ソウルの春のレビュー・感想・評価
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ファン・ジョンミンの魅力がたっぷり味わえる
後に大統領となる全斗煥のクーデターを描いた作品であり、結末がわかっていてもハラハラドキドキしておもしろかったし、文民統制は重要だなぁと思った。
全斗煥を演じるファン・ジョンミンと対立する首都警備司令官役のチョン・ウソンの二人が「アシュラ」以来の共演と話題になった。アシュラは好きな作品だが、悪徳市長のファン・ジョンミンが強烈で、今作でもまくし立てる全斗煥役がすごい。
映画の冒頭には、朴正煕を暗殺した金規泙KCIA部長が拷問を受けるシーンもあり、「KCIA 南山の部長たち」のイ・ビョンホンが演じていたらなぁと思ったのだが、今作で描かれた軍部による光州虐殺が「タクシー運転手~約束は海を越えて~」で描かれ、その後の民主化運動は『1987、ある闘いの真実』と続くので、どれも見返したくなってしまう。
正義は勝つ...
1.韓国が中々発展しなかった理由がここにある
2.正義は勝たなければいけない
3.私の職場でもそうだが、お役人は命令に弱い
4.「人は命令されたがっている」は正解
5.結局ずるい人が勝つ
6.ズルい人は、どうしたら勝つか?ばかり考えているから、それに勝つにはお人よしでは負ける
7.善人はバカを見る
8.リーダーは善人で勝負に勝てる人でないと
9.でも、そういう人はいない
10.日本のリーダーはどうなるんだろう?
韓国現代史に残る事件をうまく映画化
光州事件、朝鮮戦争等を映画化したものは元々好きであり今作も絶対間違いないとの心意気で拝見。
観客は若者少なめ、大体40後半以上のおじさんが大半をしめていました。
この作品は、韓国現代史(70〜80年代)の最低限の知識を入れておいた方が楽しめると思います(ただし、大枠のオチがそうぞうできてしまうのが難点ですが‥)
中盤の、反乱軍(ハナ会)と政府軍の攻防は圧巻ですね。展開がコロコロ変わるし、あいまいまの人間模様もテンポよく丁寧に書かれています。緊張感の合間に滑稽さもだされており、見ていて飽きませんでした。(これはどこかでみたことある‥と思えばシンゴジラでした)
ファンジョンミン、チョンウソンの役もしっかりハマっており、韓国映画が韓国現代史をうまくエンタメ化していました。
果たしてどちらが民主主義国なのか?
「シルミド」でも思ったが、近現代史で長く軍事政権下で隠蔽されてきた負の歴史を映画化して、あの時、何があったのかを明らかに出来る韓国は、今の日本よりは表現の自由度が高く、遥かに民主主義国家の体を成していると、改めて思わされた作品。
それでいて、ハリウッド作品並みに、エンターテインメント性を持たせ、観客を惹きつける技術にも、日本は敵わない。
対して、森達也監督の「福田村事件」制作に、大手が何処も手を挙げず、クラウドファンディングで資金を調達しなければならなかった日本は、果たして表現の自由は守られているのか?と思わざるを得ない。
ファン・ジョンミンの高笑いが耳にこびりつく
ホントに息つく暇がなかった。
クーデターを仕掛けたハナ会側が、一時、絶対絶命のピンチに陥り、大混乱に陥る。反クーデター側の精鋭部隊が、先にソウルに到達するという情報を入手したからなのだが、このときのチョン・ドゥファンの開き直りというか、腹の括り方が運を自分に引き付けてしまう男のそれで、国を乗っ取ってしまうだけのことはある。
この作品で描かれるチョン・ドゥファンは、ヴィランとして惹きつけてやまない魅力に溢れている。『南山の部長たち』では、小悪党として描かれていたが、この作品では、自分の弱さを見せる人たらしでもあり、いざというときの腹の据わり方が尋常でなく、敵も味方も圧倒してしまう。
ファン・ジョンミンの高笑いが耳にこびりつく。そんな作品でございます。
全斗煥
遂に出た。完璧なまでの役作り。陽キャラで上下関係構わず空気を飲み込んでいく。日本でいえば秀吉か?野心がコントロール網を次々と破っていく。一方で、体制は無理解と保身により綻ぶ。刻々と変わる情勢の変化をよく伝える手際の良さ。最後の対峙でみせる緊張と緩和。それは事実か?笑いはしたが。
便所で高笑いして小便する。実に悪い男だ。
春の終わり
韓国の近現代史をエンタメとして見せてくれるから勉強になる。
権力を求め新たな独裁者になろうとする男とそれを食い止めようとする男。
正義を貫こうとするものが倒れていくやるせなさ。上の指示に逆らえない軍という体質が歯止めを効かせなくなっている。
まさかの結末に怒りを覚えた。
韓国でこんな事が起こってたんですね。
大統領暗殺後のクーデターを描いてるのですが、私は全く知りませんでした。
史実を元にしてるのですが、何処までが本当の事なのでしょうか?
