ソウルの春のレビュー・感想・評価
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今年観た作品の中で文句なしナンバーワン
クーデターの緊迫した数時間を丁寧に描いた作品。
主役級の役者達がこぞって熱演しているだけでも観る価値あり。
特に数時間にも及ぶ特殊メイクを施して
モデルに要望を近づけたファン・ジョンミンは圧巻。
鬼気迫る演技の中にどこかユーモラスな表情を見て人間臭さを感じる。
エンドロールで、この歴史を決して忘れてはならないのだという製作者達の気概を感じさせた。
力が正義
1979年10月26日に朴正煕暗殺が暗殺され、民主化ムードが広がっていた際に起きた粛軍クーデターの話。
朴正煕暗殺直後、容疑者を拘束し取り調べという名の拷問が行われる中、合同捜査本部長の全斗煥が動き出す。
このクーデターがあったことは知ってはいたけれど、詳細は知らずに観賞。
どこまでが事実でどこからフィクションかわからないけれど、ハナ会首脳陣と対峙し国を護ろうとするイ・テシンと、葛藤する軍人たち、そして腹黒いものを醸し出し結託して流れをつくるハナ会、とシリアスで面白かった。
かなりの知識が求められるので注意。前後を扱ったVODをみてからのほうがよさそう。
今年300本目(合計1,392本目/今月(2024年8月度)25本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
この「ソウルの春」はある程度「長い」出来事ですが、その中の「粛軍クーデター」に焦点が当てられています(他の部分は補足字幕で多少出る程度)。
実際に起きた事件であることは変わりはないものの、主要人物以外は全て架空名に変わっているため把握がしにくいので事前にかなりの知識を持っていないと詰まるのではないかな…といったところです。韓国現代史を象徴する一つの事件について、できる限りどちらかの主張のみを取り入れることなくできるだけ平等に描いたように思えた点は良かったところです。
なお他の方も触れられているように、「南山の部長たち」(この映画の前の出来事)、「タクシー運転手~」(この事件のあとにおきた光州事件を扱う)を見ておくとかなり有利ではないかなといったところです。どちらもVODではあったと思います。
法律系資格持ちなので、この(歴史用語としての)「ソウルの春」「粛軍クーデター」から何が起きたかについて軽く触れておこうと思います。
韓国では何度か軍事クーデタがありましたが、「ソウルの春」においては、「戦争をやめよう」という学生運動が盛んとなりました。日本でも学生運動はみられますが、韓国ではこの出来事に対して学生たちが結託して学生運動を起こしたのが最初と言われます。
また、同じように、こうした軍事クーデタの勃発と付随して起きる労働市場の混乱から生じた、日本でいう「労働デモ」(労働運動)もこのころからです。「内部戦争よりも安定した状態で働きたい」という趣旨でのデモですね。
また、このクーデタはその後光州事件につながりますが、光州事件は麗水・順天事件と同じく韓国軍が国民に手をかけた出来事であり、今でもその被害が伝えられているくらいです(済州4.3事件は、その当時に韓国はまだ成立していなかったので微妙。ただ、広い意味で韓国軍による事件であると説明されるのが普通)。こうした「軍による一般人への攻撃」がしばしば韓国史に見られ、それがまた現代韓国における地域差別をうむ目的となりました(麗水順天事件、光州事件は行ってしまえば「思想弾圧」の事件であったため)。
また、韓国はこのようにクーデタが何度も起きた歴史を持ち、その都度韓国憲法は何度か変わっています(ただしくは改正)。とはいえ、極端に変な改正がされたことはなく、日本は隣国でもあったため、日本の最高裁判例等も参考にしながら、日本では判例法理で認められるようになった「環境権」を明文化するなど憲法改正が(こうした事情により)多い韓国ではあることが特徴です。
採点に関しては特に気になる点までないのでフルスコアにしていますが、VODシステムである韓国近代史を扱う作品(南山の部長たち、タクシー運転手など)を見ているとかなり理解の差が出るので検討されることをお勧めします。
「粛軍クーデター」または、「12・12軍事反乱」と言われる韓国の事...
