「生きて守れ、死して忠誠。」ソウルの春 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
生きて守れ、死して忠誠。
息つく暇もない緊迫の2時間半。
実話を元に、硬派な、大人の作品を、トップスターたちの競演で、エンタメとして作り、それが大ヒットする。
韓国映画ってさすがだなと思う。
作り手もすごいし、面白い作品、良い作品はヒットするって観客を信じているんだと思うし、観客もしっかり応えている。
ファン・ジョンミンはいつもながら野卑な感じの人たらしで怖いし、チョン・ウソンは生真面目な悲劇の主人公。
ほかの作品では気弱な脇役などでよく見る俳優さんたちも軍人を演じると見違えるほどに格好いい。
みんな軍隊経験があるから様になるんだろうな。
ファン・ジョンミン演じた男が、実際に大統領になるんだからなぁ。日本人の我々はよく出来たエンタメとして観ているけど、韓国の人たちの思いって複雑だろうなぁ。
「光州518」「1987」「工作」「KCIA」等の韓国現代史を描いた作品にまたひとつ傑作が加わった。
韓国一般国民の視点から描かれた現代史「国際市場で逢いましょう」を観てから韓国映画を観る目が変わりました。
コメントする
LSさんのコメント
2024年9月4日
共感ありがとうございます。
レビューの標題にもある、敬礼時の「チュンソン!」(忠誠)が強く印象に残っています。何/誰に忠誠を誓っているのかと。
昔見た「大統領の理髪師」の「カッカヌン、コッカダ」(閣下は国家だ)が強烈すぎて今も頭にこびりついているのですが、韓国の政治文化には(軍事政権だったからというのは措いても)個人崇拝に近い過度の傾倒が生じやすい傾向があるのかなと思いました。