手に汗握る緊張感が味わえます。
ただ、中心となる二人以外にもけっこうな数の軍人が登場するのですが、名前も顔も覚えられず、ほとんど区別がつかないのには参ります。加えて、その肩書きからおおよその職務内容は推察できても、軍部内での立場や上下関係がわかりにくかったのも残念です。とはいえ、地図上で進軍ルートを表示したり、盗聴員を挟んだ画面構成で見せたりといった工夫のおかげで、情勢の把握に困ることはなく、作品世界に浸ることができます。特に、韓国史を何も知らない自分は、結果が見えずに最後までずっとハラハラしていました。と同時に、結末を目の当たりにして、これが史実に基づいたものであることを改めて実感しました。そして、韓国国民はこれをどう受け止めているのか、関係者はその後どのような人生を送ったのか、ちょっと気になりました。
主演はファン・ジョンミンとチョン・ウソンで、作品全体を牽引する圧倒的な演技が光ります。脇を固めるのは、イ・ソンミン、パク・ヘジュン、キム・ソンギュン、イ・ジュニョクら。
ファン・ジョンミン✕クーデター=我々は一つ(ハナ)だ!
安定にノリノリなファン・ジョンミンのパワハラ劇場!互いにカードを切り合う緊迫の攻防戦。いつも現場がコキ使われては割を食う。『アシュラ』よろしくパワハラっぷりと、上に対する媚びへつらいというかヘラヘラした感じも見られる。
韓国映画の歴史モノとかってやっぱり2時間超え普通だったり -- 外国だからそりゃ分からなくて当然な部分もあるのだけど -- こういう風に様々な名前や役職などが飛び交い、各所テンション高く次々と怒涛に進むイメージがあって、ただでさえ鑑賞に体力使うのにその分からなさで更に疲弊しがち…。大前提として、見ているときは食い入るように面白いのだけど!!
ほぼ実話ベースの終始緊張感のあるストーリー
実話となったのは朴正煕暗殺後のソウルの春間に起きた「12.12事件」です。日本の「2.26事件」や終戦直前の「8.15事件」の軍抗争版という感じです。
事前知識が殆ど無い状態で視聴したので、どこまでが実話かは分かりませんでしたが、視聴後に調べてみると事件の大枠はしっかりと実話に沿っていました。
軍の内部抗争を描いた作品のため、登場する人物、部隊、役割等が多く、理解が難しい所もありましたが、関係を理解するのにそれほど時間はかかりませんでした。
終始緊張感のあるストーリーで実話を知らない人にはサスペンスになり、知ってる人にはより詳細なイメージができるなどどちらの人も楽しめる話になっているように感じられました。主人公の俳優が同じこともありますが、「黒金星を追え」が刺さった人は是非見るべきだと思います。
また、映画の評価とは関係ないですが、命令拒否や嫌々で従ってる所から、上層部の政治に利用される現場の将兵が可哀想に思えるところがありました…
後味はよくないな
終始、緊張感の漂う作品。
当時小学生だったのでほとんど覚えていないが、お隣で大変なことがあったんですね。
でも、史実とはいえ後味の悪い結末。
全斗煥はとことん憎たらしく、政府側のトップは使えない奴らばかりでイライラする。
字幕を追うのに忙しく
1979年12月12日の粛軍クーデターをクライマックスとする韓国軍内部での武装蜂起の顛末を描く緊迫したドラマ。史実をモチーフとしたフィクションであると冒頭にあるが、いやもうそら独裁者・全斗煥の悪事の発端を告発する意図があるのは明白。だから邦題のムード(つまり朴正煕暗殺事件から光州事件に至る民主化への期待と挫折という「ソウルの春」本来の意味からの乖離)が気になるけれど、まあキャッチーだし遠からずという判断か。英語のタイトルはズバリ『12.12: The Day』。こっちのが良くない?
特殊メイクというファン・ジョンミン演ずるヴィランの後退しかけたおでこが全斗煥そっくり。憎々しい演技も素晴らしい。ハナ会の描かれ方がとにかくバカっぽくて、ある程度史実に基づいているのだろうけど、こんな奴らに国を任せてなるものかと思わせる演出、ちと過剰か。
それはそうと、セリフの中に人名と肩書きがやたら出てきて、しかも普段見慣れない役職名や階級名が頻出するもんで字幕を追うのに四苦八苦する。政治ドラマにはよくあることだけど、え、誰?どっちが上?ってなる。ともあれサスペンスフルだしカメラもうまいし上々の一級品と言えよう。
関係ないけど、京都国際の甲子園優勝おめでとう!