「粛軍クーデター」または、「12・12軍事反乱」と言われる韓国の事件を、モチーフにした映画。
この事件を全く知らないので、韓国の歴史の一端を学べるかもしれないと思って、観てきた。
「ソウルの春」とは、パク・チョンヒ大統領暗殺に端を発し、国民の民主化ムードが隆盛した政治的過渡期を、チェコスロバキアの「プラハの春」になぞらえ呼称したもの。
この国民の民主化ムードを、木っ端微塵に打ち砕いたのが、チョン・ドゥグァン。
チョン・ドゥグァンのクーデターは、国民のことをこれっぽっちも考えていない、ただただ自分が次の独裁者になるための、欲望剥き出しの暴走だった。
やりかたが想像以上に、汚なかった。
クーデターを食い止める、首都警備司令官イ・テシンが次々に打つ手は、的確だった。
しかし、情報網を全て掌握する「ハナ会」に電話を盗聴されて、イ・テシンの指示は、筒抜けだった。
それでもイ・テシンは執念深く、他の手を打っていく。
イ・テシン側と、チョン・ドゥグァン側の一進一退の攻防は、終始緊張感があり、見ごたえがあった。
最後の最後まで、イ・テシンは死力を尽くしたが、9時間あまりで決着を見た。
陸軍内部の「ハナ会」の勢力が、思った以上に強大だった。
チョン・ドゥグァンは、憎ったらしいだけでなく、カリスマ性もあわせ持っていた。
イ・テシンの徹底抗戦にビビり、チョン・ドゥグァンに味方した事を後悔し始めた先輩達に、
「人間というものは、強いものに導かれたいと願っている!」
「失敗すれば反逆者だが、成功すれば革命だ!」
と言って、鼓舞した。
クーデターを起こすような奴は、肝っ玉が座っているな、と感心した。
黒澤明監督の名作、「悪い奴ほどよく眠る」を観た時の、後味の悪さを思い出した「ソウルの春」だった。
忠誠!(チュンソン!)
クーデター
語源はフランス語(coup d'État)
で一般的には暴力ないし武力による
政治的変革を意味する
国家の統治とはつまりは
国軍の統帥権(指令する権利)の掌握と
言え政権が軍部を掌握しなければ
ならないが発展途上国や情勢が悪化している
国家においてはしばしば政変は
クーデターによって起こることが多い
それほどに軍隊の実質的権力は強いのである
暴力装置という表現も間違いではない
今作はあくまで
フィクションと謡っているが
明らかに大韓民国の朴正煕暗殺後の
1979年10月から翌年8月にかけての
プラハの春になぞらえた「ソウルの春」
を題材にしその後発生した
12.12「粛軍クーデター」をモデルにし
その中心人物だった
全斗煥(チョン・ドゥファン)や盧泰愚(ノ・テウ)
クーデターに立ち向かった張泰玩(チャン・テワン)
らを一部名前を改変しているがほぼ展開は
史実通りの実録系作品
どうだったか
いや非常に面白かった
軍の存在や政治体制の成り立ちが
日本とは異なる部分は新鮮だったし
ディティールや緊迫感も素晴らしく
誰もが感情移入する側をぶった切って
終わるラストは唖然とさせられます
って史実なんですけども
韓国の歴史を
少し復習すると
1950年の朝鮮戦争後
南北を38度線で分断され
朝鮮戦争は終わらないまま
(ちなみに今でも終わっていません)
韓国は米国ら同盟国と軍備を整え
睨み合いが続けていましたが
国家としての機能が進まぬうち
軍の腐敗等が進んだことで
日本名「高木正雄」も持つ軍人
朴正煕が1961年に「5.16クーデター」
を起こして軍事政権を樹立
日本から「日韓基本条約」
として戦後補償と引き換えに
技術支援などを取り付け
(この条約は後に政治的に反故)
「漢江の奇跡」と言われるほどに
急速に発展した
しかし1979年その朴大統領が
KCIAの職員に暗殺され韓国全土に
戒厳令(軍部が三権を掌握すること)
が敷かれたがここに吹いた世界的な
民主化運動の風と共に再び
騒乱が起こったのである
暗殺事件の捜査の代表保安司令官
チョン・ドゥグァンは軍内部の
極秘派閥「ハナ会」に属し
5.16クーデターも関わった野心家
ハナ会は軍内部で勢力を拡大する
秘密組織でも陸軍師団を指揮する
ノ・テゴン将軍と共に重要な存在
政治側にも国防長官に賄賂をしていたり
工作を危惧し軍部と政治を切り離す
方針でいた陸軍参謀総長チョン・サンホは