たった45年前の話だけど、韓国の歴史を知るには良い映画です。
※ チョン・ドゥグァンが漫才のななまがりの人に見えて仕方なかったです…
ファン・ジョンミンの卑劣さと酷薄さ愛敬と情けなさ
1979年の粛軍クーデターに基づいた、刻一刻と状況が変わる手に汗握る政治スリラー。
地位と面子の保全にのみ汲々とする軍人たち(結局は彼らの怯懦が国を滅ぼす)を背景に、「権力を奪取する」VS「国を守る」という明確な意思を持った人間たちが対峙する。
この対比を際立たせるおじさんたちの熱演、とりわけファン・ジョンミンの卑劣さと愛敬と情けなさが入り混じった怪演が素晴らしい。
ただし、このタイトルで民衆が不在なのは気になった。
色々な点で共通の要素を持つ『日本のいちばん長い日』が『肉弾』とセットで観られるべき映画だとしたら、『ソウルの〜』は『タクシー運転手』とセットで観られるべき映画なんだろう。
『南山の部長たち』→『ソウルの春』→『タクシー運転手』→『1987』という第六共和国建国史を、濃いキャラクターが活躍し最後は民衆が圧政を覆すぶち上がるエンターテイメントに仕立て上げる、韓国映画界の自省力とクリエイティブ能力に圧倒される。
生きて守れ、死して忠誠。
息つく暇もない緊迫の2時間半。
実話を元に、硬派な、大人の作品を、トップスターたちの競演で、エンタメとして作り、それが大ヒットする。
韓国映画ってさすがだなと思う。
作り手もすごいし、面白い作品、良い作品はヒットするって観客を信じているんだと思うし、観客もしっかり応えている。
ファン・ジョンミンはいつもながら野卑な感じの人たらしで怖いし、チョン・ウソンは生真面目な悲劇の主人公。
ほかの作品では気弱な脇役などでよく見る俳優さんたちも軍人を演じると見違えるほどに格好いい。
みんな軍隊経験があるから様になるんだろうな。
ファン・ジョンミン演じた男が、実際に大統領になるんだからなぁ。日本人の我々はよく出来たエンタメとして観ているけど、韓国の人たちの思いって複雑だろうなぁ。
「光州518」「1987」「工作」「KCIA」等の韓国現代史を描いた作品にまたひとつ傑作が加わった。
韓国一般国民の視点から描かれた現代史「国際市場で逢いましょう」を観てから韓国映画を観る目が変わりました。
ええええ!?
韓国映画の新たな展開が見えた気がする。
物語は実話なのである程度は分かってはいるつもりだったが、ラストがこんな裏切られ方したのは久しぶりだろう。
前半は良く説明されていて分かりやすかったが、中盤は部隊編成など予習しないと全く分からないと思う。しかし迫力はある映像の連続だが、慣れてくると同じ映像の連続で飽きる。
そしてラスト!衝撃としか言えないラストでビックリ通り越して口を開けたまま。
そんな終わり方して映画って良いんだっけ?。
韓国映画の新境地を観た。
隣国韓国の歴史ひいてはアジアの歴史を学ばねば。
極東とのヨーロッパ目線(イギリス目線)で世界史を学んできたけれど、ヨーロッパ・アメリカしか知らない。
隣国の歴史を紐解けば、仲良くなるきっかけが見つかるかも!