胸糞悪いラスト 史実の凄さ。見る価値はあります。
1970年代の韓国の軍事クーデターを史実とフィクションを交えながらの映画化。韓国で2023年の観客動員数第1位となる大ヒットを記録した作品。
韓国映画特有の怒鳴りあいと権力争いと責任のなすりあい、国家の恥をこれでもかと露骨に描いているのが凄い。
二人の軍人を善と悪として対比して描いているので当然最後はスカッと正義を勝たしてくれるのと期待して見てると衝撃的な胸糞ラストで驚きます。
史実なので仕方ないのですが強烈に後味の悪さが残るラスト。自国の歴代大統領をここまで悪人として描くのも韓国らしい。
おススメ度は普通のやや上。韓国映画好きな人は十分楽しめると思いますが後味は悪いです。
今年観た作品の中で文句なしナンバーワン
クーデターの緊迫した数時間を丁寧に描いた作品。
主役級の役者達がこぞって熱演しているだけでも観る価値あり。
特に数時間にも及ぶ特殊メイクを施して
モデルに要望を近づけたファン・ジョンミンは圧巻。
鬼気迫る演技の中にどこかユーモラスな表情を見て人間臭さを感じる。
エンドロールで、この歴史を決して忘れてはならないのだという製作者達の気概を感じさせた。
力が正義
1979年10月26日に朴正煕暗殺が暗殺され、民主化ムードが広がっていた際に起きた粛軍クーデターの話。
朴正煕暗殺直後、容疑者を拘束し取り調べという名の拷問が行われる中、合同捜査本部長の全斗煥が動き出す。
このクーデターがあったことは知ってはいたけれど、詳細は知らずに観賞。
どこまでが事実でどこからフィクションかわからないけれど、ハナ会首脳陣と対峙し国を護ろうとするイ・テシンと、葛藤する軍人たち、そして腹黒いものを醸し出し結託して流れをつくるハナ会、とシリアスで面白かった。
かなりの知識が求められるので注意。前後を扱ったVODをみてからのほうがよさそう。
今年300本目(合計1,392本目/今月(2024年8月度)25本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
この「ソウルの春」はある程度「長い」出来事ですが、その中の「粛軍クーデター」に焦点が当てられています(他の部分は補足字幕で多少出る程度)。
実際に起きた事件であることは変わりはないものの、主要人物以外は全て架空名に変わっているため把握がしにくいので事前にかなりの知識を持っていないと詰まるのではないかな…といったところです。韓国現代史を象徴する一つの事件について、できる限りどちらかの主張のみを取り入れることなくできるだけ平等に描いたように思えた点は良かったところです。
なお他の方も触れられているように、「南山の部長たち」(この映画の前の出来事)、「タクシー運転手~」(この事件のあとにおきた光州事件を扱う)を見ておくとかなり有利ではないかなといったところです。どちらもVODではあったと思います。
法律系資格持ちなので、この(歴史用語としての)「ソウルの春」「粛軍クーデター」から何が起きたかについて軽く触れておこうと思います。
韓国では何度か軍事クーデタがありましたが、「ソウルの春」においては、「戦争をやめよう」という学生運動が盛んとなりました。日本でも学生運動はみられますが、韓国ではこの出来事に対して学生たちが結託して学生運動を起こしたのが最初と言われます。
また、同じように、こうした軍事クーデタの勃発と付随して起きる労働市場の混乱から生じた、日本でいう「労働デモ」(労働運動)もこのころからです。「内部戦争よりも安定した状態で働きたい」という趣旨でのデモですね。
また、このクーデタはその後光州事件につながりますが、光州事件は麗水・順天事件と同じく韓国軍が国民に手をかけた出来事であり、今でもその被害が伝えられているくらいです(済州4.3事件は、その当時に韓国はまだ成立していなかったので微妙。ただ、広い意味で韓国軍による事件であると説明されるのが普通)。こうした「軍による一般人への攻撃」がしばしば韓国史に見られ、それがまた現代韓国における地域差別をうむ目的となりました(麗水順天事件、光州事件は行ってしまえば「思想弾圧」の事件であったため)。
また、韓国はこのようにクーデタが何度も起きた歴史を持ち、その都度韓国憲法は何度か変わっています(ただしくは改正)。とはいえ、極端に変な改正がされたことはなく、日本は隣国でもあったため、日本の最高裁判例等も参考にしながら、日本では判例法理で認められるようになった「環境権」を明文化するなど憲法改正が(こうした事情により)多い韓国ではあることが特徴です。
採点に関しては特に気になる点までないのでフルスコアにしていますが、VODシステムである韓国近代史を扱う作品(南山の部長たち、タクシー運転手など)を見ているとかなり理解の差が出るので検討されることをお勧めします。
無能な指導者は組織を破壊する元凶だ
政治・軍事もののかたち(ファクションもの)をとった、組織論、マネジメント論、そして正義論が裏テーマ。
無能な指導者は無益であるばかりか、部下やステークホルダー、組織そのものを破滅に追いやる元凶であることを再認識させられる、韓国映画史に新たに刻まれる名作。
そして『아수라』の第二ラウンド。
あえて難癖をつけるとすれば、チョン・ウソンが相変わらずカッコイイすぎることw
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、 こんな始まりだった...
