「Gilded」罪深き少年たち ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Gilded
実話ベースの韓国映画で、申し訳ないことに事件のことは何も知らないまま鑑賞。
中々に胸糞なお話で、多少の脚色はあれど警察内部の汚い部分が全開で、これが実話って末恐ろしいなと思いながら観れました。
事件発生直後と現在を行き来する作りでしたが、混乱することなく観れましたし、役者陣も演技分けがうまくて観やすかったです。
早期に解決して昇進をしようとする警察たちや、さっさと仕事を終わらせたい検察の行動になんとか抗おうとする狂犬と呼ばれた刑事の葛藤と狂犬としての牙を再び研ぐ物語で、罪のない少年たちを犯人として仕立て上げ、独房にぶち込み、拷問をして、犯人だと思わせる卑劣な行動には観ているだけの自分も手が出そうになりました。
主人公周りの人物が良い人が多かったのが救いでした。
奥さんはもうめっちゃ良い人で、無茶する旦那に喝入れて厳しくも応援してくれる様子が最高でしたし、娘も父親の背中を見て警察になり、あまり描かれてはいませんでしたが、警察署を異動になった際も父親を責めずにやんわり受け流していて、孝行娘だぁってなりました。
恰幅のいい部下は今も昔もめちゃ元気で、主人公に振り回されつつも、ついていっては助けてくれて、時には軽く悪態ついてみてと、誇張はあれど良いキャラしていました。
裁判シーンではまだ逃げようとする警察や検事たちに、青年たちが声を上げて闘い、本当の事件の犯人が出廷して告白する、既視感こそあれど王道の展開に胸が熱くなりましたし、よく出廷してきてくれたなぁと拍手したくなりました。
警察のお偉いさんや検事の悪態のつき方や、逃げ切ろうとする様子は役者が上手すぎるのもあるのか、ちょっと実話であったリアルないやらしさとは離れちゃったんじゃないかなと思いました。
役者という仕事の難しさがここで出るか〜ってなりました。
実際の事件がこんなに杜撰なのか?と思ってしまうくらい雑なところもありましたが、権力でねじ伏せてしまえばこれくらいチョチョイのちょいなのかもなと思えてしまうのが怖いところです。
エンドロール前に流れる事件のその後で、やはり罪には問われなかった警察たちにはヤキモキしましたが、3人は無事に家族と暮らしていると表記があったので、そこは一安心しました。
なぜこうも隠蔽したがるのか、偉い立場になったことが無いので、そこんとこ全く分かりませんが、少しでもこういう事件が減っていってくれと願っています。
立場ってこうも人を狂わせるんだな…。
鑑賞日 6/17
鑑賞時間 20:10〜22:20
座席 H-6