最後は
正直「えっ?こんな結末⁈」でしたが、これがきっと現実で、ドラマティックな終わり方ばかりではないのでしょう?
それ以外は終始緊迫感があって引き込まれました!
どこまでが実話なのかが気になります。。
改めて平和な日本に万歳‼︎
”悪役”全斗煥が最高
1979年に起きた朴正煕大統領暗殺直後の動乱のソウルを描いた作品でした。朴正煕が暗殺されたことは知っていましたが、その後の韓国政治がどうなったのかは殆ど知らず、特に後に大統領になる全斗煥(一般的に日本語ではチョン・ドゥファンと表記されていますが、本作ではチョン・ドゥグァンとなってましたね)がクーデターを起こしたことは初めて知りました。そんな”悪者”全斗煥の野望を潰そうと立ち上がったのがイ・テシン。彼は大統領暗殺により揺れ動く首都・ソウルの治安を維持する役目を負うことになり、獅子奮迅の活躍をしますが、結果は歴史が示す通り全斗煥に敗北することになります。そう、本作のポイントは、史実を基にしているが故に、結果が分かっていることなのですが、それでもスリル満点であり、非常に楽しめました。大河ドラマに例えるなら、関ヶ原で徳川方が勝つことが分かっていても、面白いドラマは面白いというのと同じことなのでしょう。
そしてその面白さの源泉になっていたのは、何と言っても全斗煥とイ・テシンを演じたファン・ジョンミンとチョン・ウソンの熱演。特にヒールを演じたファン・ジョンミンは、プロフィールの写真を見る限りオデコは普通なのに、禿げ上がった全斗煥ソックリの容貌で登場しており、またふてぶてしく狡猾な態度は、本当に腹立たしく思えました。彼の風貌や演技があったればこそ、悲劇のヒーローであるイ・テシンに感情移入できて泣ける作品になっていた訳で、MVPは文句なくファン・ジョンミンだと感じたところです。
「キングメーカー 大統領を作った男」、「KCIA 南山の部長たち」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」など、韓国建国以降のともすれば黒歴史とも言うべき題材を次々にエンタメ的にも面白い映画にする韓国映画界を、日本映画界も少しは見習って欲しいものと思わずにいられませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
国家の命運をかけた攻防劇
1979年に韓国で起きた軍事クーデターを基にした作品。韓国の悪しき歴史を曝け出しています。
強欲な男チョン・ドゥグアンと彼に立ち向かうイ・テシンのぶつかり合いにとにかく引き込まれました。少しウルッとくるシーンも控えめで良かったと思います。
緊迫した状況下での、それぞれのキャラクターが良く出ていました。
それにしてもチョン・ドゥグアン役を演じたファン・ジョンミンは悪人が似合う。
出演者もとても豪華でお値段以上の作品を観たような感覚です。面白かった!
見応え、あり。
独裁者のあとにまた、独裁者めざしクーデター。そんな昔の話でないことに驚き。結局、いかに自分に利権が回ってくるかの相関図、それに正義とはなんぞや、と。今の時代にも変わらぬ構造世界。メイン2人のばちばちな演技も重なって見応えたっぷりだった。
おいおいおいおい……激し過ぎんぞ、韓国😅
以前観た『タクシー運転手 約束は海を越えて』で取り上げてた1980年の光州事件のときの独裁政治を行っていた全斗煥大統領が如何にして上り詰めたのか、という史実をベースとしたCoup映画。
見応え抜群。なかなかの長編。
でもコレほどあっという間に感じられる作品はそうそうないかも。それほど入り込んでいたんだなー、と振り返る。
それにしても全斗煥をモデルとしたチョン・ドゥグァン役は映画としてみても非常に魅力的なヒールキャラ。あの日の一連の流れで一度たりとも自分の信念を疑うことなく貫き通した悪役の鑑。
あそこまで貫けば観ているこちらもある種の心地良さすら感じる✨
正義の人、イ・テシン少将を演じたチョン・ウソンの渋さにメロった💜
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