軍の中でもハナ会に属さず堅物な
イ・テシンを首都警備司令官に打診し
ドゥグァンを左遷する方向で動きます
それを察知したドゥグァンは
チョン・サンホを暗殺事件の加担者
としてでっち上げると共に
陸軍司令部を乗っ取って政権を
奪取する一大クーデターを
1979年12月12日に実行するのである
簡単に説明すると
・大統領に参謀総長取調べの認可を得る
・陸軍司令部を占拠する
・ハナ会のネットワークを最高に駆使する
という算段である
最も大きいのは鎮圧に動く側の通信を
保安部あがりのクーデター側が
完全に盗聴しており行動を封じられて
しまったことにある
そして何より38度線に前方部隊を
集中しているのだからソウルは南側から
反乱を起こされると軍備が常に足りない
ただでさえ大統領暗殺という混乱状況
である
様相的にはクーデター側に有利な条件が
揃っているように見えて映画上の序盤では
なかなか大統領の許可取りがうまく
いかなかったりイ・テシンの機転で
阻止されたり非常警戒警報「珍島犬1」
が発令されたりといったヒロイックな
展開が進むので観ている側はテシンに
感情移入していくところがうまい
しかしテシンの努力も事態を理解していない
陸軍上層部に再三阻止され
ドゥグァンの土壇場からの工作によって
あれよあれよ形勢は逆転していき
テシンはソウルに迫撃砲を打ち込んででも
と最後の手段のように持っていくが
すんでのところで司令官を解任
クーデターが成功に終わってしまいます
これには観てる側は( ゚д゚)ですが
これ史実なんですよね
実録系映画って結末はわかっていても
そこまでにどうハラハラさせるかが
カギですからこれは見事でした
「藁にもすがる男達」でも
幸薄い役を演じたテシン役のチョン・ウソン
そして何より前髪を後退させてまで
ドゥグァンを演じきったファン・ジョンミン
(全斗煥の写真見ると再現度ヤバい)
よくできていました
韓国の政治の歴史も知れて良かった
おすすめで
無能な指導者は組織を破壊する元凶だ
政治・軍事もののかたち(ファクションもの)をとった、組織論、マネジメント論、そして正義論が裏テーマ。
無能な指導者は無益であるばかりか、部下やステークホルダー、組織そのものを破滅に追いやる元凶であることを再認識させられる、韓国映画史に新たに刻まれる名作。
そして『아수라』の第二ラウンド。
あえて難癖をつけるとすれば、チョン・ウソンが相変わらずカッコイイすぎることw
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、 こんな始まりだった...
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、
こんな始まりだったんですね
光州事件の時の政府って、クーデターで生まれた政府だったんですね
朴槿恵が大統領になった時に紹介されていたお父さんって、
知日家ってくらいだったけど、独裁政権してた人なんですね
少ししかない私の韓国の知識が少しずつ繋がりました
それにしてもすっごい映画だった
韓国の現代史を学んだ気分
以前、「タクシー運転手 約束は海を越えて」と言う映画を観た。光州事件に触れた内容だったけれど、当時の韓国の情勢が複雑で自分には理解できたのか怪しかったが、この作品のお陰で一歩前進した感じ。
軍事を動かすことのできる者が国家統治まで握ってしまうと恐ろしい方向へ進んでしまう。普通に生活している国民はそっちのけで何も手を出せないから、どうしようもない。こんな怖いことはない。
ハラハラとドキドキのスリル感のある作品だった。
演出とはいえタバコ吸い過ぎ
1970年代の韓国ってこんな感じだったんですね?全く意識していませんでした。もしかして金大中事件とかも関係ありですかね。
さて本作は緊迫の連続と逆転につぐ逆転で疲れました。どこをアレンジしていたのか見当もつきませんが史実に基づくという時点で凄い作品でした。韓流らしさも良い意味で⭕️バッドエンドですが史実なので仕方ないですがスカッとしない点だけが勿体ない。
96
傑作
いや~素晴らしいです。大傑作誕生。韓国映画の軍事、政治サスペンスに又一つ大傑作誕生しました。緊張感が半端ないし、大迫力出し、役者の演技も凄すぎる。
