ランサム 非公式作戦のレビュー・感想・評価
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誠実な青年
かなり序盤から主演の二人が大鶴義丹(筒井道隆風味)と毎熊克哉(王子風味)に脳内変換されてしまったので妙なテンションでの鑑賞となりましたが、劇場で観られて良かった!韓流のポリティカルサスペンスは良い。独裁政権時代だからバッサリ否定出来る強みはあるけれども、少し羨ましくもある。邦画メジャーも頑張って頂きたい。
冒頭の電話を取るまではちょっとアレだったが、現地について三人目に辿り着いた辺りからは感情が行ったり来たり画面共々忙しい。オチも定番と言えば定番なのだろうが、それが良い。それをこそ待っていた。不思議と幸せな気分になれる映画でございます。
蛇足だが、「ソウルの春」を観逃したのは痛い。今なら飛んで行くのにな…
海外で奔走する外交官の物語は熱い!
「極限境界線 脱出までの18日間」「モガディシュ 脱出までの14日間」とか、海外で拉致されたり、内戦に巻き込まれたりする韓国映画は面白い。本作は、ベイルートで拉致された外交官を救おうとする話。
驚くのは、最初に拉致されてから1年以上経ってから救出活動が本格化すること。中東だけど、国際テロ組織というよりは犯罪集団が拉致しているところもちょっと珍しい。ただ、犯罪組織といっても装備がすごいから、ちょっとした軍隊並み。でも、規律がゆるそうだから捉えられている側としてはたまったもんじゃない。ちゃんとした軍隊に捕虜として捉えられる方がマシだ。
個人的に気になってしまうのが誰が大統領だったかということ。全斗煥のときだったが、1987年の民主化運動で政権交代を決断するちょっと前の話。だから、救出作戦自体は軍事政権真っ只中の出来事だ。安企部の力が強いのもそのせいと思われる。なんでも北の陰謀と決めつけるって外務部のセリフは面白い。
救出作戦自体はなかば強引だったが、意外とあっさりと解決する。ただし、盛り上がるのはベイルートからの脱出と最後の終わり方。なるほど、そんな決断をしたあいつは最高にかっこよかった。外務部の職員たちの行動にもちょっと感動。働く人たちのプライドが垣間見える物語は面白い。そして、男の友情物語としても楽しむことができた良作だった。韓国のこの手の映画はやはりはずさないな。
シリアスかと思ったら
ホームラン!
忠誠心
ファン・ジョンミン主演の「極限境界線」に引き続き異国の地で拉致された自国民の解放のために奮闘する外交官とその相棒。
ただ、前作と違い時代は全斗煥政権下の韓国。人権が重んじられない独裁政権下の時代のためそれが現地での活動の足を引っ張ることに。国からの支援もない中での主人公達の綱渡りの救出劇が繰り広げられる。
我々外交官は国に忠誠を尽くす、だから国もそれにこたえてほしい。仲間の外交官を救うために同僚たちが自分の給与をカンパして述べたこの言葉が胸を熱くさせる。
愛国心や忠誠心などというものは無理矢理植え付けるものではない。国が国民の一人一人を思ってくれたなら自然と国民は国を愛し、忠誠を誓うようになる。国がやるべきことをやっていればおのずと芽生えてくるものなのだ。
現地ロケや現地での役者さんの起用で相変わらず映像クオリティーが高い韓国映画。日本映画だとこの辺はなぜか噓くさくなるのだがさすがである。
中東のスケール感を感じられる良作
外交官の使命と矜持
熱血漫画の主人公っぽかった
重い史実に、派手なアクションなどをぶち込んで、めいっぱい娯楽にしちゃう力技を堪能。
日本車(トヨタ)より欧州車(ベンツ)の方が明らかに頑丈という描き方に苦笑しつつ。
事件の経緯は未だ国家機密扱いで、あと20年以上は明かされないために、想像して創作しまくった経緯が物語として、ある意味ドラマティックに、めちゃくちゃ盛って展開してました、
どこか『アルゴ』や『モガディシュ』を思い出させます。
