「拉致とか異国は怖い」ランサム 非公式作戦 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
拉致とか異国は怖い
中東課所属の外交官が現地で奮闘するなか、現地でタクシードライバーをしていた韓国人の協力を得ることになるわけですが。。
このタクシードライバー、どこかで見たことあるかな??と思っていたら、宮の皇太子役の彼でしたか!!!
このドラマは見ていたし、「クールな皇太子」がなかなか適役でしたが、今回は月日を重ね「タクシードライバーをしているものの相当なヤマ師」という役で、緊張感のある作品に少しの息抜き効果も出していました!
一度は身代金の大金に目がくらんで持ち逃げするも、彼女に怒られて返しに行くとか。。実にリアルな感じ。実話を元にどのあたりがフィクションなのかは分かりませんが、このあたりのエピソードにはリアリティがありました。
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また、なんとかお金を渡せて青いトランクから拉致された外交官を救出出来た!!と思ったらまだまだ余談を許さぬ事態。。。
えーもうここまでも充分皆頑張ったから、シンプルに帰国させてあげて〜!と思いつつも、国境まで行かないと政府が送金しないとか。。ちょっと待ってくれ政府酷すぎるじゃないか!!
ここで動いたのは同じ外務省勤務の1人1人の職員達。署名と自分達の給料を出すから送金して同胞を救ってくれと上官に嘆願とかさ。。。いやいやその前に上がスパッと送金なりの手配を素早くやろうよ。政府内で送金を阻止する課があるとかもう政府の機能が終わってる。。。
結局組織になると動きは遅いしオリンピックだ選挙だわけわからん状況との兼ね合いとか気にするようになって、まともに航空機を手配とかしてた部署のほうが邪険にされるなんて。。
外国人の交渉人?仲介人?が、「外交官個人個人の想い」を電報や署名から感じ取り、善意で動いてくれて(取り急ぎ政府より前に自腹で送金して)なんとか現地の奪還作戦が遂行されるとは。。綱渡りにも程がある(涙)
帰るだけでも結局2人を先に帰し、残った主人公は1か月も無駄に勾留されるとか。。拉致も勿論嫌だけど、ただ同胞を助けに来ただけの何も悪く無い外交官もすぐ次の便で出国出来ず、不当な勾留を受けるとか。。
ますます言葉も文化も違う国には行きたくないと思いました。ただもう怖すぎ。
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しかし、今回政府が立て替えてくれた方にお金を払ったor払ってない、の記録が曖昧なようで。。2047年までこの記録は開示されないという衝撃のエンドロール。
でもそこも含めて、政府への抗議の気持ちもこめてこの映画を製作したのかな、と思いました。
製作陣の心意気に天晴です!
先日の「ソウルの春」に続き、骨太な韓国映画でした!