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、
こんな始まりだったんですね
光州事件の時の政府って、クーデターで生まれた政府だったんですね
朴槿恵が大統領になった時に紹介されていたお父さんって、
知日家ってくらいだったけど、独裁政権してた人なんですね
少ししかない私の韓国の知識が少しずつ繋がりました
それにしてもすっごい映画だった
韓国の現代史を学んだ気分
以前、「タクシー運転手 約束は海を越えて」と言う映画を観た。光州事件に触れた内容だったけれど、当時の韓国の情勢が複雑で自分には理解できたのか怪しかったが、この作品のお陰で一歩前進した感じ。
軍事を動かすことのできる者が国家統治まで握ってしまうと恐ろしい方向へ進んでしまう。普通に生活している国民はそっちのけで何も手を出せないから、どうしようもない。こんな怖いことはない。
ハラハラとドキドキのスリル感のある作品だった。
演出とはいえタバコ吸い過ぎ
1970年代の韓国ってこんな感じだったんですね?全く意識していませんでした。もしかして金大中事件とかも関係ありですかね。
さて本作は緊迫の連続と逆転につぐ逆転で疲れました。どこをアレンジしていたのか見当もつきませんが史実に基づくという時点で凄い作品でした。韓流らしさも良い意味で⭕️バッドエンドですが史実なので仕方ないですがスカッとしない点だけが勿体ない。
96
傑作
いや~素晴らしいです。大傑作誕生。韓国映画の軍事、政治サスペンスに又一つ大傑作誕生しました。緊張感が半端ないし、大迫力出し、役者の演技も凄すぎる。
正義が勝たないラストは哀愁感があり過ぎて、何とも言えなかった。
それは45年前のこと
1971年生まれの私にとって、彼を知ったのは韓国の大統領だった時代。当時はメディアや教科書でも「ぜん・とかん」と言う日本語読みが一般的だったのを、84年の来日の際に「チョン・ドゥファン」と現音読みするようとの要請があったとニュースになり、またその後割と早く現音読みが一般的になるように変わっていったことが記憶に残っています。
なお、本作でファン・ジョンミンが演じる役名は「チョン・ドゥグァン」ということで、実際にあった12.12軍事反乱(或いは粛軍クーデター)をモチーフにして作られたフィクションです。役者が演じることで(実話とは異なり)かなりドラマチックな演出もあるだろうと思われますが、鑑賞をきっかけに実際の事件に興味をもち、本当のことについて知りたくなるという意味では、充分観る価値のあるがある映画だと思います。
と言うことで、公開初日の午前回に角川シネマ有楽町へ。ファン・ジョンミン×チョン・ウソンと言うこともあり、平日の割には結構入っていたと思います。
なお前文で知ったような雰囲気を出していますが、実際には鑑賞前まで「知識ほぼゼロ」で挑んだ私。正直言えば前半ちょっと付いていけてなかったと思います。まぁ、展開が早くて顔と名前を覚えられない。。とは言え、韓国の俳優さんたちはキャラが強めな方が多いため、各人の「旗色」が判り始めるとようやく理解が追いつき、そしていよいよ12月12日となると最早この「怒涛の展開」×「シーソーゲーム」の虜。あくまでフィクションとは言え、まさかと思いつつ「どちらが勝つのか?」固唾をのんでしまうほど。或いは、ついついヒーロー映画のように新手を期待してしまったりと、終盤はもはや感情移入が止まりません。
まぁ、韓国映画に対してよく言われることですが、ここまで描いてくれるからこその面白さ。ただ、それが出来るのは「こういう過去」が割と最近まであったことへの反動でもあるような気もします。勿論、報道や教育で「真実」を伝えることは大事ですが、映画と言うエンターテインメントから「真実」へ興味を持てるほうが吸収力高く、そして記憶に残りやすい。韓国の文化政策「支援はするが、干渉はしない」、もっともっと見習わなければいけませんね。堪能しました。
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