二枚目枠だがややお調子者っぽくどこかちょっぴり抜けたとこもあって可愛いいハ・ジョンウが主人公で、最初は自分の栄転・昇進のために任務を引き受けておきながら、最終的には誘拐された書記官を絶対に助け出すという目的のために懸命になる姿は、熱血漫画っぽかったです。
頼もしい韓国外交官
約10か月ぶりのバルト9
『最後まで行く』のキム・ソンフン監督、劇場映画に絞ると案外寡作な監督ですし、やはり最新作となれば気になってはいたのですが、、残念ながら公開規模はあまり大きくなく、私の行動範囲だとバルト9一択。新宿かぁ、と思って躊躇していたのですが、毎週聴いているライムスター宇多丸さんの映画評の対象作品にもなったことで、えーいっ、と踏ん切りをつけていざ参戦です。会員サービスデイの午前回、平日の割には結構入っていたと思います。
さて、本作は1986年にレバノンで実際に起きた外交官拉致事件をモチーフにして作られたフィクションです。と言うことで「実話ベース」には違いありませんが、ちゃんと“面白く”作られたクライムサスペンスになっています。
命知らずの犯罪集団を相手に、普通の人である外交官ミンジュン(ハ・ジョンウ)とタクシー運転手パンス(チュ・ジフン)が立ち向かうという荒唐無稽さも、相性のいい二人の掛け合いはテンポがあって引っかかることなく観られます。また、既視感のあるアクションアイディアも、ちょっぴりふっくらした感のあるハ・ジョンウがやることでチャーミングに見えたり、それでいてちゃんとハラハラする緊迫感もあり飽きることなく観続けられ、きっちりエンターテインメントに仕上がっていて流石です。
なお、非常に細かいところですが、前半のシーン、ミンジュンが後輩に出世を追い越された腹いせにするある「行為」。その後に映るそれがちゃんと「ある変化」を起こしていてちょっと吹き出しました。美術さん、グッジョブ。
と言うことで、総じて楽しめる映画に仕上がっていますが、劇場鑑賞必須かと問われれば、、ご都合や熱量次第では配信待ちでもいいかもしれません。もう少し観やすいとなぁ、、クロックワークスさん、すいません。
Revenir
2週連続でのハ・ジョンウ祭り後半戦。スポーツマンだった「ボストン1947」とは打って変わって今作では戦地に赴く外交官にシフトチェンジしてスクリーンに見参。
「ジェントルマン」で出会ったチェ・ジフンもタクシー運転手として出演しておりこれは面白そうだとワクワクしながら鑑賞。
シリアスになりそうな題材ながら笑える部分もあり、熱くなる部分もありでとても良いバランスの作品で満足度高かったです。
拉致された同僚の外交官を救出するために戦地へと向かう主人公と現地で出会うおちゃらけたタクシー運転手の凸凹コンビの珍道中はワタワタしてて面白いですし、2人が協力したらどんな場面でもギリギリで突き抜けていく姿には手に汗握る展開で激アツでした。
現地の警察が悪の方に加担しているという恐怖と戦いながらも、銃弾バンバン飛び交う中、咄嗟のアイデアで潜り抜けたり、偶然が奇跡を呼んだりと映像面的に飽きることが全くないのもとても良いです。
カーアクションは文句なしの出来栄えで、とにかく街を駆け回り、壁やら物やらどんどんぶっ壊していく爽快感もあり楽しかったです。
韓国映画はやはりカーアクションにはより力を入れている気がしますし、期待に応えてくれるものを提供してくれるので一ファンとして嬉しい限りです。
自己犠牲をしてもなお皮肉は忘れないラスト、そして母国での再会と起承転結どこを切り取ってもパーフェクトで最高でした。
実話ベースの韓国映画はここ数年多く観ていますが、エンタメ性とリアルがうまいこと融合して面白さにしっかり繋がっていてとても好みの作品でした。
このコンビ、そして監督の次回作も大いに期待しています。
鑑賞日 9/7
鑑賞時間 10:35〜11:55
座席 G-3
スリルと緊張感が133分間ひたすら続く実話ベースの韓国映画。 本年度ベスト!!
これは凄かった!
類似した作品は多くある中、過去に観たインド、ムンバイのホテルがテロリストに占拠される作品を彷彿としたスリルとスピード感があった!
外交官とタクシー運転手の二人が拉致された外交官を救い出すストーリー。
政治的都合で公に出来ず、極秘で救出を遂行しなければならない展開。
実話ベースに驚くものの、外交官のミンジュンがたった一人でレバノンのベイルートに救出に向かう姿が素晴らしい!
ベイルートで偶然乗車したタクシーの韓国人運転手のパンスがバディーとなって身代金を届けに行くストーリー。
パンスがかなり怪しい存在なんだけど、終わってみれば素敵な人間だった。
仲介人との交渉やテロリストに追われるシーンなど緊張感がハンパ無い!
カーアクションもリアルな感じなんだけど、タクシードライバーならではのパンスの運転テクニックがあった方が良かったかも(笑)
拉致された外交官を救出してからの追手に追われるシーンに引き込まれる。
本作の様なシーンが実際にあったとは思えない映画ならではのエンタメ映画に仕上がっていた感じ。
屋上から地上に降りるシーンはトム・クルーズさんの作品を思い出す(笑)
空港から韓国に帰国する時のミンジュンの行動に泣ける。
パンスとの友情がさせた行為だと思うけど自分があの立場なら多分、出来ないと思う(汗)
その時の空港のロビーでのミンジュンの演説の様なシーンが印象に残る。
ミンジュンが無事に帰国した時、タクシー乗り場の運転手達の発言が現実に引き戻された感じが悲しい。
でもその後に予想は出来る素敵な出会いのシーンが良かった!
ミンジュンが帰国した時、誰も迎えに来ていないのはかなり悲しかったです( ´∀`)
見応えはありましたが少し長いかな
タクシー運転手が有り得んけど、フィクションだし、まいいか
1986年、内戦下のレバノン・首都ベイルートで韓国人外交官が拉致され、行方不明になった。2年後、その事件が忘れられかけてた頃、外交官ミンジュンの所に暗号電話がかかってきた。その消えた外交官が生きているという内容だった。身代金を手にベイルートへと向かったミンジュンは、大金の密輸を阻止しようとした空港警備員に追われ、たまたまいた韓国人のタクシー運転手パンスに助けられた。その後も身代金を巡りギャングに追われたり、パンスの裏切りにあったり、さて無事に外交官は救出出来るか、という話。
1986年1月に実際に韓国外交官が拉致され、1年9ヶ月後に解放された事件を参考に作られたフィクションとのこと。
この事件関連の機密文書は2047年まで公開されないとの事で、事実は闇の中で、500万ドルという大金が払われたのか、仲介者が半分立て替えたのかどうかもはっきりしない様子。
内戦中だから戦うための資金は必要で、身代金目的の外国人誘拐、というのは大きな収入源だったのだろう。
韓国人ドライバーや銃撃戦はフィクションなんだろうけど、なかなか面白く観れた。
たまたま乗ったタクシーの運転手が韓国人だったから良かったものの、違ってたら未解決だなぁ、というのも、ま、いいんじゃない。
日本人と間違えたから忘れてた、なんてオチも常に日本を意識してる韓国っぽくて笑えた。
ミンジュン役のハ・ジョンウがずっと長嶋一茂にみえて、ひとりで笑ってた。
この実話をエンタメ映画に昇華させちゃうのがすごい。
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