正義が勝たないラストは哀愁感があり過ぎて、何とも言えなかった。
それは45年前のこと
1971年生まれの私にとって、彼を知ったのは韓国の大統領だった時代。当時はメディアや教科書でも「ぜん・とかん」と言う日本語読みが一般的だったのを、84年の来日の際に「チョン・ドゥファン」と現音読みするようとの要請があったとニュースになり、またその後割と早く現音読みが一般的になるように変わっていったことが記憶に残っています。
なお、本作でファン・ジョンミンが演じる役名は「チョン・ドゥグァン」ということで、実際にあった12.12軍事反乱(或いは粛軍クーデター)をモチーフにして作られたフィクションです。役者が演じることで(実話とは異なり)かなりドラマチックな演出もあるだろうと思われますが、鑑賞をきっかけに実際の事件に興味をもち、本当のことについて知りたくなるという意味では、充分観る価値のあるがある映画だと思います。
と言うことで、公開初日の午前回に角川シネマ有楽町へ。ファン・ジョンミン×チョン・ウソンと言うこともあり、平日の割には結構入っていたと思います。
なお前文で知ったような雰囲気を出していますが、実際には鑑賞前まで「知識ほぼゼロ」で挑んだ私。正直言えば前半ちょっと付いていけてなかったと思います。まぁ、展開が早くて顔と名前を覚えられない。。とは言え、韓国の俳優さんたちはキャラが強めな方が多いため、各人の「旗色」が判り始めるとようやく理解が追いつき、そしていよいよ12月12日となると最早この「怒涛の展開」×「シーソーゲーム」の虜。あくまでフィクションとは言え、まさかと思いつつ「どちらが勝つのか?」固唾をのんでしまうほど。或いは、ついついヒーロー映画のように新手を期待してしまったりと、終盤はもはや感情移入が止まりません。
まぁ、韓国映画に対してよく言われることですが、ここまで描いてくれるからこその面白さ。ただ、それが出来るのは「こういう過去」が割と最近まであったことへの反動でもあるような気もします。勿論、報道や教育で「真実」を伝えることは大事ですが、映画と言うエンターテインメントから「真実」へ興味を持てるほうが吸収力高く、そして記憶に残りやすい。韓国の文化政策「支援はするが、干渉はしない」、もっともっと見習わなければいけませんね。堪能しました。
1979年、ある闘い
「ソウルの春」を観る。時系列で「「KCIA南山の部長たち」と「タクシー運転手」の中間。とにかく全斗煥を演じたファン・ジョンミンが素晴らしくて、どれくらい素晴らしいかといえば、町で会ったら、「てめえ、このクソファシスト野郎が!」と胸ぐらを掴みそうになるくらい素晴らしい。
そして、あくまで、フィクションという位置付けなので、アクション映画としても素晴らしくて、勝敗が分かっていても、「あっ、これ、勝てるかも!」「こいつ裏切りやがった!」と盛り上がる。結末は当然もやもやするんだけど、そんな人は続けて「1987、ある闘いの真実」をどうぞ!
まあ、あれはあれで辛かったりするが。
現実のシビアさ
この映画を見て、私ってアホやなあと思ったこと2点。① チョン・ドゥグァン=チョン・ドゥファン=全斗煥と最後の集合写真で気づいたこと。② ①に繋がるのだが、クーデターは成立しないだろうとどこかで願っていたと言うか思ってしまっていたこと。全斗煥なんだからクーデター相成って軍事独裁政権が続いちゃうに決まってんじゃん。映画を見るときは事前に情報を入れずに行くんだけど、そうすると自分の現実認識の甘さというか、エンタメ脳みたいなものを思い知らされますな。そうそう、一般市民には全く情報が出ないあたりも、歴史解釈の問題でもあるんでしょうが、情報統制の力を感じて空恐ろしかった。/あのザキヤマみたいな人、どっかで見たと思ったら『奈落のマイホーム』の人だ!長塚京三みたいな人も、どこかで見たような気がしたが、それは気のせいみたい。(と思ったら、『アシュラ』じゃん!)
史実とはいえ結末にビックリ!
話の流れは理解できるんだけど、誰がどれくらい偉いのかとか誰より偉いのかとか、いろんな組織間の関係とか、よく分からないまま見ていました。
ただ、善と悪は明確だったので、話としては面白かったです。が、ラストはビックリ!!
