「緊迫感が途切れずダレない映画!」ソウルの春 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
緊迫感が途切れずダレない映画!
主演二人の素晴らしい演技によって、軍部内の学閥、同調圧力、腑抜けの大臣の様子が緊張、怒り、悲しみ、悔しさ、諦めと共にガツンと胸に来た。
悲しいかな、切れ切れの知識しかない。まずは人名問題なのだ。歴史の授業でも日本の報道でも、中国、台湾、韓国、北朝鮮の人名は漢字で書かれて日本語読みという時代だった。だから欧米の人と東洋の詩人や学者といった教養人や政治家の話をする時はまるで通じなくて辛かった。「同じ東洋人のくせにお前は何も知らないのか」と思われた気持ちがした。漢字で日本語読みで教育を受けたからと説明しても、彼ら欧米人は日本語のことを何にも知らない。
購入したパンフレットの「実際の時系列」には初出の人名には漢字表記が付記されているので助かった!ただその後の「劇中の組織図」と「人物相関図」はあくまで映画内のフィクションとしての氏名で漢字無し。「時系列」見ながら参考の為のメモ入れをした。
反乱軍トップのチョン・ドゥグァン(この人は全斗煥)役のファン・ジョンミンは憎々しくも子どもっぽく好演(内田裕也みたいな雰囲気)。彼と真逆のタイプのイ・テシン首都警備司令官演じるチョン・ウソンは温厚で謙虚で善と信頼の塊だった(三浦友和みたいな感じ)。
うーむ、軍隊は怖い。当時も北朝鮮との緊張関係はあるわけで内戦やってる場合じゃないことが映画からもよく伝わる。パク・チョンヒ(朴正熙)が大統領の時に大統領の三選を可能にする改憲案が国民投票で承認されてパク大統領は三選された。「シビル・ウォー」で最後は殺されるアメリカ合衆国大統領と同じじゃないか!「大統領」と「首相」は権力の大きさがまるで異なるにしても、日本の政治家も首相もヘナヘナ、というより国民は愚かでいてくれ、が前提?どこの国も多かれ少なかれ同じ?見応えがあった。時間をおいてまた見てみたいと思った。
人名問題ありますよねえ。でも韓国のこの手の映画はフィクションとして楽しめるように人名は微妙に変えているので映画見るぶんには気にする必要ないので助かります。
今回の韓国の戒厳令騒動で本作の評価がバク上がりしてますね。自民党も憲法改正草案で緊急事態条項を入れようとしてましたがほんと恐ろしいです。何が緊急事態かは恣意的に判断される恐れがありますからね。