久しぶりの胸くそ映画でした。
骨太な歴史劇
朴正煕による18年間の軍事独裁政権後の、全斗煥による軍事クーデターに至るごく短い期間(メインは1979年12月の一夜) を描いた骨太な歴史劇。
結果がどうなるかは知っているのに二転三転する情勢に本当にハラハラするし、欲と執着に正義が敗れ去る展開も残念ながら納得させられた。なりふり構わず、欲も隠さず、嘘でもなんでも手段を選ばない相手に正論がいかに無力かというね…
そしてこれこそまさに「おじさんの詰め合わせ」ながら、みんな実に良い。なんといっても主役の2人、特に全斗煥を演じたファン・ジョンミンの熱演がスゴい。彼ほど、欲望に忠実な悪党を魅力的にみせることが出来る役者はいないね…
1980年代以前は日本映画でも「日本のいちばん長い日」とか226ものとかいろいろあった気がするが、もうそういった作品が出来るような体力はないよね…
その点韓国映画はスゴい。
朴正煕政権を終わらせた暗殺を描いた「KCIA 南山の部長たち」。その後の全斗煥クーデターを描いた本作。全斗煥による民衆弾圧である光州事件を描いた「タクシー運転手」。韓国民主化への最後の戦いを描いた「1987」と最近製作された映画だけで韓国の現代史の流れを理解できるからね。
大事なことだと思う。歴史修正主義にまみれた日本から見ると、実に羨ましい…
クーデターの内幕を丁寧に描いた力作。緊迫に満ちた2時間22分。飽きさせず最後まできっちりみせる。
ファン・ジョンミンがチョン・ドゥファンを演じる。韓国の名前は日本では原語発音をカタカナで表記することになってしまったのでどうも分かりにくいね。馴染のある表記だと全斗煥です。士官学校の同期生でチョンの後で大統領になるノ・テウ(盧泰愚)も重要な役割で出てきます。1979年12月12日のいわゆる粛軍クーデターを描いたものですが、79年に暗殺されたパク・チョンヒ大統領以外は別名になっている。実話に基づいており登場人物には全てモデルというか実在人物が符合する。時代としては「南山の部長たち」(パク大統領暗殺)と「タクシー運転手」(光州事件)のちょうど間に位置するがそういえばこの2本の映画もモデルの名前を変えたフィクション扱いの作品だった。
フィクションにしたほうがおもいきった表現ができるからでしょう。粛軍クーデターの頃の関係者にいまさら忖度する必要があるとは思えないが、とはいえ史実にがんじがらめになることなく人物の性格づけをしたりそれぞれの思惑を掘り下げて描くことがより自由にできるのだろうと思う。また参謀総長公邸や特殊戦部隊本部などでの銃撃戦も史実よりもやや規模を大きくして描かれているようにもみえる。要するにドラマチックなのである。
そして、この映画は、クーデターの内幕、推移を丁寧になぞることに加え、登場人物をきちんと描き分けることによってドラマとしても深みのある実に見応えのある作品となっている。チョン・ウソン演ずるところのイ・テシン将軍がややヒロイックに描かれすぎている嫌いはないとはいえないが。
民主化という切り口から民衆の姿がみえないとの批判もあるようだが朝鮮近現代史の中ではこれは陸軍内部の抗争に過ぎない。
ただチョン・ドゥファンという怪物に権力を集中させてしまったターニングポイントではあった。
この後、光州事件が起こり、韓国の民主化は20年は遅れることとなる。一方で、チョン・ドゥファンは民主化後の逮捕、裁判、収監を乗り越え、2021年に90歳で亡くなるまで生き延びた。
凄く面白かった‼️
反乱者と正規軍の攻防が最後の最後まで超面白い‼️
これが史実とは、、、
あり得ない話し。あっちゃいけない話し。
その後がどうなって今に繋がってるのか?
反乱者のその後、正規軍のその後、凄く知りたい。
普通には韓国映画は終わらせない。
まさかの結末でした。
怒り心頭、モヤモヤ。スカッとしたかったー😭
あー腹立つわ。
余談、チョンヘインはやっぱり可愛いし格好いい‼️
韓国ドラマではお馴染みだが、映画では初めて観た。
もう少し出番の多い役でいいのでは?
ま、あの服装と役はピッタリだったけど。。。
若い世代には、ぜひ観て欲しい映画
映画のストーリー性と俳優さんたちの演技面では、4つ星。だけど、日本で生まれて、自覚もしてないまま、民主主義と自由の恩恵を享受している若者に全身全霊で強くお勧めできる傑作だから5つ星に判定する。以上。
全164件中、141~